パチンコ日報

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ぱちんこ情熱リーグ決勝戦 表彰式編

5店舗のプレゼンテーションはすべて終了した。



感動のフィナーレが始まった。



ゲストコメンテーター一人ずつが感想を述べていく。



「情熱に対して目から引き込まれた。皆さんから感動のエネルギーをもらった」(パックエックス・井出社長)



「すごく熱かった。思わず涙した。パチンコ店というステージでお客様とスタッフが一緒になってエンターテインメントのステージに変わっていく思いがした」(エンビズ総研・藤田社長)



「感動、元気、情熱をたくさんもらった。(情熱リーグは)キーを回したのが事務局。エンジンのかかった車を一歩前に動かしたのがきょうの5店舗。そして、ハンドルを切ろうとしているのが会場の1000人の人たち。きょうここにいらっしゃらない業界の人たちへ伝えていくことが大事」(日本NCA・木下社長)



「どの業界でも問題を先送りしてしまうが、きょうはパチンコ業界の想いを感じさせてもらった」(居酒屋甲子園・高橋理事長)



「たくさんの感動をいただいた。感動を共有することが業界を変える力になる。印象に残ったのは誇り、という言葉。この仕事を選んでよかった、と思える業界にした、ということで居酒屋甲子園を立ち上げた。純粋なスタッフの姿に感動した」(てっぺん・大島社長)

参観者1000人の投票の結果、日本一のパチンコ店に輝いたのは、金沢市の「駅前ペリカン」だった。

木山理事長が表彰状を読み上げた。



「こだわりである『笑顔の家』をチーム一丸となって具現化し、いつも明るく、元気で愛想のよい接客を徹底し、お客様に元気を与え続けてきた。設置台数169台という小型店舗でありながら、マイナスをプラスに変える対応力は絶賛すべき貴店の形です。全国の中小パチンコ店に勇気を与えました。駅前ペリカンの皆様、あなたたちは業界の誇りです」

副賞としてパチンコホールサービスマイスター協会の認定試験の受験チケット12枚分が贈られた。

日本一に輝いた駅前ペリカンの森尾店長は「これはボクたちだけのものではない。頑張っている駅前ペリカンのスタッフたちにもすぐに伝えたい。何より、絶対に想いは伝わると信じています」と喜びを語った。



総括で木山理事長は決勝5店舗を次のように講評した。

●丸の内デルコム

理念型経営で、価値観共有が素晴らしい。働く人のすべての笑顔のために店舗を飛び越えて行動する姿は全国のパチンコ店の参考になる。



●オーロラ

旧きよき時代のパチンコ店を思い出した。その中心には人が話すエネルギーが存在していた。



●駅前ペリカン

勇気と希望をいただいた。マイナスをプラスに変える思考。環境や設備に左右されない自立型スタッフ。中小企業が廃業に追い込まれる中、中小企業に最も必要な人材育成にかける執念を感じた。



●マックスアリーナ

管理統制型のマネージメントではなく、根底には愛がある人が主役の仕組みを徹底して教えられた。



●アロー浪速店

麻生店長の1カ月に120人のスタッフと面談したエピソードは伝説ともいえる。耳ではなく心から聞くことを教えられた。



そして、最後にこう締めくくった。



「5店舗は決して特別なことをしているわけではない。お客様の笑顔のために働くことに誇りを感じ、部下のことを信じ、上司が夢を語り、行動で見せる。チームを一つに纏め上げた5店舗だった」



形も何もない中でスタートしたぱちんこ情熱リーグは、第2回大会に向け早くもスタートを切った。次回のテーマは「きずな作り」。実務に活かせる情熱リーグに軌道修正していく。



