パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

業界復活の妙案もなく行けるところまで行くだけ

2030年には100%EV車のみを販売することを明らかにしているボルボは、これに併せて販売方法もオンライン販売へ移行することを発表している。

営業マンを置かない理由として、営業マンの人件費が抑えられることも大きいが、透明性がある価格モデルを構築し、面倒な価格交渉などをなくすことで、透明性と信頼性をユーザーにもたらすことができる。

例えば、従来通りディーラーで購入する場合には、メーカーから出される販売報奨金などを原資にしてやや不明朗とも言える値引きが横行している。その値引きもディーラーの胸先三寸で、消費者にすればどこで買えば一番安く買えるのか分からない販売方法になっている。

これに対してオンライン販売だけにすれば、ユーザーにとっては不透明な「値引き」がなくなり、値引きはユーザー全体に対して行なうことができる。この意味ではより透明な取引になると言える。

直販が増えていくことで、より大胆な価格戦略を動的に行なうことが可能になる。例えばモデル末期に近づけば、オンライン販売での価格を下げて販売台数を押し上げる営業方法も可能になる。

パチンコ業界でもいずれメーカーはオンライン販売へシフトして行くことが予想される中、販社の2代目社長はすっかりやる気を失っている。

「そもそもメーカーは、新台を買う上位ホールを顧客としている。オヤジの知り合いの販社も販売台数が落ち込み、会社を閉じた。われわれのような2次販社は新台も満足に買えないような弱小ホールを顧客としているので、いつまでもできる商売ではない。やる気もなくなる」とボヤく。

メーカーがオンライン販売する理由は、やはり人件費の削減が大きい。営業マンがいなくなれば営業所も不要になる。併せて、展示会も不要になる。

「ホールは年間の機械代予算が流動化する余裕もなくなったので、営業マンの力で販売台数を押し上げるケースもなくなっていますから、想定よりも早くオンライン販売に移行するのではないでしょうか」(2代目販社社長)と読む。

販社の2代目社長がボヤけば、2代目ホールオーナーの口から突いて出る言葉も嘆きしかない。

「パチンコの貸し玉が3円から4円に引き上げられた時は、売り上げも粗利も25%も上がったことを子供の頃、社長から聞かされたことがあった。もう、業界が良かった頃に戻ることはないのは、10年前には分かった。ウチは子供には継がさない。子供の教育には力を入れている。いい大学に進んで医者になるなり、自分で自分の道を切り開いて欲しい」と子供には継がせる商売ではなくなっていることを明らかにする。

では、なぜ、業界が良かった頃に戻ることはないのか?

「路線を自分でも変えることが出来なかった。親が許さなかったので、変える勇気もなかった。元に戻す妙案はない。あれば、すでに大手がやっていて、周りはそれに追従している。都内で自社物件で強かった強豪店の稼働が滅茶苦茶落ちている。ウチは行けるところまで行って撤退する」と腹を括っている。



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やれることをやる

つい先日のことでした。とあるホールの社長さんから「店長が突然辞めてしまい、後任の主任に釘を教えて欲しい」というご連絡がありました。これは以前からもままあるケースなのですが、お店にとっては一大事です。釘は一朝一夕には成り立ちません。

自己研鑽と工夫、失敗と成功を繰り返しながら身につくものです。しかもほとんどの方々が釘のメカニズムを知らないで業務にあたるのですから、その苦労は火を見るより明らかでしょう。

私はいつでも社員の育成について考えています。ただそれが大切であることは理解しているものの優先順位が後手に回ってしまう。そのようなお話を電話口で聞きました。

ある程度のことを手取り足取り教えることは可能です。しかし「わかる」と「できる」とでは大きな違いがあります。例えば新台を導入する際、メーカーさんからホールさんに送られてくる取扱説明書があります。ここには全ての釘の上下角度が記載されています。そしてそれを実際に測定してみますと微細なずれがあるのです。

ベニヤ時代に比べればその精度は格段に高まっているものの、それでもバラツキがあるのです。そのバラツキがスタートの数値やスランプに影響を及ぼすわけですから当然のように諸元表通りに戻さなければなりません。問題はそれを知らない。知っていてもどうしていいものかがよくわからない。という点にあります。

加えて最近の機械は釘の本数がとても少ないです。その理由で打たれている釘を諸元表通りにしておかないと必ずスランプを呼び起こします。逆を言えば少ない釘をきちんと管理していれば安定した状態でお客さんにお披露目することができるのです。

当たり前のことを私は淡々と電話口で申し伝えました。おそらくその社長さんにとってとても退屈な話だったと思います。それを示すかのように「私は釘のことは何も知らないから、そんなことよりうちの主任をできるだけ早く一人前にしてください」という言葉が返ってきました。私にとってこれは想定内の反応です。何故なら店長が辞めてその代わりの人材がいないという状況が全てを物語っていますから。

実はそのような問題を抱えていらっしゃる企業さんは少なくありません。こういうことを書くとまた「それだからダメなんだ!」という向きの言葉が出てくると思いますが、私は私を必要としていただけるなら最善を尽くして協力をさせていただきます。ただそれだけです。

オーナーの思想は私にあまり関係ありません。それを知ったところで何の問題解決にもならないからです。やれることをやる。これから会う主任さんの成長に対して自分はどこまで協力できるのか。今はそれしかありません。


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射幸性を追い求める業界に未来はあるのか?

