平日の夕方4時半ごろだった。
駐車場に車を止めて店に入ろうとした時に目に飛び込んできたのが、5人ほどの女子社員が赤いパイロン5本を拭いている姿だった。
パイロンまで掃除するホールはないので、気になってしばらく観察していた。
するとこんな会話が聞こえてきた。
「汚くもないのに磨けといわれてもね…」と不満そうだった。
掃除は汚れているからするのだが、きれいなものを拭くのは磨くという。パイロンまで磨き上げるとは恐れ入る。
店内は8割ほどの稼働だった。
以前の閑散とした雰囲気はどこにもない。
人気のない倖田の台に座った。
隣に座っていたおじさんに声を掛けてみた。
「きょうは沢山お客さんいるけど、どうしたの?」
「遊べるようになったから、みんな来ているんじゃないかな」
等価で1000円スタートが24回と16回だった。
客は1000円スタートには敏感だが、TYは少し削っていても気づかない。そんな釘だった。
接客は皆のレベルが揃いすぎているので、逆にロボット的にも見えないこともないが、皆、笑顔が出てそつのない接客振りだ。
接客のレベルは競合店を寄せ付けない。
競合店の釘が閉まっている状態で、回せば客は戻ってくる。その典型でもあろうが、それが分かっていても他店はそれがなかなかできない。
それまでの利益を100取っていたとしたら、60~70までに抑え、赤字にならないようにしたらどんどんお客が戻って来た。
客離れが起きるのは、店に不満を感じるからだ。一番は回らないこと。回らない、当たらないではカネも続かない。
よく回って、確変ベースも削らず、次の大当たりまで玉が減らない。1回の出玉もしっかりある。
これが客が求める理想の店で、これで負けてもまた来る気にはなるが、機械代の支払いに追われているのか、こんな簡単なことができない店が多いために、パチンコ人口が減り続けている。
お客の不満を取り除く努力をすればいいのだが、スタートを回そうと思えば、25個の等価よりも、30個、33個、40個、42個になるのだが、一物一価のお陰で、より、スタートが回らない25個へと業界は向かっている。
一物一価は確実に客を減らす傾向にあるが、25個の等価でもガンガン回れば客離れに歯止めはかかる。
よく回るようになって、接客もよくて、掃除も行き届けば、客は戻るものだが、一つだけミスがあった。
自動洗面器の水石鹸が出てこなかった。

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