パチンコ不況に加え、東日本大震災後は世間からパチンコバッシングを受けたこともあって、すっかりパチンコ経営に意欲を失っている。
家族が役員。絵に描いたような三ちゃん経営で店舗数は3店舗。
いずれの店舗も赤字続き。儲かっていればまだ、やる気は出るが、稼働が低迷する打開策も打てず、失望感に追い討ちを掛ける。
「おやじが死んだらパチンコは止めます。パチンコの跡地にマンションでも建てます」とパチンコ経営を受け継ぐ気は、さらさらない。
パチンコ経営に魅力を感じない一つに回りの仲間の意識もある。
組合の会合に出席しても、くだらない話ばかりで、熱心なのはゴルフの話ばかり。
名門ゴルフクラブの会員になれない、という悩みも。
クラブによって日本国籍を有していないと会員になれない場合もある。たとえ、日本人であっても本業がパチンコだと審査で落とされることもある。
在日でパチンコとなるとその時点で入会お断り状態だ。
そういう話を聞いているとパチンコが「負」にしか感じられなくなった。まだ、国籍は韓国だが、帰化したいとも考えている。
すっかりやる気を失くしているAさんは、全国のパチンコ経営者に、真剣に問い質したいことがある。
それは「何が目的でホール経営をしているのか?」ということ。
さらに、現場の店長には「何が楽しくてやっているのか?」ということも聞きたい。
お客さんに気持ちよく遊んでもらうことが喜びならまだ分かるが、会社から与えられた売上や粗利目標を達成して喜ぶことに疑問を感じている。
今回の問題は、中小企業が抱える事業継承問題にもつながる。
息子が後を継がないことによって廃業する典型的な例だが、ホール経営そのものに魅力を感じられなくなっていることも問題の一つだ。
息子が後を継がないのであれば、役員や従業員、さらにはM&Aという方法もある。
昔のように儲かっていれば、Aさんもここまでパチンコを「負」と捉えることはなかったはずだ。
業界内からやる気がなくなれば、客離れも加速するというものだが、魅力ある業界の再構築が求められる。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。