スマホゲーム会社の首脳陣を取材したことがあるライターが、パチンコ業界には耳の痛い話をしてくれた。
ケータイゲームが登場した当初、課金制度はなかったが、パチンコ業界を参考にして作られたのが「ガチャ」に代表される課金制度だという。海外のゲーム会社から見たら日本人は課金してまで遊ぶことが奇異に映るほどだ。
2010年頃登場したカードバトルゲームで採用されたのが「ガチャ」だった。
2014年1月7日付の日経新聞の「スマホゲーム、黄金時代に 成長支える日本の流儀」では次のように分析している。
ランダムでキャラクターカードを手に入れられるガチャでは、カードを1枚手に入れるためのクジ1回ごとに300円が課金された。多くのゲームが同じようなガチャを導入したことで、高価といえる金額が定着し、ユーザーがそれに慣れてしまった。
一度、高い料金が定着すると簡単には下がらない。アイテム課金で楽しく遊ぶユーザーは、高い課金を当たり前と思ってしまうからだ。
ちなみに、スマホゲームでは月額5000円以上が高額課金者(約6%)となっている。月額300円以下と無料のユーザーが大半を占めている。
「スマホゲームは、パチンコやスロットがアホらしくなった若者の受け皿にもなっていることは確実です。スマホゲームでは月額5000円が高額課金者ということを見ても分かるように、5000円でスロットをやってもすぐに飲み込まれてしまいますからね。ある意味パチンコ業界がスマホゲーム業界へユーザーを供給した、ともいえます。パチンコやスロットへおカネを使えるユーザーとスマホゲームユーザーは完全にリンクします」(ライター)
取材したスマホゲーム会社はあらゆるサービス産業の満足度調査を実施していた。支払ったおカネに対してどれほどの満足感があるか、という調査だ。
この調査で、各項目でことごとく点数が低かったのがパチンコだった。なにせ、今残っているパチンコユーザーはおカネを増やそうとして、足を運んでいる。負ける率が断然高いから楽しいわけがない。
「あらゆる項目で点数が低いわけですから、衰退するのが当たり前の業界、ということがデータ的にも現れていました」(同)
パチンコ業界を再生するのは簡単である。原因が分かったわけだから、各項目の満足度を上げればいいことだ。
スマホゲーム人口が増えている理由の一つに自分のテクニックや集めたアイテムを自慢できるSNSという環境があることが挙げられる。そこで承認欲求も満たされる。
パチンコは自分が出した出玉を自分でジェットカウンターに流すことが達成感にもつながった。ファンサービスやゴト対策からいつの間にか、客の楽しみを奪っている行為でもあったりする。

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