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日本のギャンブル依存症536万人は本当に正しいのか?

物事を数字で語ると信ぴょう性がぐっと増す。数字は、事実であり、客観的であり、論理的である、といわれている。

人を動かすための3大要素は、「論理」「