「じゃ、自分の給料も90%でいいのか」ということになる。企業が求めるのは成果が上がるリーダーだ。成果の上がらないリーダーほど一方的に自分の考えを押し付ける…。
シーグリーンのセミナーでパートナーズリンクの藤崎敏郎社長が、「業績を上げる人材育成のコツ」について講演した。
その一部を抜粋する前にまず、藤崎社長のプロフィールから。
藤崎社長は大学卒業後、イトーヨーカ堂に入社。セブンイレブンの鈴木敏文会長とは同じフロアーで働き、単品管理、朝令暮改、仮説と検証、メモを取りながら話を聞くことなどを学ぶ。
その後、6店舗のホールにスカウトされ、経営企画室長として入社。営業部長、機械担当部長を歴任しながら、6店舗だった店舗を20店舗へ、売り上げは70億円から800億円へと成長させる。この間、福利厚生面にも着手し、月5回だった休日を年間108日にする。
休日を増やしたのは、パチンコホールはどうしても休みが少なく、帰宅も深夜に及ぶことから離婚率が高いためで、それは実体験に基づいた改革だった。
強い会社にするためには、社員が家族から信頼され、社員が会社を誇れ、経営者が周りから褒められる人物であることが重要となる。これが藤崎社長の信条である。
そして、機械、広告宣伝で差別化ができない今こそ、最後の差別化は人しかいない、というのが持論である。
では、本題の業績を上げるコツに。
コツ1
コンピテンシー
仕事ができる人のモデルを作る。それは、今いる人の中で最高のモデルを理想としても良い。仕事のできる人とは業績を上げる行動をすること。
仕事のできる人のホウレンソウは、作業の指示・命令を受けたら開始したことをまず報告する。終了したことを報告するのはもちろんだが、やったかどうか分からないことが社長の一番のストレスになる。
業績が上がった一例
玉箱を運んで計数中にはインカムを外すことにした。インカムを付けていると色々な指示が入ったりして接客も疎かになるため。丁寧なジェットカウンター対応で少しずつ固定客を増やしていった。
失敗する上司の行動特性というのがある。
1.業績達成のために部下を使い捨てにする
2.数値分析のみに精を出す(人間を見る洞察力がない)
3.根拠のない直感に頼りすぎる
4.何でも自分でやってしまう(部下が育たない)
5.上司が経営陣に意見を具申できない
6.経営陣の批判をする(経営者になったこともないのに)
こういう上司がいることが会社の業績を上げる上で妨げになっていることが浮き彫りになってくる。
管理職の3大任務がある。
1.より高い業績を上げる
2.部下・後輩を指導育成する(部下のやる気を引き出す。そのためにはストロークが必要)
3.より質の高い役割を目指し、自分自身を高める
多くのブロック長が失敗するのは、この3番目。部下から総反発を食らうことが少なくない。部下や人から好かれるように、人間力を磨かないと失敗する。
一番のピンポイントは「あの店長のためにやる!」と部下が思えば業績は上がる。残業もいとわないで働く。
業績を上げる人は自分責任論の人。課題や問題は自分が解決すべきと行動を取り、他責にしない人である。
成果が上がるリーダーは次の通り。
1.忙しい中でも「準備、投資、育成、予防」の仕事を実践している
2.仕事をより実践しやすいように「あらかじめ」(日。週、時間を決めている)
3.経営資源が足りないなりにも「やりくり」している
4.何が「成果につながった行動」か常に検証している
5.部下や周囲のスタイルに合わせ、自分のスタイルを「ちょっとだけ」変えている
6.定期的にセミナーを受講したり、「読書」を大量にしている
7.学んだことを自分自身が実践すべき「行動改善目標」にして定期的にチェックしている
藤崎社長が特に読書研修を勧めている。文章力、伝達力、思考力が向上し、何よりも根気強さが養われるからだ。
そして、何より、仕事のできる人は本を読んで、1行でもいいことがあれば、行動につなげる。

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