「北海道では2000台級の大型店舗が閉店したばかり。北海道から神奈川に出店したホールもわずか2年で閉店している。全国大手も既存店が揮わない。伸び盛りだったホールもあちこちで急ブレーキがかかっている。大手の新店失敗で出店意欲も薄れている。その煽りで、設備機器メーカーの営業マンはノルマを達成できない…」(記者)
今やホール軒数は全盛期の1万8000軒から、全日遊連調べで2018年3月度では9530軒まで半減している。前月比では53店舗の減少だった。
業界は衰退して行くばかりだが、記者の目線は業界の雇用問題に関心があった。
「パチンコ産業と自動車産業は肩を並べるぐらいの市場規模がありました。巨大な産業は売り上げが落ちると様々なところに影響が出てきます。日米貿易摩擦で自動車産業は現地生産を強いられ、工場が海外移転した時、部品メーカーも移転したので自動車業界も産業の空洞化と雇用が問題視されました。地方は本当に働き先も少ない。そういう意味でもパチンコホールは地方では雇用の受け皿であり、高齢化社会の受け皿としても社会貢献している。業界はもっと雇用で貢献していることを世間にアピールすべき」と熱く語る。
地方の最低時給は700円台多い中、ホールの相場は地方でも1000円を超えている。福井県は平均でも1200円だ。時給300円~500円の差はかなり大きい。特にバツイチ子持ちのシングルマザーともなるとホールの時給は魅力的だ。
パチンコをやったことがない若者が増えるに伴って、20代のアルバイト採用は苦戦を強いられているのが現状でもある。
小さい子供を抱えていると急な子供の病気などでシフトに穴が空くのを恐れるあまり、不採用にしがちだが、シングルマザーを雇用することは決してマイナス面ばかりではない。ヤンママのシングルマザーはポテンシャルが高い。生活にも必至なので仕事もきっちりやる。
また、高齢者の雇用に対しても九州の郊外店舗では70歳を面接して採用している。
20代のバイトが集まらないのであれば、採用基準を社会的弱者にも広げることで、新たな雇用貢献もできるというものだ。
記者の関心は周辺業者にも及ぶ。
「弱小店舗が閉めることによって、その店舗と取引があった社員10人以下の販社が結構潰れて行っています。中小、弱小同士のwin winの関係が崩れた。ネット通販やASKULなどで事務用品や消耗品が安く買えるので、10年前から危機感を持ちながら打つ手立てもなく、ホール専業の業者も淘汰されています」
記者の目から見た業界の危険度は10段階の6。まだ中間点を過ぎたレベル。残された時間の中でなすべきことは? そんな特集記事でも書いてくれるのかな。

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