パチンコ日報

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業界の救世主とは何か? その8(最終回)

景気の良い時代から今日まで、ホール規模の大型化が進みました。



その傾向に比例するかのように、お客様全体を一括りする営業が当たり前に。



しかしその営業方法も、ホール営業全般的に通用しない時代になりました。



各ホール企業は、更なる営業手法を模索しながら、独自の営業手法を確立する努力を行なっています。



しかしながら、大手ホール企業の郊外店舗等を含めた、人口過疎部では、4円パチンコの稼働低下に歯止がかからない状況も散見されます。



東日本大震災の直後に、私の旧ブログには、全国のホール管理職から連絡が入り、その数は150にもなりました。



そうしたホール企業の皆様からの情報を含め、4円パチンコの状況悪化は、数年前から危機的状況になると、多くのホール関係者の一致した見解がありました。



この状況下で、ホール店長クラスは、どのような対策ができるのか、日々研究をしています。同時に私への相談も絶えません。



私自身は、ホール企業への単独コンサル営業(行為)はしていません。コーチ等を含めた契約に対して付加価値的にホール企業へアドバイスを行なっています。



そんな中で、成功した事例を紹介しながら話を進めていきたいと思います。



蜻蛉の親爺様がコメントの中で「見微知著」と書かれていました。



見微知著(けんびちちょ)=芽生えを見て、全体の姿をつかむ。ちょっとした手掛かり、ヒントから全体の方向や本質を見抜くこと。



この言葉、一時期座右の銘にしていた時があり、これこそ向上心のきっかけになる考えかたであります。



どんな有名な偉大な発明家も、全員が見微知著から始まっています。つまりホール業でも同じ事が言えます。



前回の続きです。



1.甘デジコーナーの固定客リストの作成。



60台ある4円甘デジのバラエティーコーナー。

機種によって台数は1台~12台とバラバラだが、設置機種全種の固定客をリスト化。



前回ここまで書きましたので、多くの店長さんは「固定リスト」についてお考えになった事でしょう。



ここで店長さん以上の役職者に質問をしてみましょう。



■皆様のホールの「固定客」「準固定客」「未固定客」の比率は?



■「固定客」のうち、4円甘デジコーナーの比率は?



■「固定客」や「準固定客」「未固定客」の定義とは?



私のセミナーでは、この質問以外にも多くの投げかけをします。



こんな質問もします。



■ホール業はお客様に何を売っている商売ですか?何の対価に遊技料をお支払い頂くのでしょうか?



多くの管理職が答えられない質問では、私のセミナーで必ず出すものでこんな質問もします。



■一日1万円の遊技代金をお支払い頂くお客様を一日あたり一人づつ増やしていったら、一年後の年商はいくらアップしてますか?



この他の質問も含めて、こうして考えを深くして行くだけで、業績は必ず上がります。



私はサラリーマン店長時代をはじめ、フリーになって請け負ったホールの全ての稼働を上げてきました。



今迄、現状維持や稼働を下げた事はありません。



その中の手法として、数々の戦略があります。

今回は、イベントや新台入れ替えや店舗改装など、小手先だけの手法は除いた話をさせて頂きます。



まず最初に基本的な内容をクリアにしてみましょう。



パチンコ店では、お客様に何を売っていますか?



