内容はシンプルで、「ちいかわのすき焼き鍋膳」(1580円)を注文すると、ちいかわの食券ホルダーが1個おまけで付いてくるというものだ。
正直に言えば、メニューを見た瞬間「高い」と感じた。
牛丼チェーンのランチとしては、1580円は明らかに強気の価格設定である。ところが、業界人が訪れた時間帯には、すでに限定数は完売していた。
食事そのものではなく、“おまけ”が売り切れを生んだ。この事実に、改めてちいかわ人気の凄まじさを思い知らされた。
これは、キャラクター人気にあやかった典型的なビジネスモデルだ。
ちいかわコラボといえば、記憶に新しいのが昨年5月のマクドナルド・ハッピーセットだ。マクドナルドクルー姿のちいかわたちが描かれた文具や実用アイテム全8種類は記録的な人気を博し、早期販売終了となった。その一方で、転売目的の大量購入により、手付かずのハンバーガーが廃棄されるという社会問題も引き起こした。
松屋は、その反省を踏まえたのだろう。
価格を高めに設定し、1人1食限定とすることで、転売目的の購入を抑制しようとした。しかし、現実は甘くない。1人で複数店舗を回れば制限は意味をなさず、実際、フリマアプリには食券ホルダーが並んでいる。
つまり、転売対策は「完全防止」ではなく、「抑制」に過ぎない。
それでも企業がコラボをやめないのは、圧倒的な集客力があるからだ。
日報では、新規客開拓策として「ちいかわパチンコ」を提案してきたが、遊技機開発には時間もコストもかかる。
それよりも現実的なのは、飲食業界にならい、パチンコ店専用のちいかわ景品を企画することだろう。「パチンコを打っているちいかわ」というテーマだけで、十分なオリジナル性が生まれる。
具体的には、パチンコ業界ならではの文脈を生かした景品設計が考えられる。例えば、「ちいかわがパチンコ台の前で一喜一憂している」デザインのアクリルスタンドや、「大当たり!」の文字と一緒に歓喜するちいかわのキーホルダーは、それだけでコレクション性が生まれる。
さらに、玉箱を抱えるハチワレ、ドル箱の上で眠るうさぎといったデザインは、他業界では成立しないパチンコ専用の世界観だ。
転売を完全に防ぐことはできない。
ならば発想を変え、これまでパチンコに関心のなかった層に、まずホールの入口まで来てもらう。その“きっかけ”をつくることこそが、今、業界に求められている大命題ではないだろうか。
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