パチンコ日報

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一般社員からホールの社長になった

最初に会った5年前にもらった名刺の肩書きは営業課長だった。3年前は営業部長で、最近もらった名刺ではついに代表取締役に。



これ、普通の販社ならさほど驚かないのだが、ホールとなると俄然興味がかき立てられる。



ケースは少ないが一般社員から社長になれるホールはあるが、大手ともなると取締役が限界でもある。



大阪市内で営業するホールの社長に就任したのは昨年4月から。



店舗マネージャー時代から財務から金融機関との交渉まで経験していたが、部長から一足飛びに社長になった。



部長から社長になって何が変わったのか?



「以前は自分の店舗のことだけを考えていたが、社長になって業界のことを考えるようになった。自分でも考え方が進歩した、と思う」



きっかけは東日本大震災だった。



自身が阪神大震災を西宮で経験した被災者でもあった。その時、ライフラインも断たれ不自由な生活を体験している。



追い討ちをかけたのが石原都知事発言を発端としたパチンコバッシングだった。



「私自身東北の出身なので、居ても立ってもいられななくなりました。それで5月に南三陸町にボランティア活動にでかけました。ホールで募金という方法もありますが、お客様からは『ワシらのカネ』といわれるだけなので、募金は社員から集めて送りましたが、それよりも現地に行くことを考えました」



自らが先発隊として行動を起こし、5月から8月にかけて全社員(23人)が何班かに分かれて南三陸町を訪れ、ボランティア活動を行った。



ある者は学校の草むしりをしたり、ある者は土嚢作りに勤しみ、ある者は復興市の手伝いをした。



「社員にはいい経験ができた、と思う。被災者の方から聞いた話は心に残っている。現地で知り合ったボランティアの人たちとのつながりは未だにフェイスブックなどを使って続いている。自分で考えたことを行動できるのが社長の魅力」というように、この全社員が参加してのボランティア活動は社長就任後の大きな活動であり転機でもあった。



このボランティア活動の背景にはもう一つの理由があった。



それは「利他の心を持て」という教えだった。



自分のためだけではなく、誰かのために生きる、という考え方だ。



「自分さえ良ければいいという考え方が、パチンコ業界は特に強い。本当は業界全体が良くなければ自分の店もよくならない。サラ金業界のように規制を強化されたら業界が吹き飛んでしまう。許認可営業という意味が分かっていない人が多すぎる。もっと襟を正さなくてはいけない」



ホールと違ってメーカーは横のつながりがあるように写るが、他社を出し抜いて自社だけの利益を考えている。この考えをなくすことが必要だ。



ホールのみならず、メーカーも利他の心を持つことが、パチンコ業界を救う。



そんなことを若き社長から感じ取った。





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玉川講話へ中小ホールからの反論

4円パチンコの稼働が低下する分を1円の稼働が支えてはいるものの、4円で事業計画を立てたホールには焼け石に水だ。



4円等価で成長してきたホールにもそれは例外ではない。4円等価の釘の厳しさにお客が付いて来れず、現場からは「等価を止めたい」と愚痴がこぼれる。



等価ホールからもそんな声が聞こえてくる今日この頃、警察庁の玉川課長補佐講話に異を唱えるのは、中小ホール関係者だ。



この一文がなければ問題はないが、この一文があることで「明らかに矛盾してくる」と憤る。



問題の箇所はこれだ。



ぱちんこ営業は、約1,700万人という非常に多くの方々が楽しんでいる代表的な大衆娯楽です。今後とも、国民の生活に憩いと潤いを与える大衆娯楽であり続けるためには、過度に射幸性を追求する営業とは一線を画した、誰にとっても身近で、手軽に、安く、安心して余暇を費やすことのできる健全な遊技となるとともに、それにより、地域社会に根付き、地域社会との「絆」をしっかりと構築することが基本となると考えます。



警察が念仏のように唱える手軽に、安く、安心して遊べる遊技機が必要といいながら、4月から認められた電チュー1個返しが結果的に射幸性を高める

、と指摘する。



「スルーチャッカー、ベース0のアレパチはバクチ性が高いので禁止にしたのに、新基準の1個返しはベース0の復活のようなもの。それまでの電チューは12円戻していたのに、今度は4円戻し。この差を終日続けるとホールの売り上げは相当上がる。返しが少ないから連チャンさせることができる。射幸性が高くなるおそれのある1個返しをどうして認めたのか理解に苦しむ」



