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ベラジオの経営哲学は、感動があるところに人が集まる

酒パワーが生中継する「タカちゃん’s BAR」は、TKCの高橋正人代表がバーのマスターとなり、業界のカリスマと酒を酌み交わしながら番組を進行していく内容。





第2回のゲストはベラジオの林田祥来キャップ。現在は社長の座を譲り、権限をすべて委譲しているので、社内では「キャップ」と呼ばれている。



ベラジオは現在17店舗。



2000年にRCCの管理下に置かれていた実家に戻ってきた時は、2店舗だった。うち、1店舗は閉めるので実質、本店でもある弁天町の1店舗からスタートさせた。12年間で16店舗も増やしたことになる。



「この12年間はだいぶ無理しました。走りもって考えるタイプなので、ある意味暴走もしました。しかし、苦労はなかったですね」と振り返る。



ところで、店名のベラジオの由来が気になる。それは、林田キャップがまだ外資系の生保会社で営業マンをやっていたころに遡る。業績のいい世界中の営業マンがラスベガスに招待された。その中に年収1億円を稼いでいた林田キャップも含まれていた。



その時宿泊したのが、ラスベガスのホテル群の中でも、一際グレードが高いベラジオだった。



ホテルはきれいで、清潔。カジノのドリンクガールは、ミニスカで明るく色気と愛嬌がある。その印象が強く残っていた。



店名を拝借しただけでなく、ドリンクガールのスタイルも真似た。



「創業当時は全員がミニスカです。それが話題になり、同業者が多数見に来ましたね」



林田キャップは「感動」を経営に取り入れている。そのバックボーンになっているのがディズニーランドだ。



江坂店がオープンする前の12月、林田キャップ以下6名がディズニーランドに向かった。事前にディズニーランドに関する書物を読み漁り、ディズニーランドの強さを改めて自分たちの眼で確かめることが目的だった。



キャストをつかまえては「働いていて楽しいか?」と全員に同じ質問攻めにした。



皆、一様に「楽しいです」と返ってくるので、どうして? なぜ?と突っ込んだ。



答えに窮するキャストもいたが最後の答えは「だってこうしてお客様と出会えたじゃないですか」。



ディズニーランドのクライマックスはエレクトリックパレードだ。パレードが始まるとキャストは衣装が汚れるのもいとわず、腰を落として、目線を子供に合わせて会話している。



「何でここまでできるのか! パフォーマンスの必死さを見ていたら感動で男6人が声を上げて泣いていました。お客様に感動を与えることは最高のマンパワーです。ここから色々なプロジェクトを走らせ、接客で注目されるようになりました。お客様とは小さな感動を一杯作ってきています」と胸を張る。



人間は常に感動を求める。だから感動のあるところに人が集まることをディズニーランドから学んだ。



ベラジオには年2回の社員大会がある。アルバイトも集まるので総勢600人ほどの規模になる。



この社員大会のスタート時間は深夜1時。午後1時ではなく真夜中の1時で、終了時間は午前4時。



人数が増えたので最近の会場は、本社近くの三井アーバンホテルだ。



「もったいない病なんで、店を全店休むのはもったいないので、全店の営業が終ってからやっています。7~8年前にスタートした頃は、単に懇親会でミナミのバーを借り切って40人規模でやっていたのですが、次からは表彰をつけるようになりました」



ミナミのバーなら深夜営業なので貸しきることに問題はなかったが、社員数が増えると広いホテルの宴会場が必要になった。



それで白羽の矢が立ったのが本社からほど近い三井アーバンホテルだった。



最初は深夜1時からなので「やろうと思えば、できますよね。不可能はないですよね」と恐る恐る交渉した。



今では売り上げの上がらない時間帯に大きな売り上げが見込めるのでホテルも大歓迎になっている。



社員大会が終る時間帯はまだ公共の交通機関は動いていないので、タクシーがずらりと集結する。



年2回社員大会を開催する理由はこうだ。



「社員表彰のモチベーションを保つためには1年間は長い。それで半年に1回のサイクルにしました」



ちなみに林田キャップはアルバイトスタッフにもさん付けで呼ぶ。



「感謝しているからさん付けになります。仲間ならさんはいらないのですが」



ホールオーナーは業者に対して、カネを払っている立場なので横柄な態度を取る人も少なくないが、林田キャップは「業者様」。



その心は「おカネを払っても気持ちが入らなければ、いい仕事はできない」。



すべてが順風満帆に来たわけではない。自分の人生が終って、と思ったこともあった。



テンションが下がると自分が動けなくなる。



そんな時に鏡に映った自分の姿を見て「お前はなんで根性がないんや!」と鏡の自分を殴ったこともある。



林田キャップの日課は各店舗の島の中を歩くことだ。そうすることでお客さんの顔の表情も分かる。



「稼働重視で売り上げにはまったく興味がありません。企業にとって利益は存続させるために必要ですが、利益は稼働について来るものです。ですから、稼働を人と捉えています。商売とは『人を稼ぐ』ことです。稼いだ人がおカネを運んできてくれます」



新機種の良し悪しが稼働を左右すると考えるオーナーが大多数を占め中、こういい切る。



「機種選定は費用がかかるが重視していない。なぜなら機械は一瞬の問題なので重視したことはない。最終的に本当の差別化ができるのは人の力です」



当たり前のことを、当たり前にやってきたので、お客様に支持されてきたベラジオ。



人材が育ってば、自ずと出店スピードも上がる。



ただし、共通の価値観や認識がずれてきた時は出店を止める。



瞬時の判断で、確信をついたときのスピード力がベラジオの持ち味のようだ。





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