パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ヒートテックに匹敵する業界技術とは

このエントリーは5年前に書かれたものです。
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パチンコメーカーの技術者(33)が、業界内再就職を考え、2社の面接を受けるも、2社とも落ちてしまった。経験は7年で経歴としては中堅の域に達していたが、落ちたのには落ちたなりの理由がある。

業界内再就職を考えた理由は、身に着けた技術が他業界では通用しない、という単純な理由だが、前職でヒット機を手掛けた実績もなければ、採用されることもないだろう。

拾ってくれるメーカーもなく、すっかり自信を失くした。結婚して子供もいる。業界に再就職ができる日を待って1年ほどアルバイトで食いつないだ。それも限界に達した。

どうしていいか分からない状態に陥り、在籍していたメーカーの販社の社長にSOSの電話を入れた。そこで1人のアドバイザーを紹介される。悩みを打ち明け身の上相談に乗ってもらうことになった。

で、アドバイザーが出した結論が業界外へ就職することの選択肢だった。この時業界の経験を一切捨て、資格を取ることをアドバイスした。例えば、大型トラック運転手は慢性的に不足している。自動車学校へ通って大型二種免許を取れば、新たな就職の道が開ける。

このアドバイスを受けて吹っ切れた。

「業界に未練を感じていたけど、業界の将来性も明るい話はない。決心がつきました。タクシー運転手の道に進みます。タクシー会社なら、二種免許は会社負担で取らせてくれるので、カネのない私にはありがたいです」

彼のように第二の人生を送ることにならざるを得ない予備軍を供出することになるメーカーはまだ何社かある。直近の業績が話題になったメーカーは、週刊誌に「メルトダウン」と見出しを付けられて変な噂を書かれた。

「大の大人がいじるのが恥ずかしいギミックが多い。大人が触っても恥ずかしくないものを付けなければダメでしょう」と指摘するのは大手シンクタンク関係者。当該メーカーの業績不振を調査した。

メーカーが再生するヒントについて、衣料品業界を例にこう説明する。

「衣料品の売り上げは気候にも左右されるが、それ以外に売れる理由はファッション性の他おカネに余裕がある人が買うから。さらには、ヒートテックのような新機能が加われば爆発的にヒットする。要はパチンコ業界のヒートテックを見つけることですよ」

パチンコ業界のヒートテックとは、平和のゼロタイガーであり、三共のフィーバーだったが、もう、もう何十年も業界のヒートテックが登場していない。

役物やギミックを派手に動かすことは業界のヒートテックではない!




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パチンコ店とチンドン屋

このエントリーは8年前に書かれたものです。

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御年88歳。現役を引退して久しいチンドン屋の大将の独白である。

仕事は東京でやっていた。チンドン歴は60有余年。

業界に入った昭和30年代が一番忙しく、パチンコ店の仕事が多かった。

昭和40年代を境にチンドン屋は衰退して行く。テレビの普及と共にチンドン屋は古臭いものとして捉えられるようになり、さらにチンドン屋に取って代わったのが宣伝カーだった。

そして、昭和50年代に入るとチンドン屋の需要はなくなった。

それでも大将がチンドン屋稼業を続けてこられたのは、在日だったため、横のネットワークからパチンコホールの仕事などで食いつないできた。

チンドン屋が、チンドン屋の存在感を発揮するのがチラシ配りだ。街頭でチラシを配ってもなかなか受け取ってもらえないが、チンドン屋が配ると受け取ってくれる率がグッと増す。

チンドン屋とは宣伝活動を手助けする部隊なので、クライアントが伝えたい情報を確実に受け取ってもらわなければいけない。その役割を果たしているから未だにチンドン屋は存在している。

「昔はチンドン屋の宣伝がパチンコ屋の開店案内だろうが、子供がついてきて行列ができたものだ。その当時の子供がパチンコ屋の宣伝について行って大人になってから客になることだってあったもんだ」(大将)

大将は昨今のパチンコ業界の広告宣伝規制のことも当然知っている。

「規制が厳しい今だからこそ、チンドン屋を使うべきだ。なぜか? 逆に珍しいからインパクトが残るだろ。高い芸能人を呼ぶよりもチンドン屋を使った方がいい。商店街を練り歩くだけでなく、店の前でも宣伝してくれる」(同)

最近、商店街立地のホールがグランドオープンの日にチンドン屋を使うケースは珍しくない。

「3人がワンセットで1日10万円。値切れば安くなるよ。もうちょっと、チンドン屋をイベントに使う発想が欲しいね。昔は何のコーナーが今なら空いているというだけで、お客さんも集まったもんだよ」