「きずなはお金では買えないが、夢や目標に向かって逃げなければ必ず手に入るもの」と木山理事長はいう。



第1回大会は手探りの中で137店舗が参加した。第2回大会は、ハードルを高くし300店舗の仲間探しの旅に4月から出る。





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ぱちんこ情熱リーグ決勝戦 アロー浪速店編

しんがりは予選通過最高得点をたたき出した大阪市の「アロー浪速店」。



1200台の大型店で、スタッフは120名。自他共に認める市内でも有数の高稼働店である。



「アロー浪速店の接客はずっとよかったと思っているでしょうが、それは間違いです」とオープニングは麻生店長の衝撃の告白から始まった。



アローチェーン22店舗中、社内の接客順位は21位。ワースト2位だった。そんな状況での情熱リーグ参加に麻生店長は心の中でこう叫んだ。



「社長! ナゼうちなんですか?」

「社長! この順位をご存知ですか?」

「社長! 勘弁していただけませんか」

情熱リーグに参加するに当たり最初に着手したのが、協力を求めるためにスタッフ100人以上との個人面談だった。100人以上の大所帯だと顔と名前が一致しないスタッフもいた。



個人面談をしてみると提案を秘めているスタッフも一人や二人ではなかった。改善提案を個人から聞くことで現場の奥深いところが見えてきた。



朝礼から変えることにした。本気じゃんけんから始めた。



朝から元気を出していく。常に周りに感謝することをコンセプトにした。



毎日行われている大声を出しての社訓の唱和が舞台で繰り広げられた。あまりにも大きな声なので何をいっているのか聞き取れない。



ただ、唱和の中で必ず「ありがとう」という言葉が出てくる。常に感謝の気持ちを持って接客することをコンセプトに、皆の気持ちを一つにしてホールに出て行く。一丸となった気持ちは唱和以外にも発展していった。

接客の目標設定は「お客様から笑顔をいただく」。

パチンコ業界でお客から笑顔をもらうのは難しいと思われていたが、自分たちの笑顔が足らないことに気づいた。自分たちが満面の笑顔を続けるために、終礼で笑顔のエピソードを発表するようにした。



「取り組の中で、あることに気づきました。満面の笑みでお客様から笑顔をもらったときが本当にうれしい。これが接客というものなのだと」



スマイルボックスを設置し、お客から笑顔をもらったエピソードは増え続けている。



情熱リーグに参加するに当たってスタッフからの思いの丈が発表された。



「自分は元々笑顔の接客が好きでした。でも、アロー浪速店には笑顔のないスタッフばかり。情熱リーグが本格的に動き出した時、徐々に自分と同じ気持ちのスタッフが増えてきて、店は一変しました。目茶目茶うれしかった。やっと自分の気持ちが伝わった。今ではスタッフ1人1人がどうやったらお客様から笑顔がもらえるかを考えています。この店はもっと変われる。自分の力で変えたろうやないか!」



2番バッターは「100名のスタッフを代表して店長に一言いいたい」と大上段に構えた。最初は情熱リーグには参加したくないとの思いが強かったからだ。



「毎日高稼働の店で忙しい中、笑顔の接客なんかスタッフ全員が無理だと思っていた。情熱リーグなんか止めたらいいと毎日思っていた。

店長、あんたはスタッフ全員と面談するとか言い出した。いつものように途中で投げ出し、絶対最後まで100人の面談なんかできないと思っていたが、最後までやりきりはった。

つばを飛ばしながらスタッフに熱く語る姿を見て、俺も本気になった俺の力で日本一の店長にしたる、と本気で思った。

店長に教えられたことが2つある。何でもやればできること。努力すれば必ず実を結ぶこと。俺は絶対忘れへん。店長のお陰で皆が変われた。店長本当にありがとうございました。

最後に、あんたも店長ならもっとホールに出なはれ!」



スタッフの中には2月にアロー浪速店を卒業する人もいた。

「私は情熱リーグを通して、アロー浪速店が一丸になれたことが一番うれしいです。最初の頃は自分には関係ないと思っているスタッフもいました。店長が社員やアルバイトリーダーを巻き込み、やがてスタッフ1人1人が周りのスタッフをフォローすることで店は劇的に変わりました。4年間お世話になったアロー浪速店を今月卒業します。目指していた保育士の道へ進むためです。アロー浪速店で働けたことを誇りに思い、感謝します。店を変えるきっかけを作ってくれた情熱リーグ、店長、上司、スタッフに感謝します」



