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食品スーパー業界の競争から学ぶこととは

「昔は新店を出して、店を開ければ勝手に客が来てくれた。ホール経営はバカでもできた。2代目、3代目の時代になっている。中にはMBAを取得する優秀な経営者もいるが、それは極々一部。今の経営者は初代からほとんど進歩していない」と辛辣な意見がどこからともなく聞こえてくる。

業界の将来が不安だから危機感は皆一様に持っているのだが、大局観で業界をよくしようと考えている若手経営者はどれぐらいいることか。皆、自分の会社がどうすれば生き残れるかを考えるのが精一杯だ。少なくとも初代の時代は、繁盛店の情報に貪欲で、自らが現地視察に足を運んだものだ。そういう情熱は若手経営者にはない。これが業界が衰退していく一因でもあろう。

他業界がいかに経営努力しているかを以下の事例を参考に、ホール経営を諦めないで欲しいものだ。

関西の食品スーパー業界の中でも、今、人口が多い大阪が関東や中部地区からの出店攻勢で競争が激化している。大阪が注目されるのは関東に比べ賃料が安く、中部に比べ市場が大きいからだ。10年スパンで考えても安定した市場だ。

岐阜県多治見市が本社のバローは東海・北陸を中心に241店舗を展開している。堺市に出店した店舗の特徴は鮮魚を全面に打ち出している。しかも、カンパチ、ヒラマサ、キンメ、ハマチなどはすべて一匹まるごと販売することが特徴。ハマチ一匹1000円と値段も格安。一匹買いしても無料で調理してくれるので、魚が下ろせない人でも心配なく買える。

魚を買うならバローを浸透させるために、スーパーのチラシは1キロ圏内にまくのが一般的だが、バローの場合は2キロまでを商圏としている。格安な魚を集客商品に、他の商品も買ってもらう戦略だ。

横浜が本社のオーケーは関東圏が主戦場だが、東大阪市に関西1号店を出店した。同社の特徴は他店よりも高ければすぐに値下げを実施するゲリラ商法でもある。特に定番商品は種類を絞り込み、より大量仕入れで他店が追従できない値段で勝負する。徹底したコスト管理でパッケージは見た目には拘らず、1円でもそうしたコストを下げることで商品の値段も下がる。

迎え撃つ地元の大手のライフは、オーケーの出店で競合する東大阪店を大改装して、「日本一の総菜売り場」を打ち出した。人口増の東大阪市は独身の単身者が多い。そこですぐに食べられる小さいサイズの総菜を強化した。ピザは生地から作り、釜で焼く。ライフでしか食べられない美味しさで勝負する。同質化競争からの脱却を図った。

地元の中小スーパーは、仕入れ量が大手には勝てないので、メーカーとの価格交渉は難しい。規模の小ささを逆手に、大手に卸すほどの生産量が少ない、各地の珍しく、美味しい商品を探し出して提供している。地元の生産者から仕入れて地産地消で地元経済にも貢献している。

以上、それぞれの戦い方をしているのがスーパー業界でもある。パチンコ業界は金太郎あめのように同じ機械で、独自性を打ち出すことも難しい。各台計数機・スマート機時代では目に見える出玉感がなく、スーパーのように値段の安さが一目で分からない。



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