それって、第三者にイベントを告知させている、となってギリギリアウトになる可能性はある。

写真のチンドン屋は生活保護受給者が多く住む地区で撮影したものである。この日は生活保護受給日。生活保護受給者が多く住む商店街を練り歩くことで集客を見込む。



批判を浴びることになるが、この界隈のホールは生活保護受給者が一定数ホールの顧客となっているのも事実である。

それを見越して日本維新の会は生活保護受給者がパチンコやギャンブルを禁止にする生活保護法の改正案を昨年12月に参院に提出している。

オチが完全にチンドン屋の話しからそれてしまった。


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コメを巡る二つの話題――投機と景品

去年からコメをめぐる話題が世間を賑わせている。日本人の主食であり、生活に欠かせないコメが高騰をつづけている。今回は、コメに関する二つの事例を紹介する。

倉庫に眠る消えたコメ

まずは、北関東にあるホール企業が所有する倉庫に関する話題だ。この倉庫は元々ホールとして営業していたが、閉店後はそのまま放置されていたが最近、倉庫として貸し出していた。この元ホールから、あるものが大量に保管されていることが分かった。

その「あるもの」とは、今話題になっている「消えたコメ」だった。30kg入りの玄米が大量に積み上げられており、その総量は1300kgに及ぶ。標準的な5kg入りのコメに換算すると260袋分にもなる。さらに、その近くには「新潟産コシヒカリ」と印刷された袋も発見された。

このコメの所有者は中国人だという。そして、その目的は明らかに投機であると考えられる。昨年からコメの価格は上昇傾向にあり、国の備蓄米が放出される前に高値で売り抜けようとしたが、売り捌くタイミングを見失っているようだ。

問題はコメの保存環境である。コメの保存には、温度、湿度、直射日光への対策が欠かせない。特に温度が20℃を超えると「コクゾウムシ」という害虫が発生しやすくなる。さらに、高温ではコメの酸化が進み、品質の劣化も早まる。そのため、物流倉庫では、夏場でも10℃以下の冷蔵施設で保管されるのが一般的だ。

ところが、今回の倉庫は本来コメを保存するための施設ではないため、適切な管理はなされていない。このまま放置すれば、コメは虫が湧いて売り物にならなくなる可能性が高い。投機目的で買い占めた結果、商品価値がなくなれば、まさに「天罰が下る」と言える。

景品としてのコメ、即完売

次に、東北地方のホールでの興味深い話を紹介する。こちらは、ホールでコメを景品として提供したところ、驚くほどの反響を呼んだという事例だ。

このホールでは、従業員の実家がコメ農家を営んでいたことをきっかけに、その伝手でコメを仕入れて景品として提供することにした。10kg入りのコメを限定50袋用意。しかも、その価格は最近のコメの価格高騰を考慮し、昨年と同じ水準に設定し、現在の市場価格の半額で提供した。

この情報が告知されると、普段は朝の開店前に行列ができることのないホールにもかかわらず、開店前に57人が並んだ。ホールの常連客の多くは貯玉を使って交換したが、中には遊技をせずに台間サンドで玉を購入し、直接コメと交換する客もいたという。

「今、一番熱い景品はコメ」と、ホール関係者は語る。確かに、食料品の値上がりが続く中で、必要不可欠なコメが適正価格で景品として提供されることは、大きな魅力となる。

前述の投機目的で保管されているコメも、こうした形で適正な価格で提供すれば、市場に流通する可能性もある。しかし、投機目的の業者が強欲な値段で売ろうとすれば、当然ながら誰も手を出さない。結局のところ、コメも適正な価格と市場の需要がなければ、ただの「価値のない物」になってしまうのだ。

今回紹介した二つの事例は、どちらもコメに関する話題だが、その性質は大きく異なる。北関東の倉庫に眠るコメは、投機目的で買い占められたものの、適切な管理がされないまま放置されており、その価値が失われつつある。一方、東北のホールで提供されたコメは、適正価格で提供されることで、多くの人々に喜ばれ、即完売となった。

コメは日本人の生活に密接に関わる重要な食料である。適正な価格と適切な供給が保たれることを望むばかりだ。



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AI運営の夜明け

203X年――「ミライスロットセンター」は、閉店していたホールを改修した、新時代のスロット専門店だ。すべての運営は、最先端のAIシステム「パンドラV」によって制御されている。爆音に包まれていた時代は過去のもの。遊技機の効果音はBluetoothでワイアレスイヤホンで聞く時代に代わっていた。
パチンコが廃れ、スロットだけが残った理由は明快だった。釘調整に比べて圧倒的なメンテナンスコストの低さ、そして何より、「利益予測の安定性」だった。スロットの確率計算の方がAIにとって扱いやすかった。

「パンドラV」はただのホールコンではなかった。AIによる精密なデータ解析で、客の好みの台や来店傾向を記録し、設定を最適化した。これらが数学的な確率と心理学に基づいて計算されていた。
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「これで本当にうまくいくのか?」

現場を管理する片山は、「パンドラV」のディスプレイを見つめながら苦い顔をしていた。彼は20年以上、この業界で働いてきた。人間の勘と経験とホールコンデータで管理してきたが、AIが全てを解決するという考えにも納得いかなかった。

「現在の設定で、来店客数が15%増加する予測です」

「パンドラV」の画面に、そんな無機質な文字が表示される。片山は短いため息をつき、ホールを見回した。

「ふん、予測通りになるかどうか見ものだな」

午前10時、オープンしたばかりで50人の客が入り始めていた。女性の姿も多かった。スロットがデジタルゲームのように進化したことで、客層も変わりつつあった。
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ひときわ目立つ席に座るのは、常連の高齢客である田辺だった。 田辺は、かつてのパチンコホール時代からこの店を訪れていたが、スロットの変化についていくのに必死だった。

