パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

遠い追憶

警察の綱紀粛正が求められるようになったのは10数年前の話だが、それ以前の所轄担当はそれこそやりたい放題だった。



タバコを暗に要求するぐらいはカワイイ話し。



警察検査で景品ショーケースの時計を見て「これいいね」と時計が欲しいサインを送ってくる。



新米の店長ならこれが何を意味するのか分からないが、ベテラン店長ともなると、それが「時計をくれ」という意味であることを理解している。



「今度忘年会があるんだけど」といえば、それはビール券が欲しい、という合図で、20枚ほどのビール券を渡した。



「今年のテレビはいいね」



年1回のパチンコファン感謝デーでは、1等景品を欲しがった。



当たりクジとハズレクジは別々に分けられていた。当たりクジの中から1等の一枚を抜いて、1等賞品が1点だけ当たらないようにした。



抽選期間が終って、勤務時間外にこっそりとテレビを受け取りにきた。



プリペイドカードの1万円券がまだ流通している時代だった。



カード残があるにも関わらず、忘れていく客が結構いた。店はそれをストックしておいて、トラブルが合ったときの保証に使っていた。



その噂をかぎつけた所轄担当が事務所に入って来て「ちょっと遊ばせて」といって、なかなか事務所から出て行こうとしない。



最初は意味が分からなかったが、忘れ物カードを使わせろ、という意味であることが分かった。



何枚かカードを渡すと大人しく事務所から出て行って、店内でパチンコを打ち始めた。



大当たりして、換金すると意気揚々と帰って行った。



そんな時代は警察検査もやっていないのに、オープン日が決まっていた。



持ちつ持たれつの関係。



警察がヤクザを排除してその縄張りをプリペイドカードで奪い取った時代の話である。



今はそんなことはないだろうが、ベテラン店長ならそんなことも経験しながら業界の酸いも甘いも噛み分けてきた。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。