完全6号機時代に入り、4パチと20スロの売り上げ・粗利の差がより鮮明になっている。4パチが2021年の前年比で売り上げ・粗利共にアップしているのに対して、20スロは共に下がっている。台粗で言えばパチンコとスロットでは1200円近い差となっている。

スロットは甘く使っても粗利が取れないのに、パチンコは辛く使っても粗利が取れている。これまでスロットとパチンコの両方を打っていたユーザーは、より稼げるパチンコだけに移行していることもデータ的に分かっている。

4パチの中でもホールに利益貢献しているのがハイミドル機である。やはりギャンブル性の高い機種をユーザーは求めているようで、ライト機はほとんど稼働も粗利でも貢献していないのだが、稼働が低いホールほど、ライト機のユーザーが多いのが特徴でもある。つまり、高稼働ホールほど、ライト機のユーザーも少なく射幸性を求めるユーザーが多い傾向にある。

ホールが高稼働を維持するための基本は、人気のある機械を多く導入し、特定日で集客する。この営業方法はどんなに時代が変わろうとも変わらない。加えて、出玉数を見せることができるハイミドル機のコーナーは、各台計数機時代にわざわざ箱積みして、視覚効果に訴えているホールが高稼働ホールの共通項でもある。

これって、スマパチ時代になったらどうなるんだろうと疑問に思う。すぐにスマパチへ全面移行することはないだろうが、箱積みで出玉を魅せるハイミドル機戦略をホールが望むのであれば、混在期間は想定以上に長くなるかもしれない。なにせ、スマパチは出玉を見せることはできないのだから。そんなことは分かり切っているが、パチンコに関しては出玉を見せる射幸性からいかに脱却するかが「鍵」となる。

しかし、パチンコ業界は射幸産業からの脱却は容易ではないことは想定できる。

本来の遊技に戻す機械を開発したところで、前述したようにライト機のような射幸性の低い機械は、ユーザーも少なく、ホールも購入しない。だから、メーカーも遊技として楽しめる機械の開発には消極的となる。

ユーザーもいくら勝てるか、金額ばかりに目が行きがちだが、ここを断ち切らないことには、業界がいくら依存症対策をやっています、と言ったところでそれは、本当に依存症を減らすためにやっているのではなく、世間から批判をかわすためのポーズ、と世間には見破られてしまう。

日本人の給料は上がらず、可処分所得も下がる一方で、遊興費に使えるおカネはない。このまま射幸性を追求して行けば、業界はますます縮小に拍車がかかるだろう。遊技人口3000万人時代は、40玉交換で、機種のバリエーションも多彩だった。
稼働によって売り上げは自然についてきていた。

迷ったら原点に帰る。これが問題解決の糸口でもある。


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ホールに来ても何もしないお客に内職を

先日のエントリー「鳩サブレー缶の思い出」は、パチンコを打つ人の目的は様々ある、という内容だった。これを読んだホール店長から、常連客の変化について興味深い情報が寄せられた。

連日35度以上の猛暑日が続く今夏は、パチンコをしないでホールに入り浸るお年寄りが増える中、一人の常連客の行動に変化があった。

そのおじいちゃんは毎朝11時には、軽トラを運転する娘さんの横に乗ってホールに出勤。帰るのは夕方4時で娘さんが再び迎えに来るのが日課だ。

店長になって異動で今のホールに着任して4年半が過ぎたが、おじいちゃんはその前からその店の常連客だ。

おじいちゃんは1パチ専門で5時間余りをホールで過ごす。おにぎり3個を持参し、自販機でみそ汁2杯を飲むのがいつもの昼飯でもある。

おにぎりに巻かれた海苔は、親せきが作っている海苔の中でも最高ランクの自慢の海苔を使っている。

おにぎりじいちゃんが、最近、来店してもパチンコを打たなくなった。座って常連客と話をするだけになった。

おカネがなくなったわけではない。店長にも財布の中を見せて、おカネの問題ではないことを告げると共に、こう付け加えた。

「勝てないこともあるけど、パチンコに飽きた。新台を打ってもすぐに飽きる」

これには店長もショックを受けた。

おじいちゃんは、昔はハネモノが大好きで1日中打っていた。セブン機一辺倒になって久しい。映像が違うだけで大当たりは抽選方式で中身は一緒。機種のバラエティーさが求められ、それなりに努力しているメーカーもあるが、客付がイマイチで後が続かない。