「どれもこれも、演出はガセっぽくて内容がないな」

彼がそう言いながらリールを回し、画面上に「期待度モード突入」の文字が現れた。それを見た周囲の若者たちが「おっと、来た、来た」とざわめいたが、田辺の表情は硬い。

結果は数分後、予想通り大当たりで終わった。 リールが輝き、画面にはエキサイティングなグラフィックが広がる。 田辺は無表情のまま、カードを引き抜き、台を立ち去った。
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午後3時。若い女性客の西川は、新台コーナーに座っていた。「パンドラV」は彼女の来店データから、好きなゲームタイプや予算の傾向を分析し、彼女が楽しめる設定に台を調整していた。

「この店、何か雰囲気が違うんですよね。静かで、ちょっとカフェみたいね」

西川は、プレイの合間に無料で提供されるドリンクを楽しみながら、友人と話していた。

彼女たちにとって、この場所は「遊び場」というより「気軽に居られる娯楽空間」だった。
だが、そこには熱狂的な勝負師の姿はほとんどない。「パンドラV」の予測通り、彼女たちは限られた時間内で適度に遊び、すぐに帰る。長居しない客を増やすことで、回転率を上げのが「パンドラV」の戦略だった。
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閉店時の夜10時。片山は、一日の売上と来店数の報告をモニターで確認していた。予測通り客数は15%アップ、売り上げは前月比で20%アップ。利益率も過去最高を記録していた。

「数字だけ見れば不安なしだな」

そう呟いた片山の表情は冴えない。彼の胸の内には、どこか割り切れない思いがあった。ホールを歩いていても、熱気はどこにも感じられない。ドラマティックな一瞬——それらはすべて計算され尽くされたものだった。

その夜、片山はパンドラVに質問を書き込んだ。

「人間が本当に求めているものは、これで満たせるのか?」

数秒後、画面に回答が表示されました。

「満足の定義を設定してください」

彼は決めた。この答えでは何も解決しないと分かった。
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「ミライスロットセンター」は、完璧に見える。しかし、その「完璧」の中に隠された、不完全な人間の心。その違和感が、店のどこかに漂っているのを片山は感じていた。

「AIに任せる時代だとしても、最後に決めるのは人間だ」

彼はそう思いながら、明日もまたこの店に立っている自分を想像した。


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ホール景品で大ウケ! 自動タコ焼き機完売の秘密

大阪のホールが、景品に自動タコ焼き機を投入して15台も完売! なんとも驚きの結果が出た。この話、一般景品事情を考えるとかなり異例。通常、ホールで特殊景品との交換は98%。しかも、1万円相当の高額景品がこんなに売れるなんて夢にも思われなかった…。

では、この自動タコ焼き機がなぜこれほど人気を集めたのか?その理由を考察してみよう。

まずは、商品そのもののインパクトだ。自動タコ焼き機というだけで「なんか面白そう!」となる。しかも大阪はタコ焼きの本場。関西では一家に1台タコ焼き機があると言われている。その言説はある意味当たっている。確かに家でタコ焼きパーティーなどをやったことがある。それぐらい家庭でもタコ焼き文化が浸透している。

さらに、景品カウンターで実演をしたのが大正解だった。機械がタコ焼きを作る姿が「めっちゃおもろいやん」と思わせるほどコミカルで、見ているだけで笑いがこぼれる。実演することは、商品の魅力を伝える最強の武器であることが分かる。

パチンコ客といえば、普通は換金が目当て。でも、皆が皆そういうわけじゃない。「なんか楽しい景品ないかな?」とちょっと変わったものを探している人も少なくない。

そこにこの自動タコ焼き機が登場だ。目新しいし、実用性もある。しかも数量限定15台と聞けば「今しかない」となる。そして交換した人が「あの店、めっちゃおもろい景品置いてたで!」と口コミしてくれたら、さらに注目度がアップする。

しかし、高額景品を15台も仕入れるというのは、なかなかのチャレンジ精神だ。これ、オーナーの「ウチの店をもっと楽しい場所にしたい!」っていう意気込みが顧客に伝わったのだろう。



さらに、デモンストレーションをやってみせるというひと工夫。この演出のおかげで、タコ焼き機の魅力が何倍にも膨らんで、来店客の心をがっちりキャッチ。これ、普通の景品ではなかなかできなうい。

多くのホールが、景品=換金用という固定観念がある。でも、この自動タコ焼き機は「換金だけじゃない楽しさ」を提供したようだ。みんなが求めているのはお金だけじゃなく、驚きや笑い、話のネタになるような体験。これを見事に叶えた景品だった。

この自動タコ焼き機のヒットは、地域文化を理解した景品選びと、ユニークなプロモーションが組み合わさった結果、ホールでもこうやって遊び心を取り入れることで新しい可能性を広げられることを証明して見せた。

これからも「なんか面白い景品ないかな?」という探求心で、一般景品市場を開拓してもらいたいものだ。



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