設問に対して20代がどう考え、どう答えるかを分析することで今後の消費動向を探ることが狙いでもある。
例えば、設問にあった「ウィンドーショッピング」とか「銀ブラ」という言葉は、筆者世代ならもちろん知っている。お店に飾られた商品を見て楽しみ、買った気分でショッピングモールなどをブラブラ歩く。眺めるだけで実際は買わない。その派生語に銀ブラがある。
この「ウィンドーショッピング」が20代では死語になりつつある。この世代ではショッピングと言えば、ネットショッピングだ。スマホでポチッと簡単に商品を買う。外をブラブラ歩いて見るだけから、買うという消費行動へと変化している。
設問の中には「レジャーと聞いて思い浮かぶものを挙げよ」という項目があった。
東京で調査したこともあってか、ダントツの1位は、東京ディズニーランドだった。SNS時代を反映して、インスタ映え写真を撮りに行く、そのための食べ歩きなどもあった。コロナ禍でキャンプやサイクリング、という答えも目立った。
で、ここからが本題だ。
レジャーから連想して「パチンコ」を挙げたのは2.7%、スロットは5.5%だった。このパーセンテージが何を意味するかというと、業界の危機的状況を表している。今の20代は時間とおカネに余裕ができる60代になっても、パチンコをすることはない。若い時に経験していないのだから年取ってから始めることはない。
今、コロナ禍でブームが再燃しているのがバイクだ。タマ不足で中古車が新車並みの価格に高騰している。ブームを下支えしているのが、若い頃バイクに乗っていた50~60代のリターンライダーだ。このように、若い頃の経験がなければ中年になってパチンコを始めることもないだろう。
で、もう少し、きつい言い方をすれば、2.7%はパチンコが消滅する数字でもあるということだ。
ケータイのカメラでは物足らず、10年以上前に一眼レフカメラを持ち歩くカメラ女子が話題になったことがある。ところが、写真の世界をけん引してきた一眼レフカメラもニコンが撤退を発表したように、今後はミラーレス一眼へシフトして行く。
スマホカメラの性能がどんどん上がって、一眼レフカメラで撮ったような写真に仕上がるだけではない。スマホの写真アプリの編集機能で、写真の加工も簡単に行え、撮ったその場でSNSに写真をアップできる。重たい一眼レフカメラを持ち歩き、家に帰って画像をパソコンに取り込む面倒さもない。
筆者も取材時には一眼レフカメラを使っていたが、最近は印刷にも十分耐えられるのでiPhoneで済ませるようになった。
一眼レフカメラとパチンコは、今後は極一部のマニア向けになってしまうことが危惧されている。
パチンコに興味がない20代がテレビでパチンコのCMを見ても何ら響くものもなく、消費動向にはつながらない。
興味のない20代にどうやってパチンコに振り向かせるのか? シンクタンクの関係者はこうアドバイスする。
「スマホにパチンコの広告をバンバン出すように仕掛ける。頭の中にインプットしてもらうために、敢えてパチンコを表示させる」
え? 検索連動型時代を無視してそんなこと? 興味のないものが強制的に出てきたら余計反発を買いそうだ。ちょっと肩透かしだ。
コロナ禍で大打撃を受けたのが飲食業界である。それ以前からファミレスでダべる習慣も消えゆく中で、ファミレスは24時間営業を取り止めていた。
こうした難局を飲食業界は業態変更という手法で乗り切っている。例えば洋食から中華、居酒屋から焼肉屋というようにニーズの変化に対応してきた。
パチンコホールはこの業態変更で、パチンコをスロ専に変えるという程度のことはやってきた。飲食業界のメニュー変更は、新台入れ替えに相当するが、手詰まり感がある。
すかいらーくグループは、グループの代名詞であるすかいらーくをガストに業態転換して今やすかいらーくというファミレスは存在しない。
パチンコ業界も慣れ親しんだ屋号を捨て心機一転を図るなり、イメージが悪いパチンコという呼び名そのものを変える必要もある。
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