パチンコの遊技人口が最盛期の3000万人から3分の1に減ったことを受け、テレビの制作会社が「パチンコ業界を反面教師」にした研修を行ったことがある。
テレビもネットメディアの出現により、パチンコ業界同様に斜陽産業の仲間入りをしようとしていた。ネットメディアが登場する以前は、テレビメディアは花形産業であり、憧れの就職先だった。
特に1981年、「楽しくなければテレビじゃない」をスローガンに打ち出したフジテレビなどは、驕り高ぶっていた、と言っても過言ではなかった。その局の凋落が一番激しい。
YouTubeが出始めた頃のテレビ局は「素人が作った映像なんか誰が見る!」とバカにしていた。その慢心がテレビ局の凋落に拍車をかけることになったのは周知の通りだ。テレビ局の一番大きい財源である広告収入は、2019年にネットに抜かれ、2021年にはネット広告は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマスコミ4媒体をも上回ってしまった。国民のテレビ離れが広告費に反映している。
テレビは家で観るものだった。今は外で、スマホでAmazonPrimeやネットフリックスを視聴する時代に替わった。そこでテレビ局はスマホやパソコンで視聴できる見逃し配信で、ネット時代に食らいつこうとしている。
で、パチンコ業界が反面教師として、どう扱われたか?
「テレビ業界はネットに食らいつこうと努力しているから今日があるが、そういう努力を一切していないのがパチンコ業界。娯楽産業の雄だったパチンコが、レジャーの多様化で一人負けになっている。パチンコ業界を復活させるにはどうしたらいいか? それによって視聴率が落ちているテレビ業界の再生のヒントが見えてくる」として、制作現場の社員にパチンコ業界再生の宿題を出した。
発表会ではパチンコをしない社員ばかりなので、遊技機に関する話は出てこなかった。つまり遊技機による業界再生案はなかった代わりに、パチンコ店そのものをどうするか、というものが多かった。
その中で店舗の外観写真をA4の紙に1店舗10カット、45ホール分を掲載して分析した発表が目を引いた。
これで気づいたことが、どのホールも外から中が一切見えないデザインになっている。パチンコ業界からすれば当たり前のことだが、これがパチンコをしない人からすれば異様に見える。
中が見えないということは、「不安」が先立つ。パチンコ店は根本的に集客する気がないと言わざるを得ない。初心者が一人で気軽に入ることなどできない。
外から中が見える対策としては、入口から10メートルまではダミー人形を座らせてもいいので、外から中が見えなければならない、と指摘した。
この中が見えないという指摘は今に始まったことではないが、客としては、遊んでいるところを見られたくない、という心理が働く。ガラス張りでも目隠しを貼るのは業界の伝統的手段でもある。
目隠しをするということは、見られたら困る人がいるということである。ある種、パチンコは後ろめたい遊びを意味する。この根本的なところから解決しないことには、いつまで経っても外からは閉ざされた建物に終始する。
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