業界12年のスタッフは「パチンコ店で働いていることが親にバレて辞めたスタッフがいました。そのスタッフは頑張り屋でパチンコ店で働くことが好きでした。それだけにこの仕事は親にすらいえない恥ずかしい仕事なのか、と悔しさと怒りがこみ上げてきました。

でも、今はいえます。もっと誇りと自信を持て、と。それだけ汗を流す努力をしてきたからです。これだけがいいたくてここに来ました」



再び麻生店長が登場。



「不安からスタートした情熱リーグ。社内から聞こえてくる声は無理、厳しい、難しい。『今に見とれ、お前ら。浪速アローを舐めんなよ』とはいうものの、現実は変わらないスタッフ、理解できずに去っていくスタッフたち。諦めたらそこで試合終了、と言い聞かせました。

少しずつ変化を感じるようになったのは、『情熱リーグの取り組みは絶対途中で止めないでください。必ず最後までやり遂げましょう』というスタッフが出てきたことです。

接客は二の次だったアロー浪速店が変わり始めました。

人は変われる。これは私の信条です。100名を超える大所帯で自分を変えようとしたスタッフ。風土改革の夢物語が今現実になろうとしています。本当に夢のような光景ですが、風土改革はまだ終わっていません。

アロー浪速店のスタッフは毎日こういっています。『やればできる』。このことを証明してくれたアロー浪速店のスタッフたちを誇りに思います」



接客は二の次でも高稼働を維持していたホールが本気になったとき、この先どう進化していくのか興味は尽きない。



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ぱちんこ情熱リーグ決勝戦 マックスアリーナ編

4番手は福島市の「マックスアリーナ」。総台数は960台の大型郊外店舗で、スタッフは40名。



プロモーションビデオでは朝礼の風景が流された。改革の手始めとして朝礼から着手したためだ。



それまでの朝礼は業務の引継ぎがメインで、皆、下を向いてどんよりとした重い空気が流れていた。引継ぎ内容も記憶に残らないスタッフもいた。そんな朝礼風景を他店へ研修に行った一人のスタッフの一言が変えた。



「うちの朝礼とは全然違います。皆、滅茶苦茶明るかった」



こうして、アリーナの朝礼プロジェクトがスタートした。

皆が大きな声を出し、早口言葉で場の雰囲気を和らげることで全員参加型の朝礼に変わった。



「今は朝礼が楽しい。何だか元気が出ます。大きな声を出す、たったこれだけのことでうまく仕事のスイッチをオンにすることに成功しています。この朝礼になって皆が前を向いて笑顔が増えました」



朝礼の次に改革したのが早番、遅番の見直しだった。この2班構成では伝達事項がうまく伝わらないこともあった。



そこで新たに作ったのが小班体制。早番を3班、遅番を3班にそれぞれ細分化し、各主任、副主任をリーダーにして、誰が誰を教育するか、担当を明確にした。その結果、仲間意識が強化された。



これに併せて頑張っているスタッフを評価するために、ベストチーム賞、笑顔ベストスタッフ賞などの表彰制度を設けた。



小班体制は新人スタッフには特に好評だ。



「入社したての私は、分からないことを誰に聞けばいいのか、聞くことにも遠慮がちでそのままにしていることもありました。でも、小班体制になって私の一つの班に入って仕事をするようになりました。以前は分からなかったことも、今では何でも教えてもらっています。小班体制になってとても成長できました。これから入ってくる新しいスタッフは心細くて不安だらけだと思いますが、今度は私から教えていける社員になりたいです」



