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「昔は生徒がパチンコ屋で補導されることは頻繁にあったが、今、パチンコ屋で補導される生徒など皆無に近い。そのため、私服の刑事がパチンコ屋を回ることもなくなっています」と話すの都内の私立高校の50代の先生。
昔はちょっと大人びた先輩や同級生が誘うことで、パチンコを初体験したものだが、今はまず誘ってくれる人もいない。
さらに話を続ける。
「昔の不良はパチンコと喫煙はセットでした。今は高校の時にパチンコをしなければ、一生パチンコをする機会もなくなってきますね。これでは、パチンコ人口は増えませんよ」(同)
昔と今では使う金額も違う。昔は1000円もあれば遊べたが、今はその10倍以上のカネがなければおちおちと遊べない。そのハードルの高さが若年層をパチンコホールから遠ざけている理由でもある。
では、パチンコとバッティングする競馬業界はどうか?
かつては、競馬法第28条で「学生、生徒、未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない」と規定されていたため、馬券は20歳以上であっても大学生は購入できなかった。
これが2005年1月の改正競馬法の第28条は「未成年者は、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない」に改められたために、20歳以上であれば大学生でも馬券が購入できるようになった。
パチンコ業界では考えられないような規制緩和であるが、
その背景にはJRAの深刻なファン離れに歯止めがかからないことが挙げられる。1997年のピーク時に売り上げが約4兆円を突破したが、98年から14年連続で減少。2011年には約2兆3000億円まで落ち込んだ。
その理由の一つに高齢化がある。90年には競馬ファンの平均年齢は43・2歳だったのが、今や54・5歳になっている。3連単やWIN5など射幸心を煽る増収策は裏目に出て、当たらなくてつまらないとファンが競馬場から去っていった。
新規ユーザーが育っていないのは、パチンコ業界と相通じるところがある。
ところが、2012年からは売り上げが回復基調に向かう。これはインターネットで買いやすくなったためだ。競馬は売り上げが増えれば配当金も増える。大穴が当たれば儲けも増える。
これはパチンコ業界には参考にならないが、将来ネットパチンコが認可されるようなことでもあれば、また別だ。
ネットで買えるということは手軽という意味である。手軽さで言えば、競馬場と違って全国津々浦々にあるのがパチンコホールの特徴でもある。
サラリーマンの平均年収は1997年に500万円を突破して以降は、下がり続け、2014年には415万円になっている。給料も上がらないのに、パチンコや競馬に小遣いを費やせる訳がない。
競馬は100円から楽しめるように、パチンコも昔のように100円で遊べるようになれば、手軽さが復活する、というものだ。

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