「ウチの会社は6機種持ち込んでやっと1機種適合する感じです。もっと通りやすくなれば機械代も下げられるのですが…開発費ばかりかかっています」(スロットメーカー営業)
昔からパチンコに比べてスロットの適合率は低かった。
「昔から大手のスロット購買担当からは『検定を通すための機械はいらない』と言われていますからね。そりゃ、メーカーとしてもその期待に応えたいです。検定を通すための機械がたとえ売れたとしても次がありません」(同)
メーカーのギリギリの線をせめぎあう姿勢は変わっていない。適合率が上がらない理由の一端でもあろう。
スロットの長時間試験(17500G)は5号機では上限出率が120%だったものが6号機では115%に下がっている。
5%下がっただけでも、メーカーの売れるための機械づくりはしんどくなるばかり。開発は不適合にならないようにするためには、実際の設計値は105~104%で作らざるを得ない。これよりも上の110%ぐらいで攻めると、すぐに115%を超えてアウトになってしまう。
120%時代のAタイプは106%で作っていた。107%では落ちてしまうからだ。今は104%で作るのもしんどい、という。
やはり、実際の設計値の104~105%では“波”を作るのは困難だ。
ホールが言う「保通協を通すための機械はいらない」というのは、面白い波を作ることが難しい設計値を指している。
特にスロッターはスランプグラフの波を重視する。波のない機械は見向きもされない。
「今の適合率で行くと6号機の玉数が揃うのに2年はかかるのではないでしょうか。旧基準機の撤去期限には間に合いません。最悪ベニヤ板営業になるかも知れません」(同)
6号機の入れ替えは設置台数が多い大手ほど深刻な問題だ。低貸し主体で運営していたらなおさらだ。低貸し専門店を全台新台の新基準機で入れ替えることは、ビジネスモデル破たんを意味する。
このまま6号機の適合率が不調のままなら、2021年1月末までの旧基準機の撤去にも影響する。今回は遊技機規則が変更され、3年間の猶予期限を持ってのことなので、みなし機も使えない。
消費税だって諸事情から2回延期した。撤去期限を先延ばしにしてもらうには、政治力しかない。

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