パチンコ日報

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お一人様ビジネスの雄が復活するために

東京ディズニーランドが開業したのは1983年(昭和58年)4月15日だった。開業当時の入場料は3900円。当時のアルバイトの最低賃金が東京で450円だった。開業から40年経った現在、入場料は8400円~9400円、時給は1000円。入場料と時給はほぼ2倍で推移している。

TDLが値上げしても入場者数が落ち込まないのは、その都度新アトラクションを投入しているためである。あるアトラクションは20億円の投資で、その時500円値上げしているが、新アトラクションによって120億円の売り上げがアップし、100億円の利益を上げている。

TDLといえば、友達や家族で行くイメージがあった。そもそも、一人で行くということは「友達もいない寂しいやつ」という他人からの目もあるので、1人で行くには勇気が必要だった。

周りに気を遣わずに1人で自由に行動したい、という需要は昔から一定数あった。それが未婚率が増加する中、コロナ禍が追い風となり、お一人様焼肉やお一人様温泉旅館、お一人様カラオケ、ソロキャンプなどのお一人様ビジネスが注目されるようになった。そして、「ぼっちディズニー」という言葉が生まれるように、TDLもお一人様の集客にも力を入れている。

アトラクションに長時間並ぶとなると、困るのがトイレ。複数で行っていれば、ちょっとトイレに行っても列に戻れるが、お一人様ではそこが難しい。痒いところに手が届くディズニーのキャストは、そんなゲストのために「トイレの時は声を掛けて下さい」と配慮を忘れない。

お一人様ビジネスの王様と言えば従来はパチンコだった。それが消費金額に見合わないレジャーになってしまったために、新規のお一人様を取り込めない状況が続いている。

お一人様を呼び込むには、月収17万円のうちワンルームの家賃に7万円が消えていくといった独身のフリーターや、年金生活のシニアについては、「消費力」があるとは言えない。

早くから生涯独身を決めているような一般的な会社員は、子供の教育費や持ち家の住宅ローンも抱えることなく、おカネに余裕を持っている。そんな30~40代の消費行動が旺盛な人たちが、お一人様ビジネスのターゲットになる。パチンコ業界としても一番取り込みたい年代層である。

では、どうすれば取り込めるのか?

答えは簡単。TDLのように値上げしてもそれに匹敵する満足感が得られればいいわけで、投資金額に見合うようにすればいい。1000円スタートでボーダー以下ばかりが設置されている現状は論外だが、セブン機のような遊技機がそもそも新規客を取り込めない要因でもある。

ゲーム世代を取り込もうと思えば、ハンドルを握るだけでなく、遊技者自身がもっとコントロールレバーで技術介入できる遊技性なども必要になってくる。そう、天に運を任せるのではなく、ゲームのように自らが参加している感覚が必要だ。こんな遊技機が登場すればお一人様の雄が復活だ。


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