これにより、集客方法を失った多くのホールが喘ぐことになるのだが、全国に先立つ4年前の2008年1月から、いち早く広告宣伝規制が実施されていたのが岐阜県だ。
岐阜県のホールにすれば、2012年の広告宣伝規制は、イベント禁止にやっと全国が足並みを揃えてきた、という感覚だった。
元々パチンコ業界にイベントという概念はなかった。新台入れ替えこそが最大のイベントだったからだ。
それが、いつしか、特定の台の集客を図るために機種イベントが行われるようになった。
岐阜県は一連のイベントが禁止された5年が経過しているが、それが原因でホールがバタバタと倒産した、という話も聞いたことがない。
そんな岐阜のホールに東京のホールで働いていた店長が転職した。
東京では繁盛店の店長だった。
店長が欲しかった岐阜のホールが、業者の紹介で採用することになったのだが、ここからが本題だ。
岐阜のホールにすれば、店長の手腕で店の立て直しを期待したのだが、そのアテは外れることになる。
東京のホールで高稼働だったのは、イベント規制前の話だった。
新台入れ替えはバンバン行い、煽りメールやイベントで集客して、稼働を付けていた、ということが分かった。
要はホールの資本力を背景に稼働を上げていただけだった。転職した岐阜のホールは機械予算もなく、イベントもできない状況で結果を出すことができないままにある。
小手先のイベントもできない中で、集客するのに、何より重要になるのが釘だ。それが、お客さんを大切にする営業方法につながる。
「岐阜は変な釘の店が少ない。それと、機械を大切に使っている。倖田來未、石原裕次郎、冬ソナ2がまだ現役で頑張っている。古い機械がまだ頑張っている、ということは変な釘ではない証拠」(岐阜ウォッチャー)
どういうことかというと、風車で玉を殺すような釘の店が少ない、ということだ。
スタートは開いていても、なかなか入らないことがあるが、一番手っ取り早い方法が風車の下で逃がす方法である。渡りに流れる玉が少ないので、スタートが開いているにもかかわらず、1000円スタートは落ちる。
こういう釘はスランプにもなりやすく、お客さんが一番イライラする釘である。
岐阜ではストレスを感じる釘が少ないことが、イベント規制をいち早く実施したことで身に着けた処世術ともいえそうだ。
パチンコは釘。パチンコの原点といえば原点だ。
イベントのない時代に釘で集客してきたベテランのノウハウが今の時代には必要だ。

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