地方を選んだのは、より全国平均に近い数値が取れるということに加え、この地域では全国大手の2大巨頭がしのぎを削っていることがポイントになった。
調査員が目の当たりにしたのは、低玉路線を走る大手と等価交換を売りにする大手の明暗だった。
低玉大手が26~27%稼働に対して、等価大手は70%以上の稼働で、その歴然とした差に驚きを隠しきれなかった。
大手以外の地方の稼働率を目の当たりにして、20%の稼働でもホールは潰れないことを確信した。
加えて、等価大手の稼働率を見てテーマパークなどの大型投資ができる体力を肌で感じた。
実はこの調査員はホールのことを調べているのではなく、業界の周辺産業、特にパチンコ業界から利益を上げている部品メーカーの将来性を調査することが目的で、現状のホール動向を調べていたのである。
つまり、業界規模が半分になった時に部品メーカーに対する影響を試算しているのだが、「あまり影響はないどろう」という結論に達しようとしている。
理由はこうだ。
一般業種では仕入れ価格が値上がりしても商品価格に転嫁しにくい。消費者のことを考えて量を減らして現状価格を維持するなどの方法が取られる。
ところがパチンコの場合は、機械代が上がっても釘1本で粗利を確保できる特殊体質がある。このため値上げに対しても柔軟に対応できる、ということだ。
では、どういう状況になったらメーカーが打撃を受けるのか?
「機械の検定期間を車検のように伸ばすことができたらメーカーは影響を受けるのではないでしょうか」
現在、遊技機は検定・認定を使えば最大6年間使えることになっている。この期間を過ぎると使えなくなる。現在その対象になっているのがアイムジャグラーEX。
車の車検はかつては、新車登録から10年が経過すると毎年車検を受けなければならなかったが、今は10年以降も2年に1回に改正された。
この時一番反対したのが、仕事が減る町の車検工場だった。
それまで10年経過する前に車を乗り換えていたが、今は10年経過しても乗り続ける人が増えてきている。
「ホールさんはメーカーのいいなりになりすぎ。セキュリティーが未だに完璧なものができないことがそもそもおかしな話。メーカーは機械を買ってもらうためにわざとセキュリティーが完璧でないものを作っているとしか思えない。セキュリティーを完璧にすると機械代に跳ね返るといわれて怖気づいているのではないか」とメーカー優位の現状を憂慮する。
エコパチになれば、セキュリティーはかなり完成度が高いといわれているが、未だにゴトが頻発するスロットを見ていると本当にそうなのかと思ってしまう。

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