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書家 福詩家たろうと蜻蛉の親爺

兵庫県尼崎市にユニークな詩人で書家、福詩家たろうさんがいる。幼少期を台湾で過ごした元ソーシャルワーカーと云う変わり種。



あることをきっかけに2003年頃から路上詩人活動を開始。「あなたを見てインスピレーションで言葉を書きます」のパフォーマンスをやっている。



その才能が認められたのは2006年。その年に画集『のほほんと』を出版し、オーストラリアでも個展を開催した。



来月 3/6(木)~3/11(火)フォアベルク日本の神戸ショールームB1F (兵庫県神戸市中央区磯辺通4-2-14 )で6年ぶりの個展を開く。



たろうさんのパフォーマンスは眉唾ものの占いでも何でもない。



素直に、対峙したヒトからのインスピレーションを文字に、そして一編の詩にする。



彼の持つ独特の書体と文字の配置で、いわゆる「画」を描くように和紙や色紙に詩を書いてゆく。



当然、一枚として同じものはないし、全てがオリジナル。依頼者との出逢いその瞬間の中で作品は生まれ、そして依頼者に渡される。



活動11年目の新たなスタートとして此の個展を開催。そして、この作品は6月に開催されるパリ個展へと向かう。



今回の個展では福詩家たろうさんは全日程会場にいる予定と聞く。たろうさんの新しい作品とご本人を見に行くのも一興かと思う。



以前、たろうさんからこんなエピソードを聞いたことがある。某ホールのイベントで「あなたを見てインスピレーションで言葉を書きます」を開催した時の話。



ホールで遊技されているお客様からのパフォーマンス依頼は余り無かったらしく、成功イベントとは言い難い結果だったそうだ。



街中でたまに見かける路上詩人を前に、紡ぎだされる言葉に感動の表情を浮かべる若者たち。



しかし、そこに中高年の姿を見かけることは殆どない。世間体があってか、あるいは中高年層にはそんな文化自体がないからか。



ここ数年、中高年が多いホール環境では、たろうさんのパフォーマンスは受けなかった。それはそれで納得できなくもない。



そんな中、「私もお願いしていいんですかね?」と即興の詩と書のパフォーマンスに興味を示したのはホールのスタッフさん。特に、若年層のスタッフが多かったそうだ。



若いスタッフにはたろうさんのパフォーマンスがちょっと珍しい余興、軽いノリで参加できる面白いモノに映ったのだろうか。



それとも、直観的に、自分の裡にある悶々とした心、それを受け止め癒してくれるモノと捉えたのだろうか。



とにかく、業務終了後に私服に着替え、たろうさんの前に相当数の若いスタッフが座った。



話を戻すが、会話の中でたろうさんが私にぼそっと言った。



「ホールのスタッフさんって、病んでるのかな?」



たろうさんのこの一言は、私の中に今でも印象的に残っている。



万一そうなら、本人たちに全くその責任がないとは言わないが、やはりその会社、そして業界に責任があると言える。



只、世論そして監督官庁から絶大な影響を受ける業界であることは、百も承知の上ではあるが。



若年層の新たなファンが増えづらい遊技環境。同時に、若年層の働くスタッフが夢を持てないし働き甲斐もないと云う内憂外患。



当然人それぞれであり、全ての若者、若いスタッフがそうだと云う気はない。しかし、此れが業界衰退の象徴であることは明確。



業界で働くと決めたのは自分、働くモチベーションを保つのも自分しだい。当然、それらはこの業界に限ったことではない。



全ては本人の意志、そして自己責任が大前提。それが社会のルールだ。そう言い切ってしまえば身も蓋もない話ではある。



只、一パチンコファンとしては、そんなことは重々分かっていても、その風景を想像するのは寂しい限り。



伝統的な巧の技に裏打ちされた釘整備の技術。既成概念に捉われない自由奔放な発想から生まれる新たなゲーム性。



そんな新旧の融合があって初めて現況を打破できるとすれば、そのきっかけづくりは業界の先輩諸氏、重鎮の方々に頼むしかない。



そんな方々に本気で、良識を持ち、業界の行く末を熟考して欲しいと云うのが市井の一ファンの声だ。



個人的な話をすれば、たろうさんに書いて貰ったこの一枚は、もうすぐ還暦を迎える親爺を元気づけ、そして教示の一枚である。





この作品は親爺の好きな故井上ひさし氏(2010年4月9日没)の言葉を元に、たろうさんに依頼して出来たものである。





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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 新しい価値観を受け入れてこそ新規顧客につながる

