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伝説の送別会

かつて、こんな送別会は見たことがない。



演壇には「旅立ちの式典!○○○卒業式」の横断幕。



定年退職でもない。自己都合による退社ながら、会社を挙げての送別会は社員が60~70名は参集している。



B社の草創期のメンバーとして入社。店長、部長を経て取締役になるが、独立の道を歩むことになり、会社を辞めた。だから、旅立ちであり、卒業式である。



開会のあいさつは現社長のことばで始まった。



「10年半前、私が班長の役職の時代にBに来た。私の労働意欲はいつも劣等感がモチベーションになっていた。自分は無知で、○さんの方が仕事もできて数字にも強い。早く追いついて、追い越したい、という思いで仲間意識よりもライバル意識が強かった。3年前私が常務になった時、壁にぶち当たり、悩んでいた時に○さんに関心を持っていたが、関心が狭かった。関心が狭いということは心が狭い、世界が狭い器の小さい常務だったことに気づいた。申し訳なかったという気持ちで一杯だ。10年後には私も去ることが来るが、今反省していることを活かして行きたい」



引き続き乾杯の音頭で宴が始まると、主賓の下にはたちまちビールを持った社員の行列ができた。



料理に箸をつける時間もなく、一気にボルテージは上がっていく。



世話になった人から次々と祝辞が寄せられる。



「8年前、布施店がグランドオープンした時に新入社員として入社した。右も左も分からない中、指導してもらった。前職は営業職で結果さえよければいい人間だったので、人間関係も軽率に捉えていた。人のコミュニケーションの大切さを教わった。変わらない長所は○さんの人格。送別会にこれだけの人数が参加するのは人格があるから」



祝辞を述べた人数も10人以上を超えた。



トリを飾ったのはオーナーで、会社ではキャップと呼ばれている。



「突然辞める話を聞いた時はやっぱり惜しかった。10年半の期間で正直複雑な気持ちだった。人間はやがて老人になり、死は避けられない。これも節目であり避けて通れない。貴重な10年半を一緒に過ごせたことは一生の友であり、一生の盟友だと心底思っている。(辞めていくことは)組織の問題であり、本人の問題であることを改めて感じている。しかし、Bに最高の財産を残してくれた。時には鬼軍曹で時には意気地なし。強いも弱いも素晴らしい。そのお陰で沢山のことを学べた。俺らは永遠の友であり、命のある限り、お前との付き合いは続く。本当にありがとう」



10年余りで急成長した原動力をこの送別会とキャップの最後のあいさつで垣間見た思いがする。





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