パチンコは20兆円産業で全国に1万2000店舗が営業しており、相応の社会的責任を負うもので、「電気を消費しないと成り立たない余暇産業」と位置づけた。
さらに「電力の消費量を抑制するだけでなく、節電を通じてパチンコ業界は社会的信頼性、協調性が求められる」とした。
昨年の震災直後の対応では、パチンコ業界は世間から大いにバッシングを受けた。震災直後に計画停電が実施されようとする中、都心のホールが煌々とネオンを点けて営業していた。
これが石原都知事のパチンコ不要論へとつながり、パチンコ業界は輪番休業などで節電に協力姿勢を見せたものの、足並みは揃わなかった。
「大多数が輪番休業を守った中で、一部が輪番休業に従わなかった。警察庁担当官として、パチンコ業界の健全化に向けて、業界が統一行動を取るにあたって、皆がちゃんと従うのか疑心暗鬼を承知しかねない先例となる恐れがある。残念に映った。社会から見れば違法ではないが、業界として決めた社会への約束を守りきれない営業所に映った」
輪番休業を守らなかったホール企業は独自の節電方法で、業界が目標としていた25%以上の節電効果をホームページなどで公表していたが、玉川課長補佐にいわせると足並みを揃えることの方が重要だ、ということだ。
玉川課長補佐は細かいところまで見逃さない。
「輪番休業に従ったものの、営業はしていないがメンテの名目で照明、空調はおろか遊技機を大量に稼働させていた店も一部にあった。いずれも節電の主旨だけでなく節電というものがパチンコ業界にどういう意味を持っているかいささか誤解している。節電は社会におけるパチンコ営業の立ち位置について一から考え直す機会になる」
原発の稼働が0で夏を迎えることは、大飯原発の再稼働でどうやら避けられそうな気配になったとはいえ、これで節電が回避されたわけではない。
「間違いなくこの夏も、国民全体からパチンコ営業における節電の状況はどうか、期待と共にどれほどの効果が出ているか、厳しい眼差しが注がれる。業界が一体となって取り組みを進められているか否かにも目が向けられる。ここで対応を誤れば長きに亘って業界のイメージを損なうことになる。従いまして、業界の取り組みが相応の結果と社会的評価を得るためには、それぞれのパチンコ営業者の皆さまが、自ら定めた節電計画を遵守し、一営業者も欠けることなく取り組みを完遂することが大事」と釘を刺した。
業界が決めたことを業界が守る。
当たり前のことだ。
同じ失敗は信頼回復のためにもできない。

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