パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ネクスト2.5次元パチンコ、オンラインで実店舗で玉が飛ぶ未来はやってくるのか?

2019年、一風変わったパチンコサービス「2.5次元パチンコ/ニコハン」が話題になった。24時間、家にいながら実機のパチンコを打っているという、「2.5次元」の名にふさわしい体験を提供したからだ。

ユーザーはパソコンやスマホの画面上でハンドルを操作し、画面の向こうで実際に物理的な玉が飛び出した。

「ニコハン」のコンセプトは、シンプルながら魅力だった。「市場から撤去された、打ちたくても打てない過去の名機を、今の若い世代や初心者にも楽しんでもらいたい」というものだった。これには「もう一度あの頃の熱狂を体験したい!」という往年のファンのハートをキャッチさせようとした。

しかし、ここには一つ大きな問題があった。 それは出玉の交換ができないという点だ。現在、このサービスは無期限休止中になっている。

その後、オンラインで実機を操作する技術はさらに進化する。オンラインでクレーンゲームの実機を遠隔操作できるサービスも登場している。こちらは実際に獲得した景品が送られてくることで一定の人気を集めている。

そして現在、業界内では「オンラインで実店舗のパチンコ・スロットを打っているサービス」の構想が持ち上がっているとの噂がある。

この新たなオンラインパチンコ構想が実現すれば、ホール側には大きなメリットがあると期待されている。 特に、ホールの「空き台問題」を解消できるのではないかと言われている。もし、オンラインで打てるようになれば、物理的にホールに来ない客でも、スマホやPCからアクセスして実際の台を打てるようになる。空き台は減り、売上も上がる可能性がある。

客が選んだ空き台にカメラが付いた装置を従業員が椅子の上に置く。この辺は何ともアナログチックだ。

しかし、ここで問題となるのが風営法の壁だ。現在の風営法の下で、オンラインでの実機パチンコが合法なのか、誰も確信を持てない。ある業界関係者は「両手がない人が義手でハンドルを操作するのと、オンラインでスマホを使って操作するのは理論上同じことだ」と考えているが、今後法律がそう解釈するかは別問題だろう。

実店舗でのパチンコは、これまでの「ホールに行って台を選ぶ」という体験から、「スマホを使って、どこからでも好きな台を選ぶ」という体験は新鮮だ。出玉のデータや当たりの演出を家で寝ながら、体感できる。

ただし、パチンコというのは「その場の雰囲気」が大きな魅力の一つでもある。玉の弾ける音、隣の台の大当たりの歓声、ホール全体に広がる熱気…。もしかしたら、この雰囲気を6G時代にはVR技術を活用して、まるでホールにいるような臨場感あふれる体験ができる日も遠くないのかも知れない。

「2.5次元パチンコ」のような新しい試みがパチンコ業界に与えられた影響は計り知れない。オンライン化が進めば、ホールに足が向かない層を取り込むことができるかもしれない。オンライン化がパチンコの未来を切り開くのか? リーチ演出が始まった。この予測が当たるか外れるかは何年後かに分かる。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

ホール+銭湯=新たな客層の掘り起こしが可能

昔ながらの銭湯をリノベーションして、現代的でおしゃれに蘇った銭湯を「デザイナーズ銭湯」と呼ぶ。ここ数年、東京の銭湯でデザイナーズ銭湯が次々と誕生して、注目を集めている。

デザイナーズ銭湯の例としては、中野区にある天神湯が挙げられる。唐破風屋根を持つ宮造りの銭湯で、建築家の今井健太郎氏が設計した。

また、京都には個室貸切銭湯とサウナ、餃子居酒屋を備えた「ぎょうざ湯」や、17種類のお風呂と個室貸切サウナがある「SPA&HOTEL水春 松井山手」など、おしゃれなサウナ施設がある。

現代人は忙しい生活習慣からストレスが多いため、短時間でもリフレッシュできる温浴施設は人気だ。特に昨今は「整う」体験をシェアするためにサウナブームとなっている。

ところで、冒頭の「デザイナーズ銭湯」という言葉を聞くのは初耳だったが、このデザイナーズ銭湯をホール企業に提案している温浴コンサルがいるようだ。スーパー銭湯のように初期投資がそんなにかからない、というのが理由だ。

デザイナーズ銭湯は既存の銭湯をおしゃれにリノベーションすることを指すのだが、どうやらホールに銭湯を併設することを提案している。

どこの家庭にも風呂はあるが、広い湯船でゆったりとリラックスしたいから温浴施設が繁盛する。ビジネスホテルでも大浴場が完備されていれば、宿泊客は部屋の風呂よりもそちらを利用する傾向がある。

今やホールだけでは集客することが難しい時代になっているので、銭湯とその中に定食屋を設ける。その発想は「ぎょうざ湯」を真似たようなものだが、「遊び」、「温浴」、「食事」が1カ所で楽しめれば、パチンコ客以外もそこに集客できる。