1個返しを警察が認めた背景についてはこう推理する。



「等価は回せないので客がついて来れない。そこで1個返しにすれば等価でも回せることができる。これは大手の要望でメーカーが1個返しを作ったとしか思えない。業界は40個交換、16割営業の損益分岐点でやわらかい営業で客を増やしてきたのに、等価営業で客離れが加速している。1パチはまさにやわらかい営業なのに1個返しは真逆の方向に走り出している。東大法学部を出たエリート官僚はパチンコをしたことがない。だからこんな1個返しを認めてしまう」



玉川講話の中では大阪での例を挙げ、釘曲げにも言及している。これについても矛盾を感じる。



「メーカーのカタログには1回当たりの出玉が記載されている。高価交換営業の店ではスペック通りに玉を出していたら営業が成り立たないので、出玉を削っている。スペック通りの出玉を還元しようと思えば、交換率は38~40個交換でなければやっていけない。出玉を削るところまで指導が入れば、等価交換はやっていけない。これをどう見るのか」



デフレ時代、安く遊べる機械は時代も求めている。1個返しは売り上げが減少している宝くじの当選金額を1等前後賞含め5億円に引き上げた総務省のようなもの。不況になれば一攫千金を求めて宝くじが売れると思いきや、売り上げは年々減少している。



「当たらない5億円よりも身近に当たる20~30万円をもっともっと増やした方が客は増える。パチンコも一攫千金ではない客は増えない。スロットも規制されて700枚が350枚に減ったが、当たりやすくなったからヒットした」というように1個返しがどうも納得いかないようだ。





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カネを使わず頭を使って集客する方法

出玉系機種イベントが禁止になって、各ホールともどうやって集客していいのか分からない状態が続いている。



大手ホールですら芸能人イベントに頼っているところを見ると、ほかにアイデアが浮かばないのだろう。一部の県では禁止している攻略誌ライターを招いているホールも未だに散見される。



悩める店長さんにヒントでも。



その店は300台規模で平日は8人しかお客のいないようなホールで、業者への支払いも滞っていた。



とりあえず業者への支払いができるように、というオファーがとあるコンサルの元へ舞い込んだ。



大命題は支払いができる店だった。



まだ、1パチが世間にはさほど広まっていない時期だった。1パチが物珍しかった。



それで、まず全台1パチに営業を切り替えた。



1パチデビューに際し、コンサルは頭をひねった。



チラシにはデカデカとこう謳った。



「5000円以上持ってこないでください」



1パチがどういうものか知られていなかったので、ゲーセン以上に遊べることを伝えたかった。なおかつ、ゲーセン以上に遊べて、景品までもらえることを体感してもらう狙いがあった。



このチラシを3日連続で打った。



8人しかいないような店が3日目には200人になった。



とにかく遊べることをアピールすると共に、それを体感してもらうためにベースは思いっきり上げた。



玉が減らないので1日中打っていたら勝てるような釘にした。甘デジなら勝率は特に高かった。



交換は300玉交換だった。



1日打って勝っても500円~1000円の世界だったが、玉が減らないので負ける客も少ない。客が客を呼んだ。平均で120人入る店になった。



この店とは別の店では客のクチコミを広めるためにこんな作戦を使った。



名づけて「男性客の玉箱は運ばない作戦」。



従業員には「玉が出過ぎて忙しいので、男性客には自分で玉を運ぶようにお願いして欲しい」と伝えた。



男性客は最初は怪訝な顔をしたが、本来自分が出した玉なら運ぶことは苦ではない。



思惑通りクレームよりも「従業員が玉運びもできないぐらい玉を出している」とのクチコミが広まっていった。





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警察庁玉川課長補佐講話を業界はどう受け止めたのか

消費者庁が景品表示法違反に相当する、と認定したソーシャルゲームのコンプガチャだが、コンプリートさせるのに数10万円も使うケースがあることから、射幸性の高さが問題視されていた。



射幸性の高さがあるゆえに、売り上げが上がるのはパチンコとそっくりだが、射幸性を追求する業者は、コンプガチャに代わる新たな課金システムを編み出す業者も出てきているようだ。



規制をかければ新たな道を探る。いたちごっこが続く、というところまでパチンコ業界に似ている。







業界のいたちごっこに激怒しているのが警察庁生活安全局保安課の玉川達也課長補佐だ。5月22日に開催された余暇進の社員総会で玉川課長補佐の講話内容の全文がビジョンサーチに掲載されている。



