パチンコ日報

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いつまでも強気ではいられなくなるメーカー

パチンコの新台販売台数が右肩下がりを続けている。矢野経済研究所によると、2011年が260万台、2012年が249万台、2013年が206万台、2014年が201万台、2015年が188万台だ。そして、検定機と性能が異なる可能性のある遊技機撤去問題に揺れた2016年度は166万台と推計されている。わずか5年で100万台の市場を失ったことになる。

販売台数の低迷に伴い、上場企業の業績もセガサミー、藤商事、ユニバーサルの3社が増収増益だったのに対して、平和、SANKYO、フィールズの3社は減収減益となっている。

これまでメーカーは新台を買ってくれるところだけを相手に、販売台数が減れば、その分、機械代を値上げして帳尻を合わせるつもりだったが、45万円に値上げしてほとんど売れなかったメーカーもある。このケースでは機械性能が伴わなかったために、手痛いしっぺ返しを受けてしまった感はある。

期待されたMAX機のビッグコンテンツも1/320になってからは、客飛びが激しい。そこそこの稼働を誇るホールでも通路になっている。MAX機が撤去されてからパチンコから足を洗った客もいる。

ライトミドル、甘デジに客が移行することでホールの売り上げ、粗利とも落ちる。そうなれば、ホールの購買力はますます低下する。メーカーもいつまでも強気の販売戦略は立てられない。

経済紙の記者が業界を取材する過程で奥村遊機に続くメーカーがバタバタと出てくるものかと予想していたが、「金銭的救済を受けたメーカーもあった」という。

これまで、年々大型化していた液晶のサイズを遊技機価格を落とすためか、液晶を小さくする動きもある。それでも販売に影響がなければ、液晶の大型化にも歯止めがかかるだろう。飛び出すギミックもあまり意味がないことにメーカーも気づいているころだろう。

大一の天下一閃も現代版の一発機として一定の評価を得ている。A-gonのピラミッドもハネモノながら注目されている。これで稼働が取れてヒットすれば、他メーカーも液晶・版権頼りの機械作りから方向転換するかも知れない。

液晶非搭載なら版権代もかからず、開発費も落とすことができる。機械代も25~30万円まで値下げすることで、ホールの購買力も復活するかも知れない。

前出の記者は今後のメーカー動向についてこう見解を述べる。

「ビッグコンテンツをぶつけてもそんなに売れない時代になっています。封入式も値段が高く業界を変える起爆剤にはならないでしょう。嫌韓の空気があるので、コンテンツが和ものにシフトしていますが、業界にもトランプ大統領のような人物なり、機械が出てこないことには萎むばかりでしょう」


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メーカーの機械作り、ホールの営業方法がすでに依存症対策になっている皮肉

IR推進法の可決を受けて、政府はギャンブル依存症対策に本腰を入れることになる。カジノ以外の公営競技やパチンコも含めて包括的に取り組むということはすでに取り上げているが、実は業界自らが知らず知らずのうちに依存症対策に取り組んでいる。

メーカーは期待感を煽ってもう1000円、もう1000円と次ぎ込ませる演出に腐心してきた。例えば、ハンドルを光らせたり、ハンドルを震えさせたり、さらにはハンドルから空気が出たり、と常に飽きられないように工夫してきた。

リーチ演出に至ってはもはやパチンコ依存症から更生させる役目を担っているともいえる。

「ボーダー改悪もありますが、パチンコそのものがつまらないものになっているのも要因でしょうね。ガセ演出で煽りまくって外れの繰り返し。それで1時間1万円は無いでしょう。自分は2カ月くらい打っていませんが、このままパチ卒業できそうです。他にも安価でストレス無く楽しめるものなんて沢山ありますし」(月1パチンカー)

こうして、また一人パチンコから卒業しようとしている。

ガセ演出はホールの売り上げに貢献するために、メーカーもあえてやっているのだろうが、それが結果的に客離れを加速させていることにメーカーは気づいてやっているのだろうか? 最近の機械はガセ演出が多すぎるわけだが、皮肉なことにこれが客離れ=依存症対策につながっているのだから、滑稽である。

最盛期には3000万人いた遊技人口が1000万人に減ったということは、依存症も減っているということにもなる。

メーカーの機械作りに輪をかけて依存症対策に“貢献”しているのがホールであろう。

「グランドオープンはプロやウチコも集客効果として釘を開けていましたが、8月にグランドオープンした店舗は、4円の釘は初日から閉めていてプロ連中も『この店アホか』と諦めるぐらいプロ飛びが凄かった。どこのホールも最後のMAX機商戦で抜いてくるでしょうから、1年後には一般のお客さんのいなくなりますよ」と話すのは16年のプロ生活から足を洗った元プロ。

ホールの利幅がどんどん少なくなっている。それをプロが奪い合っている。ホールの今の利益を計算したらこの先が読めなくなったことがパチプロを引退した理由だった。

「大型版権を多台数を入れるホールは最初から閉めにかかっていますから、われわれにすれば大型版権は不要です。そのツケは1円まで閉めて、年金で楽しんでいるお年寄りまでも飛ばしている」

この状況が続く限り対策を立てなくても、依存症はどんどん減って行く皮肉である。


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新台を買いまくるか、それとも買わないか

低貸し専門店ながら新台をどんどん入れ替える手法がある。一部のホールで行われており、それなりの成果を出しているが、追従するホールは少ない。

「400台規模で年間1000台の入替を行っていますね。年間で2回転以上ですから、桁違いで機械を入替えています」(販社関係者)

なぜ、こんなことが低貸し専門店でできるのかといえば、売却益にからくりがあった。新台導入から2週間で4割を回収。残りの6割は機械の売却益でペイしている。しかも、販社との間で売却額が設定されていて、例えば、2週間後に中古市場では6000円に下がっている機械であったとしても、新台価格の半額ぐらいで買い取ることになっている。

売却価格が中古相場とは関係なく設定されているために、新台をどんどん入れ替えることができるわけだ。

この営業形態では海物語のような息の長い機械はむしろ不要で、どんな新台でもじゃんじゃん買う。新台効果が薄れる2週間が勝負なので、機械性能はどうでもいいということにもなっている。

この営業手法は新台導入が命ともいえる。常に目新しさを追求していくので、新台が出なくなった時が危うくなる。

大型店でこの方式を採用してしまうと、台数を埋める機種がないために、総台数をカバーしきれず、減台を余儀なくされることもある。

一時期流行った三即営業の亜流である。地域でどこよりも早く、ボックス買いで大量導入して、2週間後には半分は転売して、売却益を得る。ポイントは早目に売却して、売却益を稼ぐことだ。

この手法は販社の協力がなければ、成り立たない。あらかじめ中古になっても買い取り価格が決まっているために、機種によっては損することもある。

新台をじゃんじゃん入れ替える営業方法の対極にあるのが、ダメなスロット機は買わないで、その分設定6を入れる、という手法である。これはスロットだから通用する。パチンコはスタートを回したからと言って必ず大当たりはしないが、スロットなら6を入れれば、それなりの動きをしてくれる。

月1回のピーク時に必ず6をたくさん入れる日があることが、浸透していけば、ファンは前夜から長蛇の列を作ることになる。

ここでのポイントは信頼であろう。確実に6が入っている信頼があればこそ、ファンは列をなしてでもそのホールに打ちに来る。


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