パチンコ店に併設するにはそれなりの戦略が必要になる。現在、大阪の銭湯の入浴料は大人520円となっている。これをホールの会員カードを提示することで、半額にするなり、パチンコで1000円使った客には無料にすれば、会員が増えることが期待できる。銭湯を核に相乗効果が生まれるというものだ。

これでホールへ行く目的も生まれる。パチンコで疲れた体を銭湯で癒す、パチンコで勝った日は、定食屋で祝杯を挙げる。あるいは、逆に銭湯を利用した客がその後で軽くパチンコを楽しむという流れが生まれないかも知れない。

それぞれ異なった客層なので、これまでとは違った来店動機が生まれる。

パチンコ店と銭湯の融合は、勝負とリラクゼーションを同時に提供する新しいビジネスモデルとして、相乗効果が期待できる。適切なコンセプト設計とマーケティング戦略により、両方の魅力を最大限に引き出すことも可能だ。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

ギャンブル場に子供が入れるのに遊技場であるホールになぜ子供が入れない

競馬や競艇はギャンブルなのに子供連れでも入れるのに対して、パチンコは遊技なのに18歳未満の子供が入れない。昔は子供が店内をチョロチョロしていたが、今は厳しく取り締まられている。

この違いに不満を持つ業界人も少なくない。では、どうしてこの差が生まれるのかを検証してみよう。

まず、競馬場や競艇場は、広い敷地に、観客席やグルメコーナーが並んでおり、まるでテーマパークのような構成になっている。

まず、京都競馬場では親子で楽しめる魅力的な競馬場を目指して、あそび場「Paka Run!(パカラン)」をオープンさせた。これは、成長段階や興味関心にあわせた「パークエリア」「アクティブエリア」「イマジネーションエリア」「ベビーエリア」の4つのエリアで構成されている。京都競馬場という場所の特長を活かし、馬はもちろんのこと、桜、桂、しだれ柳、紅葉など京都になじみの深い植物をモチーフにしたデザインを取り入れました。あそび場内を一周すると「日本の四季」を感じることができる。

一方、ボートレース住之江では、11月10日(日)にファミリー向けのイベントを開催した。当日は、フリーマーケットや野菜マルシェ、キッズゴムボート乗船会やドクターイエロープレイパーク、子どもフットサル教室などイベントがてんこ盛りだ。

さらに、大人気キャラクターショー「仮面ライダーガヴショー」や地元のキッズによる「すみのえKIDS DANCE SHOW」など、子供から大人までファミリーで楽しめるイベントで集客を図っている。この内容を見る限り、会場が競艇場とは分からない。

このように、競馬場や競艇場では「家族で楽しめるスポット」としての顔がある。親が馬券や舟券を買ってギャンブルを楽しんでいる間、子供たちはアクティビティやイベントで遊んでいる。家族サービスを兼ねてギャンブルが共存する図式が出来上がっている。

それに対して、パチンコホールはどうか?

自動ドアをくぐると耳をつんざくような喧騒に驚かされる。禁煙になってタバコの煙が漂うことはなくなったが、子供向けの環境ではない。

また、パチンコは法律上、「遊技」に分類されているが、実際の現場はギャンブルと紙一重の世界でもある。低貸しコーナーは遊びを求めているかも知れないが、4パチ、20スロは「一攫千金」狙いの客で占められている。ホールという狭い空間では、家族連れのレジャーにはなりにくいことが大きな理由の一つだ。

競馬や競艇は、レース場自体が「イベント会場」のような性質を持っている。 家族でピクニックを楽しむ場所、友達とスポーツ観戦を楽しむ場所、デートスポットなど、多目的に使える空間となっている。子供が入場できるのはスタンドや観客席のエリアだけであり、馬券や舟券を買う「投票所」には子供は入れない。

対して、ホールは完全に「専用施設」だ。パチンコやスロットを遊ぶためだけの場所であり、そこに楽しみ方の多様性はない。

競馬場であれば、「今日は走る馬を見に行こう」 、「乗馬体験をしよう」といった楽しみ方もできるが、ホールではパチンコ・スロットを打つ以外の目的は存在しない。

以上の理由から、競馬場や競艇場は「家族連れでもOK」、パチンコ店は「18歳未満」となっている。

ホールが家族向け施設を目指すとすれば、それは駐車場を活用して、子供向けのイベントスペースを新たに設けることだろう。そこには遊具があったり、ミニパチンコ台があったり、一角には託児所があってもいいだろう。

本来、パチンコホールは大人だけが楽しむ秘密の遊び場である。ちょっと謎めいた存在がパチンコホールでもある。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

