今後300台クラスの老朽化店舗は、新基準機に入れ替える予算も厳しく、建て替えよりも廃業の道を選択することが予想される。弱小店舗は市場から淘汰され、店舗数の減少は加速するが、これを奇貨と捉えているのが、資本力のあるホール企業だ。
エリア内の中小が淘汰されたところに1000台クラスの大型店を建て、一気にエリアの客を奪う作戦だ。
「大手でも老朽化した500台以下の店舗をスクラップする時期に来ている。関東圏で総台数は400台だけど、駐車場が広いので駐車場を潰せば、1000台クラスのホールが建てられる。そういう物件をホール企業の店舗開発部が狙っていて、日参しています。300~400台クラスのホールがどんどん閉まることで、そこに大きな市場ができる。ピンチをチャンスに換えろと発破を飛ばしているホールもあります」(業界シンクタンク関係者)
ピンチをチャンスと捉えているホール企業は、全面禁煙化は新規客を増やす追い風と捉えている。
「タバコを吸わない成人の方が多いわけですから、タバコの臭いイメージが染みついているホール業界には、またともないチャンスです。クリーンな環境の大型店をぶつければ、新規客も誘導しやすい。ただ、適正台数は1000台でしょう。それ以上になると首都圏でも台数を持て余しているところもあります。安い機械を出すメーカーも出てくるでしょうから、大型店を出店するため、資本力のあるところの陣取り合戦になってくるでしょう」(同)
新規出店のカギを握るのはオーナーの決断力の速さになってくる。
無借金経営でも守りに入ってしまうと、大きな案件が来ても即断即決ができない場合がある。返事を躊躇しているうちに他に持っていかれるということはよくあること。
「あるチェーン店の売却話が地元ということで最初に舞い込んだのですが、全店はとてもいらない。繁盛しているところだけを買いたいと言っていたら、他が全店を買い取ることでその話を持って行ってしまいました。そこの判断は凄かった。その後の出店スピードは驚異的です」(ホール関係者)と舌を巻く。
自分たちで市場を作る力があるところが、大型店のノウハウも持ち合わせている。

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