この企業は、なんと30年以上もの間、創立記念日ごとに社員に記念品を贈り続けている。 創立当初は業績も絶好調で、「あの頃の記念品はすごかった…」と1万円相当の豪華商品が配られていた。
1万円だった記念品は、業界の右肩下がりの状況に歩調を合わせるかのように、7000円、5000円、さらには3000円と縮小し、かつての面影どこはへやら…。
ただ、現在の社員の大半は、1万円相当の記念品もらっていた「黄金時代」を知らない。寂しい気持ちになれるかもが、時代の変遷を感じずにはいられない。
さて、そんな流れの中で、今年の創立記念日の記念品は、日清の最強ラインである「どん兵衛」中から「最強どん兵衛 きつねうどん」と「最強どん兵衛 かき揚げそば」がチョイスされた。通常のどん兵衛(142円)より少しお高い248円。見た目も中身もワンランク上となっている。

まず、麺にはこだわりの極太タイプを採用しており、通常のどん兵衛とはひと味違うもちもち食感が特徴だ。 さらに、のどごしが楽しめるように弾力がアップし、調理時間も通常より3分長い8分だ。だしには6種の合わせだしが採用され、厚めのふっくらおあげや、長野県の老舗「八幡屋礒五郎」の特製ゆず七味唐辛子まで付属している。
今年の記念品は、この「最強どん兵衛」を好きなだけ持って帰っていい、というものだったらしい。自分では買わないけど、貰ったらちょっと嬉しい…。そんな社員の気持ちに寄り添う、ささやかなオーナーの心遣いが見え隠れする
会社の経営がかつてのように好調ではない現在、運営するホールも低貸し専門店がほとんどだ。そんな財政状況でも記念品だけは配りたい、と思うオーナー。 この「ささやかな高級感」が、逆に社員たちにとって記憶に残るプレゼントになったのかもしれない。
かつての豪華記念品を懐かしむベテラン社員もいれば、「最強どん兵衛も悪くないな」と喜んで若手社員もいるだろう。 最強どん兵衛が「どんな味なんだろう?」と興味をそそられるはず。こうして「最強どん兵衛」は、創立記念日を彩るひとつの象徴となった。
今年も無事に創立記念日を迎え、社員全員がささやかながらも嬉しい記念品を手にすることができた。
こんなことを書いていたら最強どん兵衛が食べたくなってきた。

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