30過ぎでこのホール企業を辞めて、他店へ行った店長からは、嘆き節しか聞こえてこない。そもそも無借金経営であることが珍しい中、どこも大借金の中でホールを運営している。転職した店長のホールも例外ではなかった。
機械の支払手形に追われる日々で、粗利を確保するためには釘を閉めるしかない。転職した店長にすれば、自分なりの理想とするホール運営があったが、ホールの台所事情がそんな理想論を許す余裕などあるわけがなかった。
客がいない中で利益を上げればどうなるか?
結果は目に見えている。
ましてや転職したホールは全国の流れが示すように1パチで何とか稼働を保っているものの、建物は30年選手で老朽化も激しい。
1パチの利益では、建物の建て替えなどできるはずもない。
将来性のないホール企業に転職して後悔することしきり。
ホールの借金額は、店長はおろかエリア長クラスでもどれぐらいあるのか把握している人は意外に少ない。
だから、会社のいうなりに働くしかない。
無借金経営のホールにすれば、いつでも出店できるだけの内部留保はあるが、出店は今ではない。中小、零細の体力が消耗して自滅するのを待つだけでいい。
この無借金経営のホール企業は、消費税10%時代のシミュレーションをすでに行っている。
遊技客の減少は、サラリーマン客が消え、夜のピークがなくなったことで、実感としているが、業界人である自分たちが打たなくなったパチンコを他人に打てというのがおかしな話である。
そんな状況下でもホールの減り方は緩やかだ。2割稼働でもやっていけるからだろうが、それもできなくなるのが、消費税10%時代だろう。
客が減り、売り上げも減る中での消費税10%は、パチンコ業界の分岐点となることは間違いない。
消費税10%時代を乗り切るにはパチンコ営業の原点に戻るしかない。低価交換にシフトして、換金差益で消費税を補完する方法ならユニットなどの新たな設備投資も不要だ。
これは、どのホールも考えていることだろうが、無借金経営の強みは、それをいつするか、ということだ。
低価交換に業界がシフトするタイミングを外して、この時に交換率をよくして、客の囲い込みを虎視眈々と狙っている。
皮肉なことに消費税UPがパチンコの大衆娯楽回帰を後押しすることになりそうだ。

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