朝礼の改革と班の見直しで予想以上に元気と笑顔に溢れる店舗になった、という。



しかし、元気と笑顔だけでは何か物足らなさを感じていた。それは何かと考えた結果、「気づかい」だった。



新たな挑戦として始めたのが受身の接客から「攻めの接客」だった。



スタッフの方からお客に積極的に声をかけられるように発案された取り組みが「アタック部長」の任命だった。



アタック部長に任命されると勤務時間内に20回以上お客に声をかけなければいけない。

例えば、箱上げアタックでは一声かけて箱を上げる。そのほか、箱下げアタック、回収アタック、気づかいアタックなどがある。



お客の行動を見ながら、お客がして欲しいことを先読みして行動することをモットーとしている。



アタック部長を始めてからは、お客からの「ありがとう」の声が増えた、という。



今ではアタック部長に任命されない日でも、ホールのあちこちから「アタックはいりま~す」の声が聞こえてくる。「ありがとう」という言葉が自然とそんな行動にさせる。



この「ありがとう」の一言は社員の気持ちを大きく変えることになる。



「ボクは接客の仕事が大の苦手でした。笑顔を作ったり、お客様と話をするのも苦痛でした。当時のボクは未熟で接客の素人でした。

そんなある日、年配のお客様が景品のお米を重たそうに運んでいたので、車まで運びました。正直、業務の一環で、雨も降っていたので面倒くさいという気持ちでした。店へ戻ろうとした時、その年配のお客様が孫ぐらいの私に向かって深々と頭を下げ、『重いのにわざわざ、ありがとうね』と満面の笑顔でいわれました。このとき笑顔の大切さ、すばらしさを教えてもらいました。仕事の遣り甲斐や接客の大切さを実感できました。

接客の仕事が苦手で、自信が持てなかったあの頃のボクと同じようにパチンコ屋で働いている方々に、情熱リーグを通じて接客の楽しさを発信できたらいい。

今、胸を張っていえます。

ボクの仕事はパチンコ屋だ、と。そして、接客が大好きです」



社会人としての成長のアリーナで経験した女性スタッフもいる。彼女は入社4年。



「4年前は定職にも就かず、仕事を転々として、世間に反発するだけの子供でした。入社しても問題を抱えていました。自分への問題は注意されても素直に聞き入れず、反抗的な態度を取っていました。接客面でもお客様とトラブルになることが多々ありました。それで何度も何度も辞めようと思っていました。

私が頑張れてこれたのは、皆の一生懸命働く姿や私の話を真剣に聞き、真剣に応えてくたアリーナの仲間のお陰です。

皆の協力のお陰で笑顔ベストスタッフに選ばれたり、『大人になったね』と誉められるようになりました。ここまで支えて、成長させてくれたアリーナの仲間にとても感謝しています。

私たちスタッフがいるからお客様が来てくれる。そんなお店にしていきたい」



星川店長の〆のことばが冴えていた。



「テーマである笑顔、元気、気づかいに取り組んだ結果ですが、このような舞台に立っていることが信じられません。ただ、私たちはこの壇上で発表することが本番ではありません。本番は間違いなくホールであってお客様と向き合っている時です。人は高い目標を持つことで成長できます。人に刺激を受けることでより行動できます。

一番伝えたいことは、取り組みのことようりも取り組みを形にすることができた副店長や役職者、取り組みをもっといいものにしよう、と協力してくれたアリーナのスタッフ1人1人が素晴らしく、最高だということです。アリーナのスタッフを誇りに思います」



「アタック入りま~す」という声が、遠く福島から今でも聞こえてきそうだ。



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ぱちんこ情熱リーグ決勝戦 駅前ペリカン編

3番手は石川県金沢市の「駅前ペリカン」。



金沢駅から徒歩1分。総台数168台の小型店舗。1円パチンコと2円スロットの低玉貸し専門店。スタッフは15名。



駅前ペリカンのオープニングは、毎日繰り広げられている元気朝礼の再現から始まった。

1人1人が大声を出してその日の目標を発表する。あまりの元気さに圧倒されてしまうぐらいスタッフ1人1人のパワーがみなぎっている。大声を出すだけでなく、皆笑顔なので見ているほうも楽しくなってくる。



