どういう状況でそんな羽目になったのか?
「小穴に玉が引っかかった。その引っかかった玉に次の玉が当たったにも関わらず、穴に入らなかったので、お客さんが写メを撮って警察に持ち込まれたことが原因でした」(事情通)
翌朝、開店前に所轄がやってきた。当該の台にゲージ棒を通して検査したところ、実際に玉が通らないほど釘が閉まっていた。
今回は始末書で済んだが、これに激怒したのがオーナーだった。
釘経験が浅い上に、技術も未熟な店長だったが、結局、店長は降格となった。
「一般的にはトラブルノートを作っている。玉がかりやドブ詰まりがあった台を毎日スタッフから報告させ、玉がかりをしないようにしていたが、この店長は玉がかりノートも作っていなかった。そもそも店長は玉がかりしないように管理するのが店長の仕事。新台は釘が硬いので、元に戻る習性がある。一度ペンチで柔らかくしてから調整するもの。そんな基本が分かっていないのだから、降格になっても当然かも知れない」(同)と同情の余地はない。
もっとも、そういう経験の浅い人を店長に据えた会社にも責任の一端はある。
責任といえば、釘が閉まるのは店長の責任ではない。
「パチンコ店の店長で抜きたいと思っている店長はいない、と思う。店長ならたくさん出して、喜ぶお客さんの顔が見たい。しかし、会社の要求を達成できなければ、降格になる。生活もあるので、会社の要求通りに仕事するしかない」(某ホール店長)とジレンマの中で日々の業務を遂行している。
では、釘が閉まる原因はどこにあるのか?
「経営ができない二世が経営者になってしまったことに不幸の始まりがある。オーナーは現場を知らなさすぎる。現場から方策が出ないとすぐにコンサルに頼りたがる。コンサルとて現状を立て直すことができる優秀なコンサルはいない」(同)
現場はユーザーが減少する理由がどこにあるか分かっていても、組織の中では抗うことができない。

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