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逆風の中、100台パチンコで勝負するオーナーの勝算とは

あるホールオーナーが都内で100台規模の小型店舗を次々と出店しようとしているという情報が飛び込んできた。駅前や商店街の店舗が次々と姿を消している現状に逆らうかのように、オーナーは小型店舗を増やすというのだ。

普通に考えれば、「何を考えているんだ?」と思う人が多いだろう。時代の流れは大型店。さらにはパチンコ離れが進んでいるというのに、なぜ今このタイミングで小型店を展開するのか?

「新台を求めるような層は狙っていないんですよ。むしろ、4円で40玉交換という、かつての懐かしい感覚で遊べる場を提供したいんだそうです。それで1パチよりも回せば、お客さんは戻ってくるんじゃないかと彼は考えているようです」と情報提供者は語る。

確かに、「新台をガンガン入れて、特日には大行列を作る」という手法とは一線を画している。しかし、そこには何かしらの狙いがあるはずだ。ターゲットにしているのは、パチンコから一度離れてしまった層のようだ。市場調査を行うとはいえ、狙うのは「新規客の開拓」ではなく、かつてのパチンコファンを再びホールに引き戻すことなのだろう。

ここで市場調査がいつも正しい結果を導くわけではないという話をひとつ紹介しよう。

かつてマクドナルドが行った調査で「新メニューに何を追加してほしいか?」という質問に対し、多くの顧客が「サラダ」と答えたそうだ。

「よし、それならサラダをメニューに加えよう!」と意気込んで新商品として投入したところ、結果は散々だった。サラダはほとんど売れず、あっという間にメニューから消えてしまった。

なぜか? 後の調査で判明したのは、顧客はアンケートで「健康的な選択肢を求めている」と答えたものの、実際にマクドナルドに足を運ぶ際には、無意識のうちにジャンクフードを求めているということだったのだ。家では健康的な食事を心がけるが、外出先ではあえて「不健康」なものを食べたいというジャンキーの欲求に支えられていたのである。

パチンコも同様のことが言えるかもしれない。現在、残っているパチンコ客は「等価交換」を強く求める層ばかりだ。つまり、40玉交換という設定では「損をしている」と感じてしまい、結局のところそのホールに足を運ぶことはないかもしれない。

さらに、一度パチンコから離れた層は、「お金がいくらあっても足りない」と気づいた人たちだ。4円で遊べるように設定されたところで、実際に戻ってくるかどうかは未知数だ。

さらに追い打ちをかけるように、現行のパチンコ台は「等価交換」を前提に設計されている。そのため、40玉交換の設定自体が成立するのか、という疑問もある。パチンコ台自体が今の時代の仕様に合わせて作られている以上、単に交換率を変えただけではお客さんが戻ってくるとは限らないのだ。

こうしてみると、このホールオーナーの挑戦はまさに逆風の中での決断である。しかし、その逆境にあえて挑戦しようとする姿勢には、何か新しい可能性を見出しているのかもしれない。果たして彼の戦略は成功するのか、それとも市場の冷たい風に晒されることになるのか。

その前に断念する方が確率は高そうだ。


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