店舗紹介に一人の男性スタッフが立った。



「ボクたちのお店には駐車場がありません。車社会の石川県では致命的です」



ここで会場に張り詰めていた緊張の糸が切れたかのように、大爆笑となる。



駅前型の駐車場もない小型店舗。設備も決して整っているとはいい難い。そこで、ホールがテーマとしている「マイナスをプラスに変える」取り組みが発表された。



「コインロッカーもないので、カウンターでクロークサービスを行っています。借りるのに時間がかかるメダルは、カウンターであらかじめ用意して手売りも始めました」



小型店舗の弱点を逆手に取り、小型店舗だからこそできるお客とのふれ合いを大切にしている。ズバリテーマは「お客様に楽しんでもらいたい」。



接客の7項目をフルに使って、いかに接客でありがとうの気持ちを伝えるか、接客サービスにとことん力を入れている。



日々の接客からお客の意見を取り入れ、サービス内容を変更したり、導入機種も決めている。



店内は既製品のポスターではなく手書きのポップで溢れている。これは「ホッとできる空間を提供した」との思いからで、スタッフの手作り。勝ち負けではなく、また来たい、と感じてもらうためだ。



平山あけみリーダーは44歳。スタッフや上司が自分の子供と同じような年齢で、毎日刺激を受けながら仕事をしている。店をよくしたい、スタッフと共に成長した、という気持ちは人一倍あるが、それが空回りしてスタッフとの歯車がかみ合わなくなった時期もあった。情けなくなったり、悔しい思いをしたり、何度も仕事を辞めようかと思った。

「仲間に自分の気持ちが伝わらないのに、お客様に気持ちを伝えられるわけがない。自問自答して最後に行き着くのは、お店が好き、お客様が好き、接客が好き、そして何より一緒に頑張っているスタッフが大好きという気持ちにたどり着きます。伝えるためには気持ちを込めて相手の目を見ることです。私は心の目をしっかり開いてスタッフたちと前向きに頑張っていきます」



スタッフの吉田さんは、今でこそ大きな声と満面の笑顔が出るが入社当時は、明るい表情も作れず、声も小さく、恥ずかしさから相手と目を合わせることができなかった。お腹から声を出す練習をしたり、鏡に向かって笑顔の練習をしてみたが、「やっぱり無理」と弱音を吐くこともあった。



そんな気持ちで接客してもお客からの反応もなかった。



そんな時アドバイスしてくれたのが平山リーダーだった。何を伝えたいのか、お客の立場で考えることのヒントをもらい、自分なりの接客を考え直した。



「お客様から『ありがとう』といっていただけるようになりました。このありがとうの一言が契機となり、自信となって今では私の原動力になっています。私は伝えることの大切さをこの店で学びました」



つづいてのスタッフ谷内口さんは入社3年。彼女も当初は小さなことで悩んだり、ネガティブになりがちだったが、この仕事を通じて社会勉強すると共に、今ではすっかりポジティブ人間に変わった。



「私はホールの接客サービスが大好きです。職場も責任者もスタッフも皆大好きです。私はこの仕事に誇りを持っています。いつも学んでばかりではなく、私からお客様へ元気パワーを与えたいと思います」



最後に登場したのは森尾店長26歳。店長になって1年。



「この業界ではトータルマネージメントが大切だと教えられてきました。でも、ボクは人が一番大切だと思っています。どんな環境であれ、行うのは人です。

人には想いがあり、想いは必ず伝わる、と信じています。想いは伝えないと意味がありません。言葉に代えて伝えるか、体を使って伝えるか、何でもいいはずです。立派な店構えでなくても、人が店舗をよくしていきます。

人の想いが人を動かし、またその人が人を動かす。そして、その想いがお客様に伝わっているから、今日、この場に立たれていると思います。気持ちで思っていても伝えなければ意味がありません」