「ほかに行くところもないので、ここに涼みに来ている」とおにぎりじいちゃん。

店内には休憩用に肘掛椅子が8却用意されているが、おにぎりじいちゃんのような常連客でいつも埋まっている。

「駐車場はクルマが埋まっている方が、出ているように見えるように、パチンコを打たなくても店内にいてくれても迷惑ではないのですが、その人たちにホールでできる何かがないかを考えています」(店長)

たとえば、お年寄りでも簡単にできるような内職をホールの休憩室でやるとかのアイデアもある。好きな時間に来て、好きな時間に帰られるような緩さだったら、生き甲斐にもなる。

これこそが新たなホールのコミュニティーの姿でもある。


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第5話 新世界 ④

苦い初陣

「業務連絡、業務連絡。坂井主任、三番両替機までお願いします」

主任襲名三日目のことである。

「了解」と主任らしいいつもよりか声のトーンを抑えながら、僕は意気揚々と足取りも軽く三番両替機へと向かう。

「ちょっとぉ、まったくいつまで待たせるのよ。早くしてよ」

いきなりの剣幕に押され気味になったが、ここで客に舐められては主任の沽券にかかわる。

「はいはい、わかりました。ちょっと待ってね」

と言いつつわざと緩慢な動作で両替機に鍵を差し扉を開ける。しかし内心は緊張の居地だった。カルティエから一応の説明を受けてはいたが、実際にトラブルを処置するのはこれが初めてである。正直言うとどこをどうしたらいいのかすらわからない。おまけに僕はメカには滅法弱いのである。しかし客の前でそんな素振りは絶対見せられない。そう、僕は主任なのだから。

「で、どうしました」

「お釣りが出てこないのよ!一万円入れて九千円のおつりがで・な・いの!見てわからないの!何が『で、どうしました?』よ。あんたちょっと態度悪いんじゃない」

その女性客はこれでもかと言わんばかりに厚かましく、そして猛烈に抗議する。

「そう言われてもねえ。特に異常はないんですよ。本当に一万円入れたんですか」

状況に窮した僕は言ってはならない事を言ってしまった。しかし吐いた唾を飲みこむことはできない。

「それ、どういうことよ!あたしが嘘でも言っているっていうの?冗談じゃないわよ!毎日毎日ここに来て、一回も勝てないし、先月なんかいったいいくら負けたと思ってるのよ!五十万よ、五十万も負けてるのよ!客の金を搾り取るだけ搾り取っておいてその上こんなやり方でまだ金取るっていうのかさ!だいたいあんたこの両替機直せるのかさ!本当はわからないんじゃないの?店長呼びなさいよ、店長を」

「まあまあ、お客さん落ち着いてよ」

といった僕が全然落ち着けていなかった。

「何がまあまあよ。これが落ち着けって言えるのかさ!人を疑っておいて黙ってられるわけ無いでしょ!」

気がつくと僕たちの周りに何人かの客が集まっていたみんな僕の行動に批判的な眼差しだった。少なくとも僕にはそう見えた。途端に背中から嫌な汗がじわっと流れる。群衆の中に子ガメがこちらをヘラヘラしながら見つめている。嫌な予感は的中する。子ガメは両手で人垣をかき分けこちらに歩いてきた。

「坂井くんよお、お前お客様を泥棒呼ばわりしちゃあまずいだろうよ、ああん?」

ニタニタ笑いながらその怖い顔を僕の顔に近づけてくる。腐い吐息がもあっと臭う。今までの僕なら黙って俯くだけであったが、主任という立場上これではいけない、なめられてはいけない、こんなところで威厳を損なってはいけないと思い、今日は勇気を振り絞って精一杯の去勢を張った。

「誰も泥棒なんて言ってないじゃないですか。それに宮田さんは関係ないじゃないですか。今調べてる最中ですから向こうに行っててくださいよ」

言ってしまった。子ガメの顔がみるみる赤くなるのを見届けて僕は後悔した。しかし時すでに遅し。

「へえ、坂井くん偉くなったんだねえ」

バン!鈍い音と共に一瞬目の前から何も見えなくなった。そして鼻の奥がつーんとする。続けざまにバチン!今度は頬から耳にかけて皮膚が裂けるような痛みがして、キーンという音が左耳から聞こえてくる。

「舐めた口きいてんじゃねえぞ、こらあああ!」

僕は右手で右目を押さえ左手で左の耳を抑えながらその場にうずくまる。

「てめえ主任になったからっていい気になるじゃねえ。あんまり調子こいってとやっちゃうぞこら!」

もう来ないと思っていたのにトドメの一発が来た。バキっという音と共に子ガメの回し蹴りが僕の左脇腹に食い込む。2メートルほども吹き飛ばされただろうか。苦しくて息ができなかった。僕はううっと、うめき声を上げる。

『こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か』なぜゆえに昔少年チャンピオンに連載していた『魔太郎がくる』(藤子不二雄作)の名台詞が頭をよぎったのかは僕にもわからなかった。

つづく

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