    なるほどと思わされます。



    新しい価値観を受け入れてこそ新規顧客につながるのでしょう。



    喫煙ホール

    爆音放送

    売上重視の等価4円パチンコ20円スロット

    入れ替えをひたすら繰り返すしかないPR方法

    売上が落ちてもあまり変わらない粗利



    保守的で生き延びれるのは公務員くらいなものでしょう。レジャー産業は一番激戦で時代の変化に敏感でなければならない業種ですよね。



    禁煙ホール経営がダイナム信頼の森くらいしかない現実がパチンコ業界の保守的さを物語ってますよね。



    若者の飲酒ばなれが実は喫煙フリーの居酒屋にあることを理解しない居酒屋業界に似てますね。
    元ヘビーユーザー  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 元ヘビーユーザー

  3. Unknown

    >>若者の飲酒ばなれが実は喫煙フリーの居酒屋にあることを理解しない居酒屋業界



    はっ、とさせられました。

    気付かなかった(^_^;)



    自分では若いつもりでも世間ではジジイなのかな~( ´ー`)y-~~
    yama  »このコメントに返信
  4. ピンバック: yama

  5. Unknown

    つまり、

    たろうさんのパフォーマンスは若年層に受ける。

    事前にわかっているようなので、

    中高年層が多いホールでは効果薄なのが想定できますよね?

    それなのに呼ばれる たろうさんは気の毒ですよ。



    本気で業界の行く末を考えるならば、

    業界の先輩・重鎮の方々がトリガーとなり

    新旧融合による現況打破を目指す。

    同感ですね。

    中長期的には、若年層開拓が鍵になり、

    温故知新はツールになりますから。



    短期的には、

    中高年層が多い現状。

    前例主義もツールになります。



    しかしながら、

    この業界、残念な方々が少なくないんですよね。

    やってることの意味や目的を論理的に説明できない先輩諸氏。

    成功経験を大きい声で繰り返すだけ。

    ノウハウを体系化できない重鎮。



    もーねぇ

    老害と呼ばれる方々には、空気を読んで頂きたい。

    サッサトインタイシテクダサイ



    あーちなみに、

    蜻蛉の親爺さんのことでは無いですよ!

    勘違いする人がいる可能性を考慮し、念のため但書しておきます。
    メイン基板  »このコメントに返信
  6. ピンバック: メイン基板

  7. Unknown

    若年層の働くスタッフが夢を持てないし働き甲斐もないと云う内憂外患





    これがよくわかんないですね。

    どのパチ屋も他業種にも手を出してるわけですけど、そこがあまり見えない。



    GA  »このコメントに返信
  8. ピンバック: GA

  9. Unknown

    ライフスタイルの違いが大きすぎて、今の年輩層と若年層の価値観が違いすぎると思います。急速に発展していったIT文化をなんとなーく関わりながら生きてきた世代と最初からそれが当たり前で生きてきた世代では、物の見方、感じ方が違って当たり前。今の世界情勢の混乱さえ、こんな事から来てるはずです。その中でパチンコも変化をしているが、本当の意味で進化せず、むしろ退化していると思う。ゲーム性が上がったとか、液晶、役物が派手になったもか、RTCが付いたとか、ある意味進化だけど、ユーザーが減り続けている事が全て。今の枠組みの中でやってても、発展なんで絶対にしない。この産業自体1回壊れればいいと思うよ。
    あはは  »このコメントに返信
  10. ピンバック: あはは

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