日中は50人ほどしかお客はいない。どこの町でもよくある光景である。
1割ちょっとの稼働ということは1列ガラガラということが想像できる。そんな人のいない島から叫び声が聞こえてきた。
声の主は常連客ではなかった。
4円の地獄少女にかれこれ3万円近く突っ込んでいた。最後の千円札を入れたところ、残り玉もほとんどないところで大当たりを引き当ててしまった。
アタッカーに入れなければならないのに、玉がない! 追い銭するカネもない! 島にはその客1人しかいないので、隣の人に玉を借りることもできない。
床に落ちている玉を探したが、稼働のない島に玉も落ちていない。
客のいる島へ駆け込み、事情を話し半ば強引に一握りの玉を借りることができた。事なきを得て1万8000発だすことができた。何とか負けも取り戻すことができた。
お客の緊急事態を見ていたのはアルバイトスタッフ3名。正社員は用事で外出していたため、アルバイト君たちはどうしていいものか、とただオロオロするばかりだった。
当然ホールにそういう時の対応マニュアルがあるわけでもない。
報告を受けた店長も、こういう場合助けていいのか、悪いのか判断がつかなかった。昔なら台を開けて玉をちょっと上皿に入れてあげることもやっていた。ちょっとしたことでも、最近は客が所轄に駆け込むので、店長も過敏になっていた。
困った店長は所轄にこのケースでの相談をした。答えは当然のようにNO。こういうことは聞くだけ野暮。
店の方から玉を緊急事態で貸すことはできないとなれば、ホール側ができることは、スタッフが代わりに客の声掛けして玉を借りてあげる、という結論に達した。
今回のケースは1割稼働が生んで悲喜劇。びっちり客がついている店なら、隣の客にでも貸してもらえるのに、それができなかった。
玉を出さないから客も来ない。玉を出さないというよりも出せないというのが正しい。出せば軍団に持っていかれるだけなので、ホールによってはグランドオープンでホールのルールで軍団、プロを徹底排除しているケースもある。
射幸性ばかりを追求した結果の徒花でもある。いくらホールが満杯になろうとも、ホールにとっての本来の客ではない。
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