パチンコ日報

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三兄弟、長男はパチンコ業界へ。それぞれの終盤戦

人生の終盤に差し掛かった三兄弟の物語である。

長男は高校生の頃からパチンコに夢中だった。当時は未成年でも遊技できるような牧歌的な時代で、放課後は制服を着替えてホールへ直行した。その「好き」が高じ、卒業後は迷わずホール企業に就職した。

持ち前の明るさと客あしらいのうまさから店長にまで昇進したが、宵越しの金は持たない主義で、稼いだ分はその日のうちに散財。結婚もせず、貯金もほとんどしなかった。結局、長年勤めたホールはコロナ禍で廃業し、現在は警備員として夜勤をこなしながら生計を立てている。

次男は中学生の時から兄のバイクに憧れ、無免許で乗り回しては叱られるやんちゃ坊主だった。高校生になると「将来は白バイに乗る」と言い張り、親に頼み込んで中型免許を取得した。

夢を言葉だけで終わらせず、高校卒業後は地方県警に採用され、念願の白バイ隊に配属された。腕を磨き続けて教官にまでなったが、子どもの誕生を機に退官。今は地元の自動車学校で二輪の指導を続け、相変わらずバイクと共に生きている。

三男は兄二人が外に出てしまったため、自然な流れで実家の農家を継ぐことになった。広大な農地を抱える地主で、農業経営としてもそれなりの規模を誇る。土地に縛られながらも、土と共に歩む日々を送っている。

そんな三兄弟が久々に顔をそろえたのは、父親の通夜の席だった。思い出話に花が咲く一方で、誰が一番幸せだったのかという冗談めいた議論や、避けて通れない財産分与の話も出た。

父親からは三男に対し「相続に備えて貯えをしておけ」と言い聞かされていたが、実家の土地家屋に加え、農地だけでも1000万円以上の価値がある。

その場で、次男は「俺の分は要らない。兄貴に回してやってくれ」と言った。警備員として細々と働く長男を気遣ってのことだった。

しかし、長男は思いもよらぬ一言を返した。

「いや、俺もいらない。実は今度、結婚することになったんだ」

通夜の席が一瞬ざわめいた。相手は警備会社の同僚に誘われて訪れたスナックで出会った女性。30歳も年下の日系ブラジル人である。

彼女の実家は広大な農場を営んでおり、結婚後はそこで働くことになった。両親が年の離れた結婚をあっさり認めたのには理由があった。娘の容姿ゆえに縁談がなかなかまとまらず、むしろ「結婚できる相手が見つかった」と喜んだほどだったのだ。今では「早く孫を」と急かされる日々を送っている。

こうして三兄弟は、それぞれまったく異なる道を歩んでいる。

長男は遅咲きの結婚で新たな人生を切り拓こうとしている。

次男は少年の頃からの夢を貫き、今も愛するバイクと共にある。しかも、長女は警察キャリアと結婚している。

三男は先祖から受け継いだ農地を守り続けている。この間1億2000万円を貯め込んだ。

では、誰が一番幸せなのか。財産を得た者か、夢を叶えた者か、それとも伴侶を得た者か。結局のところ、答えは一つに定まらない。幸せとは他人が量るものではなく、本人が「これでよい」と思えるかどうかに尽きるからだ。

ただ、長男のケースでは個人の人生が業界や社会の浮沈に大きく左右されるという現実も垣間見ることができる。


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