パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ハラスメント対策の「やりすぎ」が生む職場の不協和音

あるホール企業が、女性社員が快適に働ける環境づくりの一環として、月1回の「女性会議」を開くようになった。狙いは、日常業務の中で感じる小さな不満や改善点を共有し、誰もが働きやすい職場を作ることだった。

しかし、ふたを開けてみると、そこで飛び出した意見は想像以上に細かい内容だった。

例えば「鼻をかむ」「鼻をかんだティッシュをゴミ箱に捨てる」「鼻にティッシュを詰める」「大きな咳」「大きなくしゃみ」「爪を切る」「おなら」「ゲップ」「加齢臭」「ふけ」──。要は、男性社員が人前で平然とやっている行動の多くが、女性社員にとっては強い不快感を与えていたというわけだ。

とくに中年男性社員に対する指摘が目立ち、日頃の無意識な振る舞いが「ハラスメント」として浮上した形だ。

さらに提言は服装面にも及んだ。「Yシャツの第二ボタンは開けない」「首元からTシャツが見えるのが不快」といった要望もあり、男性社員からは「そこまで言うのか」と困惑の声も上がった。

盗撮防止対策として女子更衣室などには壁掛け時計や花瓶なども含め一切のものを置かない。

しかし、経営陣はこれを単なる苦情とは捉えなかった。社長は「こうした気配りができるようになれば、接客にも必ず良い影響が出る」として、要望を正式にルール化した。

11月からは、朝礼でアルコールチェックを行い、身だしなみ確認で“ふけ”の有無までチェックする体制を導入した。違反1回目は厳重注意、2回目からは査定対象になるというから、もはや社内マナーを超えた半ば懲罰的な制度だ。

もちろん、働く上での快適さを守るのは重要だ。特に接客業であるホール業界では、清潔感や印象は顧客満足度にも直結する。だが、その一方で、社員同士の信頼関係を崩しかねない過剰な統制のリスクも見え隠れする。

現場からは「息が詰まる」「ちょっとした仕草まで監視されているようだ」といった声も漏れる。ルールを盾に揚げ足取りのような社内風土が広がれば、本来の目的である「快適な職場づくり」は逆効果となる。

ハラスメント防止は「人の尊厳を守ること」であって、「人間らしさを排除すること」ではない。誰もが安心して働ける環境とは、行動を厳しく制限することではなく、互いの違いを理解し、尊重し合うことから生まれる。

さて、このホールが目指した理想の職場は、果たして本当に実現するのか。それとも、ハラスメント対策の名の下に、息苦しい監視社会を作り出してしまうのか──。とりあえず1年間実施されるようだがどんな結果が出るのやら。



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初詣で聞いた現場の悩み。泥酔客トラブルと“妥当な損害賠償額”の現実

初詣に出掛けた神社で、ある業界関係者が思わぬ光景に出くわした。境内の一角で、顔見知りの遊技機メーカーの営業マンが、険しい表情で電話をしていたのだ。新年の挨拶でもしているのかと思いきや、どうも様子が違う。背後から近づくと、電話の向こうはホール関係者らしく、ただならぬ空気が漂っていた。

電話が終わったところを見計らって声を掛けると、営業マンは苦笑いを浮かべながら事情を明かしてくれた。相手はホールの店長で、新年早々、店内で起きたトラブルへの対応を相談されていたという。その内容は、「損害賠償として、いくらぐらい請求するのが妥当なのか」という、実に生々しいものだった。

トラブルはこうだ。元旦の夜、泥酔した男性客が来店した。常連でもなく、明らかに酒に飲まれている状態だったが、そのままパチンコを打ち始めたという。ところが、しばらくして事態は一変する。突然、男性客がパチンコ台に向かって嘔吐してしまったのだ。上皿からハンドル周り、床に至るまで、惨状は目を覆うばかりだった。

店側はすぐに警察へ連絡したが、繁忙時間帯だったのか、なかなか駆け付けてもらえなかった。事情を説明すると、「器物損壊罪に該当する可能性がある」と告げられたという。

そこで問題になったのが、損害賠償額だ。器物損壊といっても、台が物理的に破壊されたわけではない。清掃すれば再使用は可能だが、営業停止や徹底した消毒が必要になる。

では、いくら請求するのが現実的なのか。台そのものの価格は新台で50万円以上だが、今回のケースで全額請求するのは明らかに過剰だろう。一方で、「清掃費だけ」で済ませるのも、現場の苦労を考えると納得しがたい。店長はその判断に頭を悩ませ、メーカーとしての見解を求められていたのだ。

結論として伝えたのは、極めて現実的な線だった。機械を破壊したわけではなく、修理交換も不要であれば、請求できるのは実費ベースが妥当だろう。具体的には、専門的な清掃や消毒にかかる手間賃、スタッフの対応時間、場合によっては一時的な稼働停止による損失を含めても、2~3万円程度が落としどころではないか、という判断だ。

