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「特定日」という悪習に悩むホール現場の実情

パチンコ業界において「特定日」という慣習は、長年にわたり業界全体に根付いてきた。特定日とは、ホールが「出玉を期待できる日」として設定する特別な営業日を指すが、実際にはこれが店舗経営に大きな影響を与える要因となっている。

特定日が業界に広く定着した背景には、かつての「新装開店」の名残でもある。昔の新装開店は夕方6時オープンで、新台の設置台数も多く、その日はホールも客も「大いに出す日」として期待していた。

この「出す」というイメージが強く根付いていたため、それが等価交換の普及とともに、新装開店に代わって特定日という形に変わった。しかし、この特定日は現在の業界において様々な問題を引き起こしている。

多くの店舗責任者は、この特定日という悪習を廃止したいと考えている。しかし、実際にそれを実行に移すのは非常に難しい状況だ。その最大の理由は、特定日を止めてしまうと、競合店に客が流れるリスクがあるからである。

現代、客がホールを選ぶ基準として「今日はどこのホールが出すか」という情報が重要視されており、特定日がその目安となっている。仮に一つの店舗が特定日を廃止した場合、その日は別のホールに客が流れてしまう可能性が高く、経営に大きなダメージを与える恐れがあるのだ。

40個交換が主流だった時代の新装開店では、ジャンジャンバリバリと玉を出すことができた。客もそれを期待しており、新装開店日はホールにとっても一大イベントだった。しかし、等価交換の導入により、利益率が低下し、新装開店での大量出玉が難しくなった。

そこでホール側は、特定日を設定して、その日に出玉を放出するという形に切り替えたのである。しかし、これは一時的な集客効果を狙ったものであり、長期的にはホールの体力を削る原因となっている。

特定日の最大の問題は、専業・軍団と呼ばれるプロが集まりやすいことだ。これらのプロは、SNSなどの情報をもとに特定日を狙って一斉に来店し、大量の出玉を狙う。

開店前に長蛇の列。彼らは一見、ホールに賑わいをもたらす存在のように見えるが、期待値で動くプロは、実際にはホールの利益を圧迫する存在であり、常連客が楽しめる環境を損なってしまう。

あるホールでは、プロ対策として「プロお断り」のポスターを掲示し、会員カードの不正利用をチェックするなどの対策を講じた。従業員は「プロ排除監視員」の腕章をつけて巡回し、不審な動きがあれば即座に排除するという厳しい姿勢を示した。

その結果、翌年にはプロの並びが半減するという一定の効果が見られた。このように、プロの排除は特定日の問題の一部を解決する方法の一つだが、根本的な解決には至らない。

一部のホールでは、特定日そのものを廃止したいという意見がある。しかし、その実行には警察からの指導を恐れるという障害が立ちはだかる。仮に「特定日を止めます」と公に宣言すると、「特定日に釘を開けていたのか」「釘調整は違法だ」という指摘を受ける可能性があるからだ。

釘調整が厳しく規制されている現状では、ホールは釘の調整や出玉に関する細かな情報を公にできない。こうしたリスクを考えると、特定日の廃止を簡単には実行できないのが現実だ。

現在のホールは、特定日の後遺症に悩まされている。特定日が続く限り、ホールはその日に出玉を用意しなければならず、結果的に通常営業日の稼働が低下するという悪循環に陥っている。さらに、専業・軍団に過剰な出玉が流れることで、常連客の不満が高まり、ホールのイメージダウンにもつながっている。

特定日はかつての新装開店の代替として導入されたものであり、一時的な集客効果を期待できるが、長期的にはホールの経営を圧迫する要因となっている。店舗責任者たちは、特定日を廃止したいと考えているものの、競合他店への客流出や警察からの指導を恐れて踏み切れないのが現状である。

今後、特定日という悪習をどう取り扱うかは、業界全体の課題であり、ホール経営者にとって避けては通れない問題である。業界全体での意識改革が求められる中、特定日の廃止はいつの日か実現できるのか? これでどこかが成功すれば雪崩を打ったように同調することになる。



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