ゴンチャ方式を採用して求人費を5分の1に抑えたホール

台湾発祥で世界に2000店舗以上を展開するティーブランドのゴンチャは、人手不足の飲食業界にあって、アルバイトの応募が殺到することでも有名だ。ある新規店舗で30人のアルバイトを募集したところ、400人の応募があった、という。実に13倍の競争率だ。ゴンチャではアルバイト希望者が絶えないのだが、そこにはブランド力と共に、応募者の9割以上がゴンチャの客でファンということが見逃せない。

フレンドリーな雰囲気や柔軟なシフト体制、従業員割引など、スタッフにとって魅力的な労働条件を提供しているようだ。

従業員がSNSでポジティブな発信をすることで、求職者の目に留まりやすくなる可能性がある。ゴンチャの働きやすさや職場の雰囲気がSNSや口コミで広まっている場合、広告費をかけなくても応募が多くなる傾向がある。

コストをかけずに求人募集ができているということは、どこの業界でも見習いたいものだが、ホールオーナーの姪っ子がゴンチャへ就職していて、このゴンチャ方式を採用したホールがある。

ゴンチャの応募者の9割以上がファンであることに着目したオーナーは、発想を切り替えて、まず、最初の募集ではパチンコ・スロット好きをターゲットにした。遊技者が一番知りたい情報は何かを考えれば答えはすぐに出る。そう、必勝法である。

例えば、スロットであれば店側がどういう方法で設定配分をやっているか、そのノウハウを週1回の講習会でレクチャーする、というものだった。この時「絶対口外無用」と釘を刺す。スロッターにすれば、おカネを払ってでも知りたい内容だ。休みの日に他店で打つ時に大きな強みになる。

初期メンバーが定着すれば、後は友達を誘ったり、口コミで広まっていく。この時のポイントは時給がそんなに高くしなくても集まる。大学生から20代後半の人材が採用できるようになった。

ゴンチャ方式を採用した結果求人費は従来の5分の1まで抑えることに成功した。

パチンコ業界はこれまで高額時給で人手不足に立ち向かってきたが、現状は時給でも一般業種に負けて、人が採りにくくなっている。高額時給が払えない現状では、パチンコ・スロット好きをターゲットにしていくしかない。そのターゲットは自店にいるのだか、1本釣りしてみては? 

日報へ投稿していたスロプロくんもホールへ就職して、好きなことを仕事にしたので、職場でもすぐに頭角を現した。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

300台クラスで日売り3000万円時代を思い出せ

業界回顧録となる。平成が始まったころの話である。

地方へ1号店を新規出店。パチンコは出店するだけ儲かる時代で、2年ほど経って2号店を出店した。その時の新聞広告が地元で話題をかっさらった。

その地方では折り込みチラシよりも、新聞紙面に広告を打つことが主流だった。地方紙の全3段を使い、赤文字で「出します」。片隅に店舗名と開店時間を小さく載せた。単純明快なコピーが地元ファンをざわつかせた。

当時は整理券もなければ、客を並ばせることもない。自動シャッターを開ける隙間から客が雪崩れ込み、けが人が出るような時代だった。

地域一番店になるのに時間はかからなかった。新参者の快進撃は、既存ホールからは妬み、恨み、やっかみの標的となる。

後日、新聞広告は組合で大問題になった。

組合からは中止を求められたが、ホールは応じなかった。

すると組合から警察OBの専務理事がホールを訪れた。

「パチンコは出すのが当たり前だからこの表現はおかしい。書かないで欲しい」と変な理論を振りかざしてきた。

「パチンコは出すのが当たり前だから出す。それの何が悪い」と応じなかった。

353台の店に月間で10万人が訪れ、日売りは3000万円に達した。実に台ウリ10万円だ。この時代は機種によっては台ウリ10万円もあったが、これが全台ともなると話は別。

では、どうやればこんな売り上げになるのか?

何と、このホールでは島ごとに6人の釘師、6人の店長を育成して、島ごとに売り上げを競わせた。その結果が台ウリ10万円だ。

「一番店を作るには頭、腕、何よりも心で勝つことを目指した。客が集まれば集まるほど出玉は出ているように見える。出ているように思わせるテクニックが大事。それには釘の技術と設定の妙が必要」(元社長)

大繁盛した。閉店後駐車場には翌日のために100人が並んでいた。

組合とは一線を引いたが、役所、警察、商工会とも密な関係を作り味方につけた。

社員には他所よりも1万円給料を多く出した。

特に給料日は店長、部長には税金のかからない別封筒(5~10万円)を手渡し「これは自分のために使いなさい」と人心を掌握した。

「接客では稼働は上がらないと言われたが、接客は釘調整でもあり出玉調整でもある。接客によって14割営業が14.5割営業に見える。閉めているのにお客さんは「出ている」という。お客さんが多いと出ているように見える。稼働のないところに客を付けるのが接客です」

頭と腕と心の理論の中で今のホールで失われているのが腕の部分ではないだろうか。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。