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新台「買えない」運動

シリーズ化されているキラーコンテンツ機の販売が思ったほど伸びなかった。当初は6万台を予定、キラーコンテンツなので8~10万台も目論んでいた。

いざ、蓋を開けてみると意外なほど売れず、目標の6万台はおろか、4万台ほどの案件しか入らなかった、という。これに危機感を覚えたのは営業本部。進軍ラッパを吹き鳴らしながら営業マンの尻を叩き、「1台でもいいから余分に買ってもらえ」となった。

購入に際してホール側の支払い条件を飲むのは当たり前、さらに飛び道具として、30台以上買うと本来の解禁日より2週間もオープンを速める“プレミアム開店”をチラつかせて、増台を狙った。

最初から30台以上でトップ週オープンを説明していたら何の問題もなかったが、そういう手法もあからさまに使えなくなっている。販売台数を上げるために、だまし討ちの様に、なりふり構わない営業手法を取った。

遊技機は旬のモノなので導入が1週間も遅れると、営業に響く。最初から中古になった時に小台数を導入する、と腹をくくればいいが、ホールとしては新台効果が高い時期に入れたいものだ。

この販売方法に激怒したホール組合が、販社の営業責任者を呼びつけて厳重抗議することになる。席上、大量導入のプレミアムオープンの件を突き付けると「知りません。うちは、そういう指示もしていませんし、そのような売り方をしたことはない」と弁明した。

小台数でも設置しているホールから順次オープンしてもいいことになった。

ホールの怒りはそれだけではない。検定機と性能が異なる遊技機の撤去・回収が佳境を迎えているが、メーカーによっては、これを「商機」と捉え、遊技機価格を45万円に引き上げるところも出てきている。

「ホールが苦しんでいる時に販売価格を引き上げることに対して厳重抗議している。日工組は5月に新台を廉価で発売することを文章で発出しているので、こういう販売方法は慎んでもらいたい。いらんキャラは使わないで、安く、遊べる機械の供給をホール側は求めている」(ホール組合)と口調は穏やかだが内心は怒りに震えている。

ホールとしては腸が煮えくり返る販売方法だが、ホール側にも責任の一端はある。

「隣のホールが買ったからウチも買う」。機械の良し悪しよりも隣のホールと同じことをしていたら、取りあえず安心。これが従来からの商慣習である。そのホール心理を巧みに操ってきたのがメーカーでもある。そういう買い方を見直す時期に差し掛かっている。

一部からは「買えない運動」を展開したいとの声も挙がっている。その心はホールが疲弊して買えない状況の中で、さらに弱味につけ込んで過当な競争を煽って機械を売りつける販売方法に抗議するためだ。


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