パチンコ日報

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メーカーの開発はホール現場に出向して客が打ちたくなる機械の開発を

メーカーの開発は意外と孤独だ。開発中の機械のことは社内では最高機密となっている。従って外部の人間と接触することはあまりできない。



会ったとしても名刺を出さない。名前も仮名のケースが少なくない。会社に同業他社の人間と接触していることが発覚すると懲戒処分にもなり兼ねない。



そんな危険を冒してまでもいいたいことがある開発担当者が現れた。



「メーカーは自信を持って機械を発売しているのに、ホールがちゃんと使わないから短命に終っている。昔は営業マンが釘を指導したがそれもできない。メーカーが意図する使い方とホールの運用にギャップがありすぎる。活用方法よりも稼働があるうちに抜くので、お客さんが飛ぶのは当たり前。大手は本部が決めた、与えられた台なのでうまく活用できる店長が少ない。中小は自分の意見をいって導入している稼働が取れるように努力しているように見受けられる。いずれにしても機械の活用方法を指南できる場が欲しい。それを日報で」



機械の活用方法とは当然、釘調整の領域にも踏み込まなければならない。



広告宣伝規制に伴い、釘調整に関わることを業界誌で掲載することも警察から圧力がかかっている状態である。



日報でも最近ハネモノ講座を連載していたが、間接的に警告を受けた。



ホールの活用方法が悪いと書けば、ホールからは「どうしようもできない糞台を出すな」という反論が起きる。



じゃ、糞台を買わなければいいのだが、機歴のために泣く泣く買わされているのが現状だったが、大手ホールが機械代を10%削減することを発表しているように、そういう付き合いの機械は今期は買わない、という表明でもあろう。



堂々巡りになるので、この辺で止めておく。



ここからはメーカーの内輪話。



このメーカーの開発ポリシーは外部の意見は極力聴かない。他人の意見を聴くということは独自性が薄れる、というのがその理由。



従って、外部の人間と接触して意見を聴くこともできない。



上層部からは「自分で考えた独自のものを出せ。他人の意見は他のメーカーもやる。花慶を真似したものが出たがヒットしない」と独自性を貫くように指導されている。



このメーカー、かつては一世を風靡したが、このところヒット機種が出ていない。



低迷している原因はどこにあるのか?



それはあまりにも現場とかけ離れたところで開発しているからではないだろうか。プライベートではもちろん、開発の人間はパチンコを打つのだが、現場で客や店長と話をすることはない。



どんな業種のメーカーでも、開発はユーザーの声を拾って、ウォンツにつながるものを開発しなければならないのだが、パチンコ業界だけは「他人の意見は聴くな」とちょっと異次元な世界だ。



業界外の話になるが、オイルショックで瀕死の状態に陥ったマツダは、この時、工場の人間をディーラーに大量出向させたことがある。車を売ること以外に、お客がどんな車を求めているが徹底調査させた。



その結果誕生したのが、1980年に発売された5代目のファミリアだった。台形の3ドアハッチバックは、マツダの不朽の名作となる。



発売から33か月間連続で前年同月の販売台数を更新するなど、大ヒットを記録。第1回日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車する。



この時、マツダは月間1万8000台を販売していたが、トヨタの社長が「うちにファミリアがあれば月間5万台は売れたのに」と悔しがった。



メーカーは、開発をホール現場に出向させてもいいのではないか? 1年でもいいから一従業員として働きながら、お客の意見や店長の意見を吸い上げる。これまでとは違ったものが見えてくるはずだ。



いま、メーカーが作っている機械がいかに複雑か。単純明快なジャグラーからも見えてくる。





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