前節でも少し書いたが、ユーザー層をどのように捉えているかで営業の流れは大きく変わる。意外と殆どのホールは理解しているようで、漠然としか捉えていない所が多い。
そんな事やっている時間などない、というホールがあるとしたら日頃何をやるの? と思ってしまう。台を入れ替えて、イベントをやるだけで集客をしようという昔の考え方から脱皮しないと。
まず顧客別に考える時には、曜日別・時間帯別にどのような顧客が訪れているかを把握しなければならない。おそらく多くのホールは漠然と答える事が出来るだろう。
しかしそれを統計的に収拾しデータ化し営業戦略に活かしている所というのは、ほんの一握りだと思う。それすらやらないで「お客さんが増えねぇなぁ」と言っているようでは先が見えない。
普通に他産業が行っている事を真似するだけでも、全く違う結果が出てくるはずなのにやらない。チラシを入れるより遥かに意味があることなのに・・・
遊技機の状況は時代によって変われども、顧客の心理状態というものは昔と大きく変わっていない。学生には学生の、社会人には社会人の、主婦には主婦のホールに求めるものというのは今も同じである。
遊技人口3千万人といわれた時代から今は大きく減少しているのだが、ではどの客層が減っているのか? 間違いなくサラリーマンが一番減っている。平日一日の遊技客数でピークが昼間というホールが多いのがそれを物語っている。
ではサラリーマンを対象に何か対策を打っているのか? 否。そんなホールは殆ど見受けられない。漠然とした入替やイベントしか見られないのが悲しい。
サラリーマンが時間のある土・日に毎週釘が絞まっているのであれば、平日の夜に立ち寄ろうなどと間違っても思わない。そんな細かな心理状態を理解し把握して営業戦略を組む事すら拒絶するのであれば、淘汰されても致し方ない。
曜日別・時間帯別を調べると共に、次には男女別・客層別に統計を取る必要がある。
そうする事により膨大な資料が出来上がり、数多くの戦略が考え付く事だろう。
まず学生。専門学校生・大学生が対象になるが、一番昼夜問わず来店を期待できる層であり、そして一番イベントに敏感な層でもある為、数店舗を回遊し続ける浮遊客でもある。
ただ、今の時代この層を取り込めれば計り知れない口コミ力があるので、大きな集客増に繋がる可能性が高い。しかし逆に『ガセ・イベント』などが一度でも浸透してしまうと大きなマイナス要因にも成り得る。
そして注意点もある。信頼できるイベントを行ない続けたとしても、そこに学生ばかりが占領するという状況は避けなければならない。これは学生だけに限らず、開店プロなどにも同様の対処をしなければならない。
次にサラリーマン。この層は時間的な制約がある為、平日は夕刻以降 短時間の遊技を迫られ、土・日も家族サービスに時間を費やす事もあるだろう。
しかし、好きな人は非常に多い層であるのも事実だ。時折行く居酒屋やスナックなどで、サラリーマン風の人達が、パチンコ談義をしている光景に驚くほど遭遇する。
その人達の多くはパチンコやパチスロ雑誌などを読み耽っており、本当によく機械の事を知っている。しかし横で聞いていて、事実もあればオカルトのような会話をしている事もある。
前述したけど、この層は平日の夜に欲しいのだが、取り込むチャンスは土・日・祝にある。
次に主婦層。メインの来店時間は昼前から夕方までの短い時間帯だ。この層こそ口コミの力が偉大であり、学生のように浮遊客でなく来る・来ないがハッキリしている。
ホール全体の清潔感も当然だが、従業員の接客態度などソフトの部分に対しても とても敏感であるように思う。出る・出ないよりも、さりげないサービスなどへの反応が一番敏感な層だと受け止めている。
最後に超常連軍団である年配者。年金を貰って細々と、という人もいれば、よくそんなにお金が続くなぁという人まで含めて絶対に抱えなくてはならない逃がしてはならない顧客層である。
来店時間帯は朝一から夕方まで。稀に閉店頃まで遊技している人も見受けられるが・・・
この層に大切なのは、遊べるという条件が整っていることが大事である。それは機主構成であり、従業者とのふれあいであり、遊技の時疲れない事。
一般電役などの複雑な遊戯性などに丁寧な説明をしてあげる必要がある。知らずに打っていて大当たりを引いたにも関わらず、出玉を大きく損してしまう光景を何度見た事か・・・
自分が隣に座っていれば説明するけど、逆になんで自分が言わなくてはならないのだと、思う事だってある。そうなると双方にとってマイナスイメージしか残らない。
ホールにとって恐いのは、こういった無言のマイナスイメージなのだ。クレームがないのが一番望ましいのだが、よく色々と従業員などにグチグチと苦情を言う人がいる。
これらはまだ良い方なのだ。再来店の可能性は非常に高い。しかし物言わずクレームを抱えたまま帰ってしまうと、次への来店動機が大きく損なわれていく。
これらを一つ一つ掘り起こし 問題提起をして対策を施すといった地道な作業が、日常業務として行われてこそ、ホール営業としての基本姿勢だと思う。

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