原因の一つにオーナーとの軋轢がある。
店長としては、お客に笑顔で帰ってもらうために、接客に力を入れて、スタートももっと回したい、設定も入れたい、と思っているが、会社から求められる利益を上げるためには、釘は自然と閉まって行く。
粗利を上げる=釘が閉まれば、客が飛ぶことは現場の店長が一番分かっている。ところが、会社のノルマを達成できない店長は降格の対象になる。
ましてやオーナーに意見でも言おうものなら、左遷されたりする。
店長には理想の店作りを心の中では持っているが、それができないジレンマ。
広告規制も強化される中、稼働を上げる方法がない。手詰まり状態のそんな悩みを同僚や上司にも打ち明けられない店長が結構多く、精神的プレッシャーを感じている。
そんな状況下で考える店長は考えた。
客が多く集まる土日にバカ出しすれば、客が平日にも戻ってくるはず。
そこで実行したのがこんな方法だ。
平日は玉25個、メダル5枚交換。土日は玉30個、メダル6枚にした。設定を入れ、スタートを回すためだった。
ところが、常連客は土日と平日で交換率が違うことにすぐに気づいた。
常連客が店にクレームをいったことで、曜日替わりで交換率を変更するのはほどなく中止することになった。
この話を聞いた別の店長は、はたとひらめいた。
曜日で交換率を変えることは風営法のどの条文に抵触するのか? 違反でなければ、曜日で変えてバカ出しの日が作れる。
8枚交換にすれば、設定6もガンガン入れられる。
法的に問題がないのなら、イベントが禁止されている中でこれは面白い、と。
曜日で交換率を変えることについて、パチンコ業界の行政書士の見解はこうだ。
「昨日と今日で景品の価格が違うことが問題になる。ただ、特殊景品については警察はそこまで踏み込んでいない。実際にイベント規制が強化される前に、イベントとして交換率を下げて設定を入れて、ぶん回したホールがあった。その時の警察の見解は『ただちには違反ではない』だった。しかし、曜日で交換率を変えるホールが増えれば、今は出玉イベントが禁止されているので、即刻指導の対象になる」
この話を聞いて改めて思った。
業界全体で40個の8枚交換に戻せば、毎日ぶん回すことができるのだが、等価交換の原則が立ちはだかる。
一般景品は等価はもちろんだが、特殊景品は特殊景品。交換差益で利益を出す本来のパチンコ営業を自らが放棄した結末である。
しかし、業界の活性化には40個の8枚交換は必須だ。

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