店内の雰囲気から厨房、ホールともすべて中国人で回していることがすぐに分かった。オーダーを取りに来たのは中年女性。注文したのは豚骨ラーメンの半チャーハンセットだが、日本語があまり通じていない雰囲気だ。
料理を待っている先客は4~5人。中華料理はスピードが命なのですぐに出てくると思ったが、10分経っても、15分経ってもなかなか出てこない。それは先にオーダーしている先客とて同じ状況。餃子の王将ならとっくに食べ終わっている。
30分後やっと出てきたのだが、日本語がたどたどしいおばちゃんは酢豚定食を注文した客のテーブルにラーメンセットを持っていっている。
「うちじゃないよ」
「ラーメンはこっち!」
厨房から飛び交う中国語。中華料理の本場の中国人コックが作っている様子なので、味には期待した。
出てきた豚骨ラーメンのスープを一口すすって、すぐに業務用のスープの素を使っていることが分かるレベルの味だ。
中華料理の腕はチャーハンで分かるとも言われているが、ご飯はベチャベチャ。技量、味ともに素人レベルだった。連れは油淋鶏定食を頼んだが、一味欠けている物足りないものがあった。
レジを済ませて中年ウエイトレスに「いつからオープンしたの?」と聞いても言葉が通じていないようで要領を得ない。もう一人の店の関係者のおばちゃんが「今日からです」と中国語訛りの日本語で助け舟を出した。
料理が出るのが遅かったのは、初日でバタついていたようだが、味がイマイチなのでもう行かない。ランチタイムを過ぎても客足が絶えなかったのは、開店初日で近くの業界関係者らしきサラリーマンが訪れていた模様だ。
話は突然に業界へ。
あるホールがパチンコをやったことのない人を年代別(20~50歳)に分けて男女60人にパチンコを打ってレポートを書いてもらったことがある。
日当は3万円。これを軍資金に最低1万5000円は打つのが条件だった。当たれば日当プラス勝ったカネが入る。
打つ日にちは一番忙しい土日に限定した。
感想で一番多かったのが「煙たい」。
次に隣の人との距離が近すぎる、という意見が多かった。中には隣の客が足を投げ出してやりづらいという意見も。それを参考に台間の広い店づくりの参考にした。
それよりもホールがショックだったのは「客層が怖い」という意見だった。60人中72%が怖いと感じた。怖くないというのは40代以上の年代の人たちだった。
女性に限れば92%が怖いと答えていた。
店側は「どうやったら来てもらえますか?」と聞いた答えがこれだ。
「もう二度と行きたくありません」
料理がまずい店には二度と行かないのと一緒。既存店で新規の女性客を開拓するには客層まで変えなければならない、ということか?

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