今回はパソコンで競馬ソフトを使い勝ち馬を予想しながら、全レースに自動的に賭けて3年間で、約30億1000万円の払い戻しを受ける一方、約28億7000万円を馬券代に投入し、利益は約1億4000万円だった。
税務署は勝った30億円の方に一時所得として課税していたが、パソコン投票だったことで、馬券を買った記録が残っていたことと、娯楽の範疇を超えて、FXのように投資していたことが認められ、外れ馬券が経費として認められた。
その結果、当初は5億7000万円だった脱税額が、5000万円に大幅に減額された。
今回は特殊なケースで、外れ馬券がすべて経費として認められることはないのだが、パチンコ業界にもちょっと関連する問題が起こっている。
会社員のAさんは、パチンコ好きのBさんを会社の接待でホールに連れて行った。
通常の接待といえば、飲食店で接待する。その場合、店から領収書をもらって会社に提出するのが普通だ。
Aさんは飲食店での接待と同様に、パチンコ代は接待なのでホール側に領収書を発行してくれるように頼んだのだが、領収書をすぐに発行してくれるホールはまずなかった、という。
「ICカードでいくら使ったかは分かるはずなのに、領収書は出せないとか、領収書を発行できるものが今はいないとか言い訳をして、領収書を書いてもらえなかった。こんなバカな話はない」と憤る。
ホールで領収書を求めるお客なんてまずいないので、店が領収書を発行する、という習慣そのものが業界にはない。
ところが、ホール現場の声を拾っていると意外な答えが返ってきた。
「サラリーマンや自営業者の方のために、領収書を発行する、ということを会社に提案したことがあったのですが、会社から却下されました。台間で1000円ずつ購入するのと、中には途中で精算する場合もあるので、確実に全額を使ったかどうかを確認するのに、従業員が張り付いておかなければならない。現実的に無理というのが理由でした。領収書を発行することが脱税の手伝いにもなる、と懸念もありました」
全国共通のパッキー、パニーカードが登場した当時は、高額の1万円券も発売されていた。
そのときの謳い文句がパチンコのプリペイドカードは、ギフトにも使える、というものだった。
ギフト感覚なら、接待の経費として会社に提出する領収書として発行することも違和感はない。
全国共通の高額券が発売されていれば、領収書も発行しやすいかったはずだが、偽造に耐え切れずあえなく廃止となった。
司法書士の資格を持つホール経営者の回答はこうだ。
「うちなら貸し玉料金として領収書は発行します。カウンターに領収書は置いていませんが、事前にいっていただければ対応はします。何度数使ったかはコンピュータのデータでも分かります。ただ、パチンコの場合は、勝つ場合があるので、それが脱税の幇助になる恐れはあります」
勝ち負けがあるので、ここがパチンコの難しいところだ。
大手ホールにも領収書対応について問い合わせているが、公式な回答まだ返ってきていない。

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