パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

提言効果はいつ?

スロットの型式試験の適合率がなかなか上がらない。風営法議連の遊技機基準の提言後の5月は24%で前月4月の15%からはアップしたものの、6月は22.3%へと微減。提言の効果がいつになったら出るのか、と業界人はヤキモキするばかりだ。

「ウチの会社は6機種持ち込んでやっと1機種適合する感じです。もっと通りやすくなれば機械代も下げられるのですが…開発費ばかりかかっています」(スロットメーカー営業)

昔からパチンコに比べてスロットの適合率は低かった。

「昔から大手のスロット購買担当からは『検定を通すための機械はいらない』と言われていますからね。そりゃ、メーカーとしてもその期待に応えたいです。検定を通すための機械がたとえ売れたとしても次がありません」(同)

メーカーのギリギリの線をせめぎあう姿勢は変わっていない。適合率が上がらない理由の一端でもあろう。

スロットの長時間試験(17500G)は5号機では上限出率が120%だったものが6号機では115%に下がっている。

5%下がっただけでも、メーカーの売れるための機械づくりはしんどくなるばかり。開発は不適合にならないようにするためには、実際の設計値は105~104%で作らざるを得ない。これよりも上の110%ぐらいで攻めると、すぐに115%を超えてアウトになってしまう。

120%時代のAタイプは106%で作っていた。107%では落ちてしまうからだ。今は104%で作るのもしんどい、という。

やはり、実際の設計値の104~105%では“波”を作るのは困難だ。

ホールが言う「保通協を通すための機械はいらない」というのは、面白い波を作ることが難しい設計値を指している。

特にスロッターはスランプグラフの波を重視する。波のない機械は見向きもされない。

「今の適合率で行くと6号機の玉数が揃うのに2年はかかるのではないでしょうか。旧基準機の撤去期限には間に合いません。最悪ベニヤ板営業になるかも知れません」(同)

6号機の入れ替えは設置台数が多い大手ほど深刻な問題だ。低貸し主体で運営していたらなおさらだ。低貸し専門店を全台新台の新基準機で入れ替えることは、ビジネスモデル破たんを意味する。

このまま6号機の適合率が不調のままなら、2021年1月末までの旧基準機の撤去にも影響する。今回は遊技機規則が変更され、3年間の猶予期限を持ってのことなので、みなし機も使えない。

消費税だって諸事情から2回延期した。撤去期限を先延ばしにしてもらうには、政治力しかない。




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ちょいパチのテレビCMを考える

国が本気でギャンブル依存症に取り組むのであれば、公営か民間かを区別することがおかしな話である。ギャンブル依存症を少なくさせたいのなら、対策も一緒でなければならないのに、テレビでは競馬、ボートレース、宝くじのテレビCMがガンガン流されている。一方のパチンコは広告宣伝規制で何もできないのが現状である。

公営は税収で地方財政が潤うので適当にやっておけ、という思惑が見え隠れする。パチンコ業界とてホールにしろ、メーカーにしろ、販社にしろ税金は納めている。

これまで脱税が発覚しやすい業種では、ベスト3圏内の常連だったパチンコだが、国税庁が昨年12月に発表した平成29年7月から30年6月の税務調査ではパチンコは29.2%で7位に“転落”している。



ちなみに1位はバー・クラブ66.4%、2位は外国料理48.1%、3位は大衆酒場、小料理41.8%、4位はその他の飲食36.2%、と現金商売の飲食業が上位を占めている。そのために、パチンコは下に押し下げられたものと思われるが、パチンコは脱税するぐらい儲かる商売ではなくなっていることを物語っている。

話を広告宣伝に戻す。

「来年はホールの全面禁煙化で新規客を開拓する絶好のチャンス。ここでメーカーが遊技機のCMを復活させたらホール営業の援護射撃になる。ネット広告もあるけど、パチンコ、スロットと言うだけでクリックされない。その点、テレビは嫌でも目に入るので有効。最初にテレビCMを復活させたメーカーは相当目立ちます」(メーカー営業マン)

広告宣伝規制では著しく射幸心を煽るものが規制されているわけだが、メーカーがパチンコに興味がわく内容なら問題ないかもしれない。

今、パチンコを支えているシニア層だが、金融庁が発表した「老後資金2000万円」でも明らかになったように、これからリタイアして年金暮らしを迎える人たちに老後資金の余裕はあまりない。いつまでもシニア層をあてにもできない。

プルデンシャルが60歳になった2000人を対象に貯蓄額をアンケート調査したところ、平均は2956万円となった。みんな結構貯め込んでいるように思えるが、4人に1人が100万円以下、という格差が浮き彫りになった。

1億円以上が8.1%、5000万円~1億円が6.9%という高額貯蓄者が平均値を押し上げているので、2956万円は実態とはかけ離れている。2000万円以上の貯蓄があるのは32.9%である。

そもそもパチンコは富裕層向けではない。

「ちょいパチは既存の遊技者に訴えても響くものがないわけでしたが、禁煙化と同時に新規客に訴えるのはちょいパチのテレビCMです。1円ではなく4円で遊べるちょいパチにスポットを当てるべき」(同)

やっとちょいパチが日の目を見る時が来る?