この答えは様々な内容が出てくるでしょう。



そこで私が、重要な答えを先に書きます。



今から10~20年前のパチンコホールは、お客様に販売していた重要な部分には「期待感」がありました。



つまりホールはお客様に「期待感」を買って頂いていたのです。



その期待感の一部は今でも引き継がれていますが、環境の変化に適応したのか一部が変化してしまい、ホールが期待感を販売出来ない環境になってきました。



期待感は「絶望感」や「悲観」と隣り合わせで、いや隣り合わせというよりも、同じと言えるでしょう。



それがパチンコ=ホール業なのです。



パチンコ=ホール業=期待感≒絶望≒悲観≒お客様



今は上記の公式になります。



以前は、期待感が大きくて、それがお客様に支持されていました。

昔は、「あの機種が打ちたくて」あす朝の開店を待ち遠しいと思った経験のある往年のファンが大勢いらっしゃった。



期待が大きければ大きいほど、朝開店前に店先で並んでいられる。



朝一で「あの機種で遊びたい」「あの台を確保したい」「モーニングを取りたい」等、様々な期待感がありました。



期待=「夢」なんです。



昔は、5000円投資して3000円儲かれば満足できる時代でしたよね。赤提灯1回分儲かれば、サラリーマンの多くは満足でした。



小さな夢=小さな金額、でも実現可能な夢がホールにあったのです。



では、今はどうでしょうか?



昔の夢の代わりになっているのが、「1円パチンコ」や「4円甘デジ」です。1パチや4円甘デジの役目は大きくて、これがパチンコファンを支えている面があります。



私はパチンコ=ギャンブルだと思っています。

これはCR機が登場してからの考えです。



一時期、500分の1の機種がありましたが、お客様はそれでも追いかけていました。この時からパチンコはギャンブルになりました。



CR機と並行して現金機があった時は、ギャンブルと娯楽が混在してお客様の多様化を産みました。



実はパチンコ機がギャンブル化する予兆がありました。それは「一発台」です。



しかし、一発台は4000~5000発定量でしたので、実現可能なギャンブルでもありました。

初期投資は今の機械よりも少なくて、ハラハラ感が楽しめた時代でした。





話を戻します。





今は、ホールに来場されるお客様は、どのように分類されるのでしょうか?



分かりやすく区別します。



1.金儲け



2.時間潰し



3.パチンコが好き



4.その他



1.は、金儲けの期待を感じるから来店されます。これにはプロやセミプロ、ウチコも含まれますが、メインは一般お客様が、少しでもお小遣いを増やしたいと思う願望があるはずです。



2.は、遊技をただ楽しみたい、とか、淋しいから、とか、一人の時間が欲しい、とかがあります。



3.は、お気に入りの遊技台で遊びたい、新しい遊技台を試したい、等のお客様です。





そんなお客様層1.2.3で共通している点はなんでしょうか?



それは「期待」なんです。根底には必ず「期待感」があります。



この期待感が重要で、ホール側が創り出す重要な要素なのです。



この期待感があるホールと無いホールが明暗を分けます。



大体、稼働は悪いホールは、そのホールに期待するお客様が少ないから稼働が悪いのです。



お客様に期待感MAXを提供するには何が必要を今一度考えてみませんか?



過去に寄稿したコスト管理シリーズは、あの当時まで無駄が多い業種であったホール業について書いたものです。



先日も書きましたが、あれから4年、地道にコストについて社内検討したホール企業は、社員全員で無駄とは何か?コストとは何かを身につけました。



当時イニシャルコストやランニングコストの単語を知らないでいた従業員は、今では副主任や主任、店長となり、無駄を自然に考えるように。



無駄とは、購買関係だけでなく、行動(動線)にもあると再認識して下さい。

それと重要なのは、無駄な機械活用です。



無駄な機械活用とな何か?それを一度考えてみて下さい。

この場で、それを詳しく説明すると、経営を無視したアンチがコメントをすると思いますので、別の機会にお知らせできればと思います。



さて、本題に入ります。



1.甘デジコーナーの固定客リストの作成。



2年前からと3年前から実施しているホールは確実に実績を上げています。



最初は、どうやってリストを作るんだと思われた管理職もいましたが、案外簡単にリストは作れるものだと思ったと言います。



この数年、稼働や集客に有効なのは「新台」と「出玉」ですが、これに「粗利」と言う経営上必要な数字を加えると、現場では雁字搦めになります。



低貸玉交換時代は、多くのホールが稼働重視の戦略をとっていました。

稼働が落ちるとオーナー自ら「何をやっているんだ!出せ出せ!」と激を飛ばし、新装開店で出ないと「馬鹿者!」と店長が怒られる時代でした。



そんな時代は去り、労働者の賃金は下がり続け、パチンコは等価交換時代に入り、稼働を追えるほど資金が潤沢なホール企業は少なくなりました。



稼働を上げたいと思うのは、全国の店長全員が思う事です。

どこの店長だってお客様の笑顔が見たい。

(色々こんな事を書くのは、お客様の立場の読者がいるからです)



