着実に目標へ近づいている一方で、京都をはじめとする人気観光地ではオーバーツーリズムと呼ばれる観光公害が深刻化し、地元住民の生活や自然環境への影響が新たな課題として浮上している。
それでも、この勢いが続き目標を達成した暁には、観光庁が「観光省」へ格上げされる可能性が高い。
行政機関において「省」と「庁」の違いは小さくない。省は国の中心的な行政機関で、大臣が長を務め内閣に直結する。
一方の庁は省の外局に置かれ、その長は長官であり大臣ではない。つまり庁は省に比べて権限も位置付けも低い。
インバウンド6000万人という巨大市場を背景に、観光行政が国家の基幹分野に格上げされるのは自然な流れだろう。
観光が国家戦略となれば、そこには必然的に利権が生まれる。すでにIRカジノは国内で最大3カ所と法律で定められているが、今後は単独カジノの解禁が検討される可能性もある。そこには巨額のカジノ利権が絡むのは想像に難くない。
観光立国とは、観光産業そのものの成長だけでなく、関連する新たなビジネスや税収の拡大を意味している。
この流れの中で注目されるのが、外国人にとって身近な娯楽となり得るパチンコだ。現在はグレーゾーンの中で「3店方式」による換金が行われているが、もし観光立国の一環としてパチンコが正式にギャンブルとして認められ、換金が合法化されればどうなるだろうか。
元新聞記者でフリーランスで取材活動を続けるA氏はこう読む。
「合法化されれば、当然そこに税金がかかってくる。勝った外国人観光客や日本人からもきっちり税を徴収できる。その結果、パチンコにも新たな利権が生まれるのは間違いない」
パチンコ業界にとっても、それは大きな転換点になる。長年「脱法的」と見なされてきた業界が、堂々と胸を張って合法産業として位置付けられる。働く人々の社会的評価も上がり、若者が将来性ある業界として就職先に選ぶ流れも出てくるだろう。
観光立国6000万人構想は単なる数字の達成目標ではない。その先には、観光行政の格上げとともに新たな利権の誕生が控えている。カジノに加え、パチンコが観光資源として再評価される時、日本の娯楽産業は新しい飛躍の時を迎えるのかもしれない。
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