駅前という好立地ながら小型店舗という不利な条件を人間力でカバーしていることが伝わってくる。



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ぱちんこ情熱リーグ決勝戦 オーロラ編

2番バッターは大阪・高槻市の「オーロラ」。



総台数248台、スタッフ20人の郊外店舗。去年8月に店内をリニューアルした。



「スタッフが楽しまなければお客様に喜んでいただけない」をモットーとする同ホール。



オープニングはホールのスタッフの休憩室の再現コントで始まった。

「今日のイベントはイマイチやったな」



「やっぱり毎年恒例の豆まき大会の方がおもろい」



「俺がやった伝説のイベントのアントニオ猪木の闘魂注入の方がもっと面白い」



とイベントの模様を軽く再現した後、神崎店長が登場する。



「オーロラスタッフは日々全力で楽しんでいます。周りから見れば、自己満足や自分たちだけが楽しんでいるように思えるかもしれません。

私たちがそこまでして楽しむ本当の理由は、スタッフ1人1人の心からの笑顔が、お客様のサービスに直接つながると信じているからです」



神崎店長は入社13年。このオーロラ店で社員となったが、過去には辛い思いもしてきた。それはアルバイトが続かないことだった。アルバイトスタッフからは「お前のせいだ」となじられ1人涙したこともあった。



「自分を信じ、行き詰った時は周りに相談し、とにかく自分らしくがむしゃらに前だけ見て歩き続けてきた結果、今はボクにとって何より大事で大好きなスタッフに囲まれ活かされていると思います」



次にスピーチに立ったのは意外な人だった。スタッフのお父さん的存在で、「おっちゃん」と慕われている警備員さんだった。

スピーチのことを店長から相談された時最初は断ろうと思ったが、スタッフの情熱リーグに対する熱い思いが伝わり、スピーチを受けることにした。



「以前もホールで警備員をしていました。他店と大きく違うのはお客様の心遣いです。『お疲れ様』『ご苦労様』『毎日大変やのう』とねぎらいの言葉をかけてくれます。夏の暑い日は『日陰に入って水分取りいや。熱中症になるで』。今日みたいな日には『背中にカイロ貼って、耳当てでもして風邪ひかんようにしてや』とまるで家族のように心配してくれます。

このように本当に温かいお客様方と、いつも賑やかで少しチャラけたところもあるけど、実は固い絆で結ばれたスタッフに囲まれ、明日からの安全と安心を提供できるよう、警備業務に力を注ぎたいと思います」



3人目は勤続年のアルバイトスタッフ。

最初は嫌々ながらの参加だったので、熱意もなく、スタッフ1人1人の温度差を感じていた。それが一転したのは、決勝戦進出も決まった1月14日の深夜のミーティングのときだった。



「台本に不満や不安を持つ者もいた中で、想いの強かったスタッフが店長と本気でぶつかりました。その出来事があって台本が白紙になることになりました。それからは気持ちを素直にいえるようになりました。社員もバイトも関係ない。1人1人の想いと楽しさが一杯詰め込んだ台本が出来上がり、ボクらの絆は今まで以上に深まりました。

ボクは決心しました。それはこの店で社員になることです。これまでアルバイトとしてやってきたから分かる目線で人と接し、これからもより多くの皆様の笑顔を作っていきます」



最後のスピーチは社員スタッフさん。



系列店の本店でのアルバイト勤務を経て正社員になる。人付き合いは苦手ではなかったが、ある社員との意思の疎通ができなかったことがきっかけで、他人との調和が取れなくなっていた。自分らしさを出すことができなくなり、半年間悩んだ挙句、退社を申し出る。その時に系列店のオーロラへ来ないか、と誘いを受ける。散々悩んだが、何か変われるチャンスがあるかも知れないと思い、もう一回チャレンジすることにした。



「オーロラで働いてみると今まで体験したことのない新たな場面を目の当たりにしました。スタッフ1人1人がとても楽しそうに仕事しているな、というのが最初の印象でした。

懇親会も週に2~3回開かれ、たわいのない話から仕事の愚痴、相談まで人と人同士がふれ合いを持ちながら、話し合う。それがオーロラでした。そして、何よりその大切さを教えてくれたのは、私が最高に尊敬する店長でした。

人同士が関わりあえない仕事なんてうまくいくわけがない。自分たちが楽しまなければ、お客様を喜ばすことは絶対にできない。オーロラは仕事をする意味や楽しさを教えてくれました。環境や相手によって自分は変わることができました」



自分たちが楽しんでいることを表現する空回り気味のコントと会場にすすり泣き画聞こえるスピーチのギャップに妙があった。



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