ちょいパチのテレビCMがダメなら公営競技も流しちゃダメだろう。




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保通協試験 5台の平均値なら適合率はてきめんに上がる

遊技機を開発するためには風営法と技術上の規格解釈基準に則ることが求められる。風営法が大枠とすれば解釈基準は、開発陣が間違った解釈をしないように事細かく抵触するか抵触しないかが列挙されている。

解釈基準の中には、言葉の意味についても次のように説明が加えられている。

「操作」とは、人間が目的物に対して何らかの意図を持って直接的に作用を及ぼすことであると解する。

「一分間」とは、一切の延長のない1分間をいうものであると解する。

出玉試験を増やし、出玉性能を抑えた新基準機や管理遊技機の開発を可能にするためには、この技術上の規格解釈基準を改正する必要がある。2018年2月1日から改正された解釈基準が施行されたことによってそれらが可能になった。

風営法議連がスロットの新基準機の適合率が極めて低いことに対して、改正前の水準に上げることを求めて国家公安委員長に提言書を送ったのは4月25日のことだった。

提言の中で次の要望がある。

「偶発性に左右されない、遊技機本来の性能が評価される方法に早急に改善を図るべきであるなど業界の要望を踏まえ、適合率を向上させる上で隘路となっている点についての早急な改善を図るべきである」

この中で出てくる「隘路」とは何? 調べてみると「あいろ」と読む。意味は物事を進めるのに障害になるもの、とある。この一般的には使われない言葉を選択していることが、この文書を読む上で障害になっている。この文書を作成した事務方にはもっと分かりやすい言葉を使って欲しい。

で、風営法議連の提言は国家公安委員会にどのように届いているのか。適合率を上げるには試験方法も変える必要があるが、新基準機を早急に市場に出すためには規則改正を待っていたのでは間に合わない。

「保通協も解釈基準に基づいて試験しているので、試験方法を変えるのなら解釈基準の変更が必要になる。解釈基準の変更はよくあることだが、警察庁からの通知もない。試験で一番落ちるのは、やはり出率。例えば、スロットは400Gの短時間試験では2.2倍を超えたら即アウト。219.99%はOKだが、220.00%ジャストは抵触する。試験には5台持ち込むことが義務付けられている。5台の平均値でアウトなのか、1台でも超えたらアウトなのかは解釈基準の中には書かれていない。試験方法はブラックボックスで公表しないから本音の話し合いができない。業界からお願いするとすれば5台の平均値で取って欲しい。平均値で取ってくれたら合格率はてきめんに上がる」(スロット関係者)

長時間試験は115%だが、メーカーは試験に適合するために実際の設計値は104%ぐらいで臨む。

5台持ち込んだ結果こんな具合だったとしよう。

A 130%
B 85%
C 102%
D 110%
E 80%

これを5台の平均値で見ると101.4%で115%は超えていない。

試験方法を見直すのなら解釈基準を変更する必要もない。




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次こそ族議員を誕生させるために業界がすべきこと

参院選が終わった。業界は落胆一色となった。初のパチンコ族議員として比例区に立候補した自民党公認の尾立源幸氏は、92,881票を集めたが残念な結果に終わった。自民党の比例区には19人が当選。尾立氏は23番目だった。今回の比例区の当選ラインは13万票だった。4万票も足らなかったことになる。

初のパチンコ族議員にメディアも注目した。終盤戦の業界の盛り上がりを目の当たりにした新聞記者の中には「こんなに熱い応援で盛り上がっている業界はない。当選する勢いがある」と予想する者もいた。

「無名の尾立さんが途中まで当落ラインだった。9万票は大健闘でしょう。次回は末端まで浸透するように周りを巻き込めば、1.5倍の13万票は固い。そのためには普段の会話の中で候補者の名前を浸透させる必要がある」(自民党関係者)

初の族議員選挙だったため、業界の集票能力がどれぐらいあるのか全く読めない中で選挙戦に入った。

投票前は当確ラインを12万票と仮定して、尾立氏の基礎票4万から差し引くと業界で8万票が必要だった。

業界の上層部は大盛り上がりを示していたが、現場の声を聴くと「おだちって誰? パチンコ族議員? そんなの初めて聞いたけど、選挙にはいかない」とかなりの温度差があった。族議員が誕生することで生活がどう変わるかが分かっていなかった。ここに一抹の不安があった。

