「なれ」「だれ」「され」と書かれた人だ。
このコメントを読んで、さっぱり意味が分からなかった営業1号さんはその意味を調べてみた、という。
この言葉は、ホール事務所に掲げてもいいと思う。どうだろうか。
画像は、ある日の「キャッツ」のキャスト表だ。

右がオス猫
メス猫の俳優が11名
オス猫の俳優が13名
合計24名の俳優が27匹分の猫を演じる。
この日のキャストの4分の一は、中国人や韓国人・朝鮮人。
劇団四季の俳優の10%以上は、外国人なのだ。
ミュージカルキャッツが生まれたイギリス国籍の俳優もいれば、アジア人も多い。
これは劇団四季が実力本位で、国籍は問題にしない現れだ。
芸能の世界では当たり前のこと。
日本人バレエダンサーが、海外の劇団でトップを務めるのと同じ事だ。
コメントの中に、外人のミュージカルを観てみたいと書かれている人がいた。
「キャッツ」に関して言えば、劇団四季の「キャッツ」は世界一だと思う。

イギリスの初期の頃は観ていないが、後半は何度も観た。これら全ての公演と比べて劇団四季のキャッツは世界一だ、と思う。

5年前のアジアツアーの時は、台湾と韓国で観た。俳優は全員英国人。飛び抜けて素晴らしい俳優もいたが、トータルでは劇団四季に軍配が上がる。
さて、これから初めてキャッツを観る方にアドバイスをしたい。
3000円のC席で充分楽しめる。価格以上の価値に満足すること請け合い。
B席(6000円)で観るのなら、C席で2回観る方がお得かも。
最低2年はロングランするので、急がなくても大丈夫なので、ぜひご覧いただきたい。
さて本日の本題に移りたい。
公演の品質保証とホールの品質保証。
劇団四季の配役は、月曜日10時にその週の出演者がウェブ上で発表になる。
しかし公演直前に、別の俳優に切り替わることもあるのだ。
理由は様々。
例えば、その日の俳優のコンディションが悪いときとかである。
劇団四季は、公演日に出来るだけベストの状態の俳優を舞台に上げるのが基本だ。
劇団四季は、大型オーディション以外にも常に入団試験の門戸を開けている。
常に実力者や素質のある者が入ってくるのだ。
劇団四季の俳優は言う。
「劇団内の競争が激しくてキツイ!」と。
その理由は、下からどんどん若い才能のある人材が上がってくるからだ。
劇団四季の強みは新陳代謝が盛んなことだ。
それではなぜ、劇団四季に才能ある優秀な人材が集まるのか?
理由は多い。
その中で一番は【優秀な人材が優秀な人材を呼ぶ】のだ。
演劇界で劇団四季を凌ぐのは、宝塚歌劇団くらいか。しかし、それでも四季には及ばないだろう。
劇団の規模や稽古場の充実、教育方法や教育理論、いま先端を走るのが劇団四季だ。
これと同じ現象がパチンコ業界最大手マルハンの強さだ。この話は後ほど触れよう。
劇団四季は現在全国に専用劇場を9館運営している。
東京には「電通四季劇場・海」「JR東日本アートセンター・春・秋・自由劇場」
横浜には「キヤノン・キャッツシアター」
その他、名古屋・大阪・京都・福岡に専用劇場がある。
今年8月には大井町に「夏劇場」が竣工する。年末には札幌に11番目の劇場の建設が始まる(昔、札幌のJRの構内に四季の劇場があったこともある)。
これ以外にも、全国の劇場でロングラン公演を行う。広島ではマンマ・ミーアのロングラン公演の予定がある。
劇団四季とマルハンの共通点が各所に見られる。
全国の要所要所に、碁石を置くように戦略を立てているのだ。
劇団四季の場合、お客様の8割が女性なので、市場はまだまだ伸びる。そう男性客の確保だ。この部分が空白。そこを埋めれば売上はあと最低でも1.5倍になる。
劇団四季は一昨年、入場料金を全席値下げした。
この値下げによる収入減は18億円。子供料金も設定した。
値下げ効果でチケット販売枚数が急増。その増加分は10憶円。
18憶円-10憶円=8億円減収だが、その分、観客数が増え、客層の幅が拡がった。
これは何を意味するのかと言うと、将来のお客様が増えた、ということ。
劇団四季の演目を一度観ると、リピーター客になる確率が高い。
ここにもマルハンと共通する部分がある。
マルハンが強い理由は、多くの業界人が語っているが、私がここで書こうとする理由があるのだ。
それを踏まえ、次回も「公演の品質保証とホールの品質保証」について語る。
つづく
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