2005年には404万7000台も販売されていた時代に懐かしさを感じる。当時はまだ1パチも登場していなかった。ボックス買いの“3即営業”という悪しき慣習が横行していた頃でもある。
メーカーにとって年間400万台の新台が売れていた時代から坂道を転げ落ちるような現在の販売台数は如何ともしがたいだろう。低貸しが主流となり、ホールの廃業は今後とも続くものと思われ、販売台数の回復は期待できる要素がない。
ホールの経営状況が厳しいときにも、メーカーは自らが生き残るために、販売台数が下がるのをカバーするために、新台価格を上げ続けてツケが返ってきている。
メーカーも組織が大きくなりすぎて、簡単に新台価格は下げられないのは分かるが、それならパチンコに興味のない新規客を開拓できるような、斬新な機械を開発するのがメーカーの使命でもあろう。ギャンブル性に頼るのでなく、適度の射幸性を満足させる機械が欲せられる。
メーカーの台所事情の厳しさが下請け会社から漏れてくる。
「2~3年先に販売する機種の案件が入ってくる時期に大手以外が入ってこなくなっています。販売まで1年半がギリギリですが、仕事のスケジュールが空欄だらけです。下位メーカーは開発費が捻出できない状態にあることが伺えます。2~3年先の案件があるメーカーは資金に余裕があるということですが、余裕のないメーカーが増えた。こっちに仕事が回ってこないので、ヤバさを肌で感じています」(下請け会社のSE)
メーカーの担当者と20年来のつながりがある下請けのプログラマーは、腹を割って話せる間柄だ。
「ウチの20~30代の開発で重要な立場にある社員が7人も辞めた、というか逃げてゲーム業界へ転職してしまったよ。かといって人材がすぐに補充できるわけでもない。中途採用でヘッドハンティングするにもカネがかかる。今貰っている年俸の2~3割増しは提示しなければいけない。大手じゃないからそんなに給料も払えない。人材難が起き始めているよ」とメーカー担当から打ち明けられた。
メーカーが開発の要である技術者がいなくなれば、当然、ヒット機種も生まれにくくなる。ヒット機種が出なければ、ボーナスも出なくなり、優秀な人材から見切りをつけ、ますますヒット機種は生まれなくなる。
今春、ある大手メーカーが業界誌の広告出稿を全部引き上げた。付き合いで出していた広告を取り止めなければならないほど、経費削減を迫られている。
ホールもメーカーとの付き合いで、仕方なしに買っていた抱き合わせ機を買わなくなった。在庫を抱えたくないメーカーは、売れ残った機種を“特別価格”で上得意ホールには引き取ってもらっていたが、それでも捌けなくなり廃棄した機種も出てきたそうだ。
「一番危ないのは100人ぐらいの規模の会社。売れなくても固定費の人件費はかかる。逆に少数で開発もほぼ外注で固定費がかからない会社の方が案外しぶとく生き残れる。新台価格が50万のところで、25~30万の価格なら安く感じる」(下請け会社のSE)
付き合いも消滅しようとする今日この頃である。
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