お客様の不満は、コメントを拝読していると分かりますし、それ以前に多くの業界人は感じています。



そんな状況下で、お客様に出来るだけ多くの期待感を販売するには、各ホールに合った戦略が必要なのですが、最近はそれを考える暇も余裕も無いホール管理職が大勢いるのです。だから、この寄稿を書かせていただいています。



固定客リストを作るとどんな効果が出るのでしょうか。



(1)ホール管理者達に意識が変わります。



本来、機械の調整は、人を見て(お客様を見て)、その流れを読みながら調整するものでした。



(先日掲載されたトミナガ氏の釘講座ですが、あの内容でさえ間接的にパチンコ日報へ指導が入ったので、ここでその調整を詳しく書きませんが、店長関係者なら分かると思いますので、考えながら読み進めて下さい。)



しかし現代は、多くの管理者は数字だけしか見ないようになりました。



機械のデータを眺めるだけでは、稼働が取れない時代に入るようになると、数字だけでは集客や業績アップは無理と感じているはずです。



お客様は、どうして皆さんのホールへ来店されるのでしょうか?

イベントや新台入れ替えに頼り切った経験のある店長は、もう一度考えてみませんか?



お客様の来店機会理由とは?



・あの機種があるから



・職場や家から近いから



・出るから



・相性が良いから



・ホールの雰囲気が良いから



・仲の良い常連が多いから  



・他



今回の寄稿で重要なのは、最初に書いた「あの機種があるから」です。



好きな機種が無ければ、お客様は中々遊んでくれませんよね。これは今も昔も同じ原則です。



その機種はお客様により違いますが、自分の店舗に設置されている機種、お客様からの支持がどのくらいあるのか?それを別の角度から見ると言う重要性を説きたいのです。



この話をすると、何人もの業界関係者は「アウト数そのものが支持を示す客観的なもの」だと言います。確かにそれは正解です。

ただ、それは常連さんの顔があまり見えません。



私が主張するのは、常連さんの顔を見る重要性です。



ホールの売上は、一人ひとりのお客様の集合体です。

集合的な数字を見るなら、その奥の個々を見るともっと丁寧な営業ができるのです。



なのに最近のホール運営は、お客様を一括りにしている営業に慣れてしまいました。その結果が安易なイベントや新台入れ替えではないでしょうか?



ホール業の面白い点は、出せばいいのでは無い点です。



私のブログか、パチンコ日報か、どこで書いたか忘れましたが、ここでその例を一つ上げるならば、こんな例があります。



ずいぶん昔の話ですが、エキサイトとアレジンがあった時代です。主流は40玉交換時代。



損益分岐点は16割。



この時の私が管理していたホールの平均割数は、13・5割~13・8割でした。



そんな中、上記の二機種の営業は、12・6割~12・7割でした。

なぜ?



この割数が、一番「売上」「稼働」「粗利」が取れたからです。



前任の店長や、当時の他の店長の考えは、波の荒い機種(お客様が負けた時の金額が多い機種)は、出せば稼働が取れると思っていた時代でした。



しかし、上記二機種については、その傾向が違うと私は考えました。



ある日の事です。

上記二機種の割が暴れて赤字営業になりました。



この日のアウトは他の日よりも悪かったのです。

もちろん売上も粗利もダウン。



分析した理由はこれです。



この機種に関しては、お客様は、出なければ追い続け、出たら(自分の納得する玉数)止めてしまうのです。



簡単に言えば、出たら即ヤメする傾向が強い機種は、出玉が良い=稼働が高い、とは言い切れないのです。



こうした経験から、各機種の固定客リストを作る事により、見えないホール状況が見えてきます。







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