2019参議院選挙。業界団体推薦候補の尾立源幸(おだちもとゆき)さんは残念ながら落選しました。
落選と言う結果ですが、選挙の過程で業界の団結を垣間見る事が出来ました。同時に業界の稚拙な一面も感じました。これら両面を教訓にしながら業界の明日を構築したいものです。
構築の為の手段に業界が一定の政治的影響力を保持する事があります。実現出来る、出来ないはさておき、その必要性は厳しい経営環境だからこそますます強まったと思います。
政治的影響力を高めることを明確にした初チャレンジ。しかも、準備期間が短い中でのチャレンジ。反省はしても後悔する必要はありません。
生意気な雑感をここに記しますが、パチンコ業界を思えばこそとご容赦くださると幸いです。
①族議員と言う言葉
おだちさんが「遊技産業の族議員を目指す」と業界向けに公言された様です。
また、業界インフルエンサーの皆様もこぞって「族議員」と言う言葉を使い、「族議員」を輩出する事であたかも「規制が緩和される。かつての活気を取り戻せる」。その様なニュアンスの発信も多く確認出来ました。
しかし「族議員」は癒着などネガティブなイメージが先行しますし、実績が伴って初めて使われる呼称です。その呼称には清濁併せ呑みながら当該団体の利権を守る姿への畏敬の念も含まれます。
ですからベテラン族議員は存在しても、実績の無い族議員【候補】は存在しないと私は思います。ここは組織候補(全日本遊技産業政治連盟推薦候補)との呼称を徹底すべきだったと思います。
②全日本遊技産業政治連盟は、おだち源幸オフィシャルサイト推薦団体に名を連ねていない
2019/07/07の日報記事に記された通り、遊技産業政治連盟が推薦団体であるにもかかわらずオフィシャルには記されませんでした。

当然ながら遊技産業に関する公約も記されません。
これは支援組織がどこなのか、当選したら業界のために何をするのかなど、おだちさんが選挙に臨むにあたり、まずは明らかにしなければならない部分です。
諸般の事情で支援団体名を伏せる事例は過去の他陣営にもありますが、その際、支援団体は水面下での支援を徹底します。
ところが今回は特にネット上で大大的に支援したので、矛盾を抱える事になりました。
また、オフィシャルサイトに遊技産業が記されない事を理由に業界内有権者の中には白けてしまった方も多かったと思います。
この事は当選圏内得票数に繋がらなかった一因でもあると思います。
ネット社会では応援している事を隠して応援する様な事、また口に戸を立てる様な事は困難なので遊技産業の推薦を記さなくても推薦の事実は拡散されます。
つまり記さない事の効果は希薄です。
ですから遊技産業はオフィシャルサイトの推薦団体に名を連ね、おだちさんも遊技産業向けの公約をオフィシャルサイトで触れるべきだったと思います。
このように迷走の感は否めませんでしたがパチンコ業界支援サイトの開設で業界向け公約を明らかにし、好きな機種アンケートを実施された事はおだちさんが初めてです。
大変、好感を持ちました。
③オフィシャルサイトから遊技産業を外した理由と業界の体質
業界イメージが悪い為、おだちさんを推薦するその他の政治連盟の合意が困難なことから、この様にされたと推察します。
おだちさん側から「貴団体の票は欲しいけど、貴産業のイメージが悪いので公式には距離を置くポーズを取りたい」とはとても言えません。
業界側も慮り、建前と実際のギャップを抱えてしまいます。
(このようなギャップを安易に抱える業界体質、よく言えば柔軟。悪く言えばその場しのぎ)
そして、別サイトの開設に繋がったのではないでしょうか。
あくまで推察ですが現在の業界イメージを払拭しない限り同じ現象は起きます。イメージの払拭の為には業界側の更なる努力が必要です。
もしも、いわゆる族議員が育ち、そこに頼めば警察行政に対するコトが通ると業界側が考えているとするならそれは稚拙な考え方です。
先日逆転人生と言うNHK番組を観ました。
地域住民による追放運動を乗り越えて、地元でリスペクトされるようになった産廃業者さんの苦闘を描いており、我が業界も見習うべきではと痛感しました。
まずは私達業界が襟を正して、地域で認められてこそ、おだちさんも選挙を戦いやすく、また、オフィシャルサイトで遊技産業を外す必要もなくなるのです。
「大きな雇用の創出と社会貢献をしながら社会的地位が低いのは勿体ない。業界に対して誤解があるなら解く。誤解ではない至らない点については、業界は全力で改善する。パチンコファンありき。大衆娯楽として面白さを兼ね備えた機種が販売できるよう行政にも働きかける。業界の正しい発展の為に私は活躍したい」と候補者が業界のスポークスマンも兼ねて演説できるようにするためにも私達が日常的に努力すべきなのです。
④引き続き候補者の擁立を!
パチンコ企業と政治家との付き合いの形は様々です。例えば安倍首相がとあるパチンコ企業と先代の故 安倍晋太郎氏から蜜月の関係であるのは安倍首相の地元では有名な話です。
そのパチンコ企業は蜜月だからと安倍首相側に何らかの見返りを求める事はありませんでした。
しかし、今回は異なります。
様々な立場の様々な思惑があったでしょうが、遊技産業が全国レベルで支持し、業界の権益を擁護する立場の候補者が受けとめる。
これはおだちさんが初めてです。
様々な意見があるでしょうが業界はこの出会いを大切にすべきだと思います。
2年先には総選挙、3年先には参議院選挙、4年先には統一地方選挙があります。おだちさんには今のスタンスを維持していただきながら、2年先もしくは3年先に再チャレンジして頂きたいものです。
総選挙に全国区はありませんが、今回の結果で1番得票数が多いブロックでの出馬も模索すべきかと思います。
おだちさんは2期の実績がありますし、選挙戦を戦ったからこそ、遊技産業の長所短所を深く理解されたと思います。
当初、私は党籍を変更したおだちさんに対して猜疑的な目を少なからず持ちましたが選挙戦におけるおだちさんの発言から真摯な姿を感じました。
そして、ロビー活動を継続し、業界プロパー候補や地方議員の擁立も視野に置いて欲しいものです。

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