改めて「タンポポ」とは何かを説明しよう。これは東京の福生にある名物ゲーセン「タンポポ」のことだ。NHKの『ドキュメント72時間』でも紹介されたレトロパチンコ台ゲーセンで、オールドファンの聖地にもなっている。
出玉は交換することはできない。時間制で 1時間1000円、3000円で1日中遊べるという料金体系だ。
しかし、なぜ飲食チェーンがこの「タンポポ形式」を思いついたのか。 それは、1パチの利益率を凌駕するという「噂」が聞こえたかららしい。
基本はゲーセンなので、クレーンゲームなども導入予定だという。
「でも、タンポポが受ける理由はレトロ台があるからだよね」と不安の声もあるように、タンポポの成功はその昭和感溢れるレトロな遊技台が大きく貢献している。オールドファンの聖地がタンポポであるとも言える。
買収予定のホールに残っている遊技台を、それをそのまま「時間打ち」で提供しようとしているところに、どこまでニーズがあるかは疑問が残る。
とはいえ、200台規模のホールは物件として中途半端だ。スペースが広すぎず狭すぎずで、転用が効きにくい。この「中途半端さ」を逆手に取ったのが、今回の飲食チェーンの狙いだった。
タンポポ形式のゲーセンにすることで、最大の魅力は「ゴト師対策」だ。 パチンコのホールではどうしても不正行為のリスクがつきまとうが、ゲーセン形式ならその心配は皆無。店も2名ほどで回せるため、人件費も抑えられる。これがコスト面での大きな魅力だ。
日報の過去記事でも「タンポポのようなゲーセンをやりたい」と考えている人がいることも事実だが、タンポポの良さはレトロ台があったこと。
タンポポにはノスタルジックな体験を求める層が多く、昭和の雰囲気が魅力的だからこそ来店する人も多い。現行の遊技機を制限時間制にしただけでは、その独自性や魅力が大幅に減少してしまい、わざわざ来店する動機は弱い。
飲食チェーンがゲーセンを経営するとなると、飲食と娯楽を組み合わせた新しい形態を打ち出す可能性がある。例えば、店内にカフェやフードサービスを導入することで、遊技台を中心とした空間に「長居したくなる」魅力を打ち出す可能性はある。
飲食チェーンの強みを生かして、遊びと食事を融合させたユニークな体験を提供できれば、集客力を高めることができるかも知れない。

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