遊技ビジネス最前線のコラムに大手ホールの従業員の選挙の関心度について書かれたものがある。
以下引用する。

「今回の選挙について私のホールにいる従業員に関心度を確認してみました。が、残念ながら店長以外のほぼ全員が政治や世間の話題に関心がないことがわかりました。正直驚いています。今回の参議院議員選挙でのこの業界の話題を含めて、特に副店長や主任、班長などに私から投げかけたところで全く反応がなかったので、こちらから説明しました。またアルバイトやパートには、普段の政治や生活の関心どころを聴きましたが、全く響いてくれませんでした」

メーカー関係者も現場が盛り上がっていなかったことを次のように指摘する。

「業界を挙げて動いてはいなかった。営業マンから聞いた話では盛り上がっているのはメーカーと販社。現場はもともと選挙に行く層ではない。全国の営業マンはホールへ足を運んでいるので、営業マンを選挙応援に使う。無関心な層に営業マンがお願いする。ホールに頭を下げるきっかけにもなる」

メーカー・販社は新台がないと商売にならない。その状況が長らく続いているので、それを打破するために業界は尾立氏に賭けたが、その緊迫感はホール現場には伝わっていなかった。

敗戦を受けて尾立氏の後援会長でもある全日遊連の阿部理事長は「業界内で危機感の共有ができなかった」と分析している。

メーカーとホールの温度差はこんなところにも表れている。

「パチンコ業界は機械によって復活する業界です。パチンコ・スロットに替わる第三の遊技機(パロットではない)を出せば、遊技人口も一気に増える。そこには許認可が絡むのでどうしても自民党の先生の力が必要になる」(パチンコメーカー関係者)

尾立氏の基礎票を4万票とすれば、今回はパチンコ業界から5万票を集めたことになる。パチンコ業界だけで13万票集めるとすれば後8万票必要になる。相当な数だがそれがホール現場からの集票力にかかっている。

尾立氏が当選していたら、3年後の参院選には業界内から候補者を擁立する空気もあったが、それも白紙になった。しかし、これで政界挑戦を諦めるのではなく、ホールから集票できる組織作りも必要になってくる。

れいわ新撰組やNHKから国民を守る党のように得票率2%で政党要件を満たしたように、ネットの影響力は何かと参考になる。ただパチンコ業界は一般ユーザーをどう巻き込むかが肝になる。



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キャッシュレス化の波に取り残されるな!

6月18日付のエントリーでパチンコ業界のQRコード決済について書いたが、これに関連して、マルハンの韓裕社長がパチンコ業界のキャッシュレス化について7月9日付のSankeiBiz・遊技産業の視点で持論を展開した。

同社はカンボジアで銀行を経営しているが、世界の金融界ではデジタルバンキングが主流になっている。日本の銀行はこの分野でも出遅れているが、パチンコ業界のキャッシュレス化を議論するのも遅いぐらいだ、という。

なぜ、キャッシュレス化か?については次のように述べている。

「世界の潮流や日本の将来を考えたとき、私たちの業界だけが現金のみでの遊技環境が継続していくということは考えにくく、実現に向けてどのような要件と課題があるのかを真剣に議論すべきであり、遅すぎるくらいだとも感じている。仮に、遊技業界においてキャッシュレス化を進めることができれば、運営コストも大幅に抑えることができ、お金の流れも完全に見える化されるため、健全化という視点でも大きく進化する可能性があると考える」

キャッシュレス化の機運は風営法議連からも挙がっている。

議連が4月 25日に国家公安委員長に提出した提言の中には次の一文がある。

「当議員連盟ではギャンブル依存症対策基本計画に挙げられている「ATMの撤去等」が法令に基づき求められるものではないことを確認した。その上で、パチンコ・パチスロ産業が、増加する訪日外国人観光客の受け皿となり得るよう、警察当局はキャッシュレス社会に対応するイノベーション促進を妨げないよう最大限配慮すべき」

これは日本でも急速に進み始めたQRコード決済を指すものである。ホールでのQRコード決済を可能にするためには警察の理解がなければ前に進まない。前例がないから頭ごなしにダメではなく、QRコード決済ができるように前向きに考えろということだろう。

「QRコード決済は依存症対策の側面もある」と指摘するのは業界設備機器メーカー関係者。実はこの関係者はセブンペイの不正使用の被害者の一人だった。

「あの時は身に覚えのない使途の通知がガンガン入ってきました。パチンコで負け始めると一体いくら使ったかが分からなくなる人がいますが、QRコード決済で玉貸しができるようになれば、この通知でいくら使ったが全部把握できる。冷静さを取り戻し、ギャンブル依存症の抑止力になると思いました」

ついでに、出玉はポイントでスマホにチャージできるようにすれば、ホールが提供した景品をホールが買い取るという禁止行為にも抵触しない。破たん寸前の3店方式からもさよならできる。

キャッシュレス化にすれば、おカネの流れはきれいに分かる。健全経営するホール企業が残り、不名誉な脱税業種からもさよならできる。

盤石なセキュリティー対策の下に、キャッシュレス化の波に取り残されてはいけない。



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