では、4円の稼働が落ち込んでいる理由をホール現場はどう見ているのか? ある大手ホールの関係者はこう話す。
「お客さんの財布がきつくなっている、ということしか上には上げません。本当は上の指示が割数を下げ過ぎるから、なんて本音は言えません。抜本的改革は割数を上げること! しかし、それは上に対する批判になってしまいますから、取って付けたようなもっともらしい理由しか言わない。本当の原因が分析できていないので業績が下がり続けるのだと思います」
中堅ホールの店長も同じような考え方だ。
「ウチの会社はすべてトップダウンです。営業本部は社長の顔色ばかりを窺っていて、都合の悪い現場の生の声を社長には伝えません。怒られるのが怖いからです。現場は上からの指示をただ、黙って従うだけの社風になっています。下からの意見が正確に届かない。営業部は忖度したことしか社長に届けないことが、業績低迷の理由だと思います」
何やら監督の独裁体制が原因で起きた危険タックルが社会問題に発展した日大アメフト部の体質と非常によく似ている。社長や監督に下の者が意見を言えるような体質では、ないことが社長や監督の判断を狂わせている。
では、現場はどのようにしたいのか?
「やはりメリハリのある割数で営業をすることです。それまでは、イベントの時しか、メリハリを付けてきませんでした。イベントの機種だけを出す。この程度のノウハウしかない。イベントなしでメリハリを付ける営業をしなければならないのですが、残念ながらそのノウハウを持ち合わせている管理職がいない」
メリハリのある営業とは昔からよく言われたことだ。人間の心理として勝ち続けると逆に面白くなくなる。パチンコは負けるから行く、とも言われるように、負けた分がたまに取り戻せるバカ出しがあるから、客をつなぎとめることができたが、そういう出し方も過去のものとなった。
来年10月からは消費税が10%に引き上げられる。実質賃金は上がった感がないサラリーマンにとって、可処分所得もその分下がることが予想され、遊興費は真っ先に影響を受ける。
そういうサラリーマン層はとっくの昔にパチンコから足を洗っている。
いうなれば、食費や衣服費を削ってでも、遊興費を優先で使ってくれる客層に業界は辛うじて支えられているような気がする。
本来は余った時間と余ったおカネを使うのがパチンコのような余暇産業である。

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