娯楽産業としての役割は非常に大きなものとなっているのは事実である。
年間二十七兆円前後(原文ママ)も流通するレジャーはそうそうない。
■癒し空間の提供
前節でストレス解消ということが出てきたが、癒し空間とは顧客が気づかないうちに快適に過ごすことの出来る空間だと考える。
ハード、ソフト双方の空間を提供していこう。
まずハード。音響、空調、照明、設備機器、設置台。大きく分けてこれらに分類される。
音響について、一言・・・うるさい。
これに尽きると思う。多くの一般の人がこれを嫌ってホールに行かない原因に挙げていると思う。バックグランドミュージックやマイクのうるささ。たしかに営業手法としてマイクで煽ることは必要という人もいるだろう。
しかし適度な煽り方があるだろうというホールが殆どである。しかもホールにはまだ沢山の音がある。玉を磨く研磨機の音、メダルを磨く研磨機の音、遊技台の音、下手するといまだにファンファーレなど。改善点はいくらでもある。
但し遊技台の音だけは無音にしてはならない。大きく遊戯性を害うためである。しかしボリューム調整はある。
次に空調。
四季を通じて温度、湿度が一定であることに細心の注意を払っているホールがどれだけあるか? たしかに空調機器の場所、数などが原因でホールのどの場所も均一というのは難しいかもしれないが、それは単に設計上の問題、設備予算の問題であり、顧客には何の関係もないのである。
一般社員いわゆる表回りが一生懸命仕事して少し暑いぐらいがちょうど良いのは多くのホールがわかっていると思うがなかなか実施されていない。
次に照明。
これも適度な照明照度というものがある。これは比較的なされているところは多いが、ここで言う大事なのは、切れているものがないということ。ホール内外全てである。とくに外のネオン管や電球。直す気がない、やる気がないホールととられても致し方ない。
負けた顧客などは、このぐらい修理しろ、という感情が生まれる。これでもマイナスイメージのひとつに成りうる。
次に設備機器。
島設備と周辺機器に分類されるが、島設備において清掃はもちろんのことメンテナンスを十分に実施していますか? 営業中止まることはないですか? 十年以上使えるものを三年でダメにしていませんか? 周辺機器も同様だけど使い方しだいで永く使えるものは多いはず。
それとサンドや両替機。
紙幣や硬貨が一発ですべて入りますか? リターンはないでしょうね? これも顧客にとっての不快感のひとつ。簡単なメンテナンスで改善できるはず。わかっているけど実施していないホール、沢山あります。
椅子は綺麗ですか? ガタツキはないですか? 一部スラックスの生地ですべることはないですか? これも不快感のひとつ。
最後に遊技台。
台全体の清掃は行き届いていますか? ガラスは綺麗ですか? 玉とびはある程度一定ですか? 役物に不備はないですか? ひとつでも不備があると不快感に繋がる。
あとは玉、メダルが綺麗であること。
よくスロットコーナーなどにおしぼりを置いてある店があるが、あんなものサービスでもなんでもない。たしかに遊技の後汚たり、臭いが手に付いた時は布おしぼりだったらありがたい。しかし経費節減のためにとかいって、紙など薄いやつを置いてある店まで見受けられる。
ちょっと待ってもらいたい、本当のサービス、当たり前のサービスというものは、遊技の後もおしぼりが必要ないぐらいの状態にさせてあげることではないのか。
汚れる原因は沢山ある。
メダルの材質、柄の多さ、遊技台のセレクター、ホッパー、自動回収ベルト、自動補給ベルト、メダルサンドなどなど沢山の要因にまで神経を使い改善していってもらいたい。ホール単独でなく色んな設備業者の人の協力も必要になってくる。
これらのことはホールとして、最低限準備すべきことではないかと思っている。
次にソフト面について。
接客と営業手法に分かれる。
接客については、ここ数年来この業界は大きく変わってきていると感じている人は多いと思う。様々なホール企業で接客について沢山話し合いをしたり研修をしたりしてきたと思う。
ただベストな接客として確立されている企業は意外と少ない。その姿勢や考え方を社内統一させることも非常に難しい。試行錯誤が続いていると感じられるし、自己満足で留まっているところもある。形だけに捉たり、形が伴えば心がこもっていないなど。
自分が思うのは、節度を持った接客態度は最低限必要だが、それよりも必要なのは働いている人の自然な笑顔が最も重要であると考えている。自然な笑顔 と言葉にするのは非常に簡単なことだが、一番難しい。
友達と会話している時、恋人と会話している時、家族と会話している時の笑顔がなかなかできない。しかし照明照度ではない明るい活気あるホールを造りたいのであれば、絶対に必要なものである。
どんな顧客でもブスッとした従業員や人間味の感じられない従業員の店よりは、自然な笑顔を与えてくれる店のほうに多少負けが込んでも通うはずである。
営業手法については全国それぞれ個々のホール企業の考え方があるので画一的ではない。
ただ交換率や営業方法、出し方、取り方が適正な所に顧客が集まっているのは間違いない。
イベントなどは、二の次である。
競合店がやっているから自店もやる、競合店も入替をするから自店も負けないように実施する、やらざるを得ない。競合店が高価交換だから自店も変更する。など最悪の営業手法である。
そんなことで競り合う前に自店、自社の事を見詰め直してください。目指すべきなのはどこなのか、方向性はどこなのか、営業の指針はなんなのか、すべての従業員の考えが一致した時に答えは出てくると思います。

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