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早すぎた制止でiPhone窃盗未遂が“被害者逆転”になった日

年末の慌ただしい時期、都内のあるホールで窃盗未遂と思われる出来事が起きた。ところが、この一件は想定外の方向へ展開していった。

店内をリュックサックを背負った客が歩いていた。リュックの横ポケットにはiPhoneが差し込まれており、外から見てもそれと分かる状態だった。そのiPhoneに、通路をすれ違った男が手を伸ばした瞬間を、偶然ホールスタッフが目撃した。

「今、盗ろうとした」

スタッフはそう判断し、反射的に男の二の腕を掴んだ。現行犯を押さえたという自信があった。ところが男は即座に声を荒らげる。

「何するんだ、痛いじゃないか」

スタッフは、iPhoneをすろうとした瞬間を見たと説明したが、男は真っ向から反論した。

「ポケットから落ちそうだったから、親切心で中に押し込んであげようとしただけだ」

スタッフの記憶では、確実にiPhoneはすでにポケットの奥にきちんと収まっており、落下の危険はなかった。

しかし、それを客観的に証明できる映像や写真は残っていなかった。iPhoneを“抜き取った”決定的瞬間も確認できていない。

結局、その場では警察を呼ぶ決断もできず、男は解放された。

数日後、事態はさらにややこしくなる。窃盗の疑いをかけられた男が、今度は「被害者」としてホールに現れたのだ。腕を掴まれた際に筋肉を痛めたとして、全治一週間の診断書を持参し、慰謝料を請求してきた。

ホール側は窃盗未遂の可能性を主張したが、物的証拠がない以上、立場は不利だった。最終的には示談という形で決着し、支払われた示談金は3万円。大事には至らなかったものの、後味の悪さは残った。

この一件でホールが学んだ教訓は明確だ。

「怪しい」だけでは手を出してはいけない。iPhoneに手を掛けた段階ではなく、完全に抜き取った瞬間を確認してから制止する必要があるということだ。

タイミングが早すぎれば、今回のように“善意”という言い訳を与え、逆にホール側が責められる立場に回る。

現場での瞬間的な判断は難しい。しかし、正義感だけで動いた結果、法的リスクを背負うこともある。示談金3万円は、痛みを伴うが決して高くはない。「安い授業料」と割り切るしかない出来事だった。


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