新年早々、神社の境内で聞いたこの話は、ホール営業の現実を象徴している。トラブルは予期せぬ形で起こり、法的には黒でも、金額の算定は常にグレーだ。損害賠償とは、感情ではなく「妥当性」が問われる。その難しさを改めて感じさせられる出来事だった。



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三兄弟、長男はパチンコ業界へ。それぞれの終盤戦

人生の終盤に差し掛かった三兄弟の物語である。

長男は高校生の頃からパチンコに夢中だった。当時は未成年でも遊技できるような牧歌的な時代で、放課後は制服を着替えてホールへ直行した。その「好き」が高じ、卒業後は迷わずホール企業に就職した。

持ち前の明るさと客あしらいのうまさから店長にまで昇進したが、宵越しの金は持たない主義で、稼いだ分はその日のうちに散財。結婚もせず、貯金もほとんどしなかった。結局、長年勤めたホールはコロナ禍で廃業し、現在は警備員として夜勤をこなしながら生計を立てている。

次男は中学生の時から兄のバイクに憧れ、無免許で乗り回しては叱られるやんちゃ坊主だった。高校生になると「将来は白バイに乗る」と言い張り、親に頼み込んで中型免許を取得した。

夢を言葉だけで終わらせず、高校卒業後は地方県警に採用され、念願の白バイ隊に配属された。腕を磨き続けて教官にまでなったが、子どもの誕生を機に退官。今は地元の自動車学校で二輪の指導を続け、相変わらずバイクと共に生きている。

三男は兄二人が外に出てしまったため、自然な流れで実家の農家を継ぐことになった。広大な農地を抱える地主で、農業経営としてもそれなりの規模を誇る。土地に縛られながらも、土と共に歩む日々を送っている。

そんな三兄弟が久々に顔をそろえたのは、父親の通夜の席だった。思い出話に花が咲く一方で、誰が一番幸せだったのかという冗談めいた議論や、避けて通れない財産分与の話も出た。

父親からは三男に対し「相続に備えて貯えをしておけ」と言い聞かされていたが、実家の土地家屋に加え、農地だけでも1000万円以上の価値がある。

その場で、次男は「俺の分は要らない。兄貴に回してやってくれ」と言った。警備員として細々と働く長男を気遣ってのことだった。

しかし、長男は思いもよらぬ一言を返した。

「いや、俺もいらない。実は今度、結婚することになったんだ」

通夜の席が一瞬ざわめいた。相手は警備会社の同僚に誘われて訪れたスナックで出会った女性。30歳も年下の日系ブラジル人である。

彼女の実家は広大な農場を営んでおり、結婚後はそこで働くことになった。両親が年の離れた結婚をあっさり認めたのには理由があった。娘の容姿ゆえに縁談がなかなかまとまらず、むしろ「結婚できる相手が見つかった」と喜んだほどだったのだ。今では「早く孫を」と急かされる日々を送っている。

こうして三兄弟は、それぞれまったく異なる道を歩んでいる。

長男は遅咲きの結婚で新たな人生を切り拓こうとしている。

次男は少年の頃からの夢を貫き、今も愛するバイクと共にある。しかも、長女は警察キャリアと結婚している。

三男は先祖から受け継いだ農地を守り続けている。この間1億2000万円を貯め込んだ。

では、誰が一番幸せなのか。財産を得た者か、夢を叶えた者か、それとも伴侶を得た者か。結局のところ、答えは一つに定まらない。幸せとは他人が量るものではなく、本人が「これでよい」と思えるかどうかに尽きるからだ。

ただ、長男のケースでは個人の人生が業界や社会の浮沈に大きく左右されるという現実も垣間見ることができる。


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コダックモーメントは変化を恐れるパチンコ業界への警鐘だ

コダックモーメントという言葉をはじめて聞いた。

これは、かつて世界最大の写真フィルムメーカーとして君臨したコダック社が、1999年に過去最高益を記録したにもかかわらず、そのわずか10年後の2009年には経営破綻寸前まで追い込まれた。デジタル化の波に飲み込まれた一連の流れをコダックモーメントと呼び、ビジネス界における変革の遅れや判断ミスの象徴として語られている。

この物語が「変化を拒んだ老舗企業の末路」として語られる際、多くの人が見落としている事実がある。それは、1975年に世界で初めてデジタルカメラを商品化したのが、他ならぬコダック社自身であったということだ。

決して変化を恐れていたわけではない。むしろ技術の先駆者だった。しかし、デジタル化が進めば、主力であるフィルム事業に大きな影響を及ぼす。莫大な利益を捨てることができず、デジタル化の道を拒んだ。その結果、過去の成功体験に縛られ、自社の強みを活かしきれないまま時代の波に飲み込まれた。

一方、当時フィルムシェア世界2位だった富士フイルムは、主力事業の衰退を早くから見越し、医療や化粧品、電子材料などへの大転換を果たした。今やフィルムメーカーのイメージは薄れ、多角的な先端企業として世界で存在感を放っている。コダック社との違いは、技術力ではなく「過去との決別」への覚悟だった。

この教訓は、今まさに変革を迫られているパチンコ業界にもそのまま当てはまる。

ホールもメーカーも、既存顧客への依存度が極端に高く、新しい層へのアプローチは一部の試みを除いて依然として限定的だ。スマパチ・スマスロなど次世代遊技機を打ち出してはいるが、業界全体の枠組みは「従来のパチンコファンがどう反応するか」に終始しており、それはコダック社が「フィルム販売を守るためにデジタルを抑制した」構造と酷似している。

また、少子高齢化といった外的要因が、業界の構造を揺るがす中でも、「一発逆転の神台」の登場で集客を図ろうとする傾向は根強く、業界はフィルム依存から抜け出せないコダック社の姿とダブる。

一方、遊技の枠にとらわれず、アミューズメントや観光、飲食、福祉といった異業種との融合を模索する動きはまだ一部にとどまる。富士フイルムが写真業界を飛び越えて新たな顧客価値を創出したように、パチンコ業界も「遊技機を並べて遊ばせるだけ」のビジネスモデルから脱却する勇気が求められている。

業界全体が変化を拒むのではなく、変化を現場レベルで止めてしまう構造がコダック社と同じく最大のリスクであることを忘れてはならない。

必要なのは、先進的なアイデアではなく、それを実行し、過去の利益構造と決別する覚悟なのだ。

過去の栄光を捨てられずに滅びたコダック社の轍を、パチンコ業界は踏んではならない。コダックモーメントは他人事ではない。業界が今向き合うべき最重要テーマだ。



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端玉景品のハッピーターンと家スロット

亀田製菓のロングセラー菓子「ハッピーターン」。スーパーなどで売られている大袋タイプとは別に、業務用として個別包装の商品も存在する。

実はこの業務用ハッピーターン、ホールの端玉景品に採用されているケースがある。日用品や洗剤に混じってお菓子が並ぶ光景は珍しくないが、その中でも個包装ハッピーターンは一部の常連にとって特別な存在となっている。


ある日のこと。カウンターで景品交換をしていた常連のおばあちゃんが、なんとハッピーターンを100個も抱えて帰っていった。

スタッフが思わず「大袋のほうがお得では?」と口を滑らせてしまったほどだ。しかし、おばあちゃんにとって大袋では意味がない。スーパーでは手に入らない業務用の個別包装こそが重要だったのだ。

理由は孫との時間にあった。おばあちゃんの家の居間には、趣味で購入したジャグラーが鎮座している。おばあちゃんは根っからのスロット好きで、今やその趣味を孫との遊びへと昇華させていた。

近所に住む孫にジャグラーを打たせ、ボーナスを引けば報酬としてハッピーターンを渡すようにしている。ビッグを揃えたら大袋を一袋、レギュラーなら個別包装を10個、子役なら1個、というように。

こうしてハッピーターンは、一種の疑似通貨として家庭内で流通するようになった。

孫にとってはゲーム性が増し、おばあちゃんにとってはホールで交換した端玉景品が孫との絆を深めるアイテムに変わる、という次第でもある。

ハッピーターンとスロットが融合した独自の“家庭内エンタメ”が成立したのだ。

やがて孫は友達を連れてくるようになり、多いときには6人もの小学生が居間に集まってジャグラーに興じている。

ペカれば歓声が上がり、子どもたちはホールさながらの熱気を味わっている。おばあちゃんは無邪気な子供たちの笑顔を見守りながら、自らの趣味が次世代への娯楽として受け継がれていくことに満足げだった。

この光景は一見微笑ましい一方で、業界関係者から見れば複雑な気持ちになるかもしれない。ホールが必死に集客を模索しても、ギャンブルを嫌う大多数の若年層の取り込みは厳しい。しかし皮肉なことに、家庭用に持ち込まれたジャグラーと端玉のハッピーターンが、未来の“スロット予備軍”を育てているのである。

もちろん、未成年にスロットを触らせることは推奨されるべきではないが、ゲーセンには設置されている。

でも、このケースは娯楽が単なるギャンブルの枠を超え、コミュニケーションの道具に変化する瞬間を示しているとも言える。

パチンコ・スロットが本来持っていた「遊技性」や「共感を生む力」を、業界自身が忘れかけているのではないか。

ひとりの常連客とハッピーターンが示したのは、遊技そのものよりも人と人をつなぐ仕掛けの大切さだ。ハッピーターンの粉が指先に残るように、この小さなエピソードもまた、業界の未来を考えるうえで指先を舐めたくなる余韻を残している。



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