就任して1年あまりだが、ここまで踏み込んだ内容は異例でもある。



いきなり触れたのが広告宣伝規制の問題だった。



特定の機種を取材するライター等の来店イベントや、「この遊技機はスタッフが特に愛情を込めて掃除しました。」というような珍妙なもののほか、「混雑予想日」あるいは「リニューアルオープン(新装開店)から●日目」などという表現で従来の出玉イベントを告知してみたり、また、総付景品等の配布に殊更脱法的な意味を持たせるようにしてみたりするものがあるところです。法律の規制をくぐり抜けるためにこうした表現方法を駆使することを創意工夫と表現する営業者等もいるようですが、その感覚は、社会一般の感覚と離れており、そのような声を見聞きするにつけ、残念ながら、今もって業界の健全化が道半ばにあると感じております。



規制されれば新たな方法を考えることは、創意工夫ではないと断じている。広告宣伝の適正化については、警察庁のいうことが聞けないのなら、さらに厳しい内容になることを示唆している。



そのうち、ライターイベント以外に、イベントガールや芸能人にまで規制がかかれば大打撃を受ける会社も出てくる。



ライターイベントを完全禁止にしている県もあれば、未だに続けている県もある。要は指導に地域の温度差があるためだ。同じ県でも所轄によって判断が分かれる。



以前、一発機の撤去を巡って県警で撤去期限の判断が分かれた時があった。とっくに撤去になった隣の県ではまだ一発機がバリバリ稼働していた。



なぜ、地域によって温度差があるのか警察庁に問い合わせたところ、「地域によって事情が違うので一律にはいかない」との回答だった。一律に規制がかかれば一番厳しい基準に合わせられるので業界としては得策ではない。



そのためにも業界の自助努力を求めているが、一向に改善できない理由を私見と断った上で4つの業界慣習を挙げている。





1 違法な営業形態でも、たまたま摘発されなかったことをもって「既得権」と考える慣習



2 それが法に抵触しかねないものであれ、「他のぱちんこ店と同じことをしないと損をするかもしれない」と考える慣習



3 法律で禁止されていても、牽強付会の解釈により、本来存在しないグレーゾーンを追求しようとする慣習



4 営業の基本となる法律や通達をきちんと確認しない慣習





一部にこうした考えが蔓延っているため、射幸性を追求する営業がなくならない、と指摘する。



その一方でホールで提供する賞品は、いかなる賞品も等価交換することを求めている。



射幸性を煽るなといいながら、射幸心を煽る特殊景品の等価交換を推奨するのは如何なものか。





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業界人が二度と行きたがらない店

東京郊外、中央沿線沿いに古くからある店舗での出来事。



立地は駅前の商店街。営業歴は40年以上もある老舗店だが、この間経営者は何度か代わっている。





連休明けの平日、夕方、その店舗に入った業界人は1階のパチンコ店の客がゼロであることにまず持って驚かされた。パチンコ台数は140台ほどの小型店舗だが、ナゼ客がいないのかを調べたくなった。



各台のデータをチェックしてみると、この時間帯であるにも関わらず、スタータ回数が0の台がゴロゴロしている。



数えてみると98%が0。



朝からまったく客が来ていない。人通りも多い駅前店舗なのに不思議に思った。



釘が渋いのか? どれも平行釘だ。実際打って見る。



500円スタートを調べた。



最初の台が6回、次の台が5回、さらに次の台が8回だった。



2000円使って見るために、4台目に移った。持っていたカバンを隣の椅子に置いて打ち始めたときだった。



1人の店員が近づいてきて、満面の笑みをたたえながらこういった。



「お客様、そちらに置いているお荷物をこちらに置かしていただいてもよろしいでしょうか?」と玉を運ぶ台車を指差した。



500円スタートを調べているだけで、この店で粘る気はなかった。



客がゼロの店で荷物をどこに置こうが自由な店で、マニュアル通りとも思えるような対応に思わず声を荒げた。



「台車に荷物を置けというのはこの台で粘れということか? 移動する度にこの台車を押して歩け、ということか? 誰もいない店で隣の椅子に荷物を置いても迷惑にはならない。状況判断もできないその対応はないだろう」



20代後半の従業員は客からのクレームにひるむこともなく、再び満面の笑みで「申し訳ございません」と謝った。



マニュアルに従ったのか、客との会話のために親切心でいったのかは定かではない。



好青年だったのでこれ以上注意する気にもならなかったが、ガラガラの店でそんな対応しているから、客が来ない、という原因の一端を垣間見た感覚で店を後にした。



「こんな店で2000円も使うのならオイシイ晩飯でも食っておけばよかった」と後悔しきりだったことはいうまでもない。



追記



日曜日の夜7時過ぎ。



この曜日で、この時間帯でもパチンコ客は0。競合店は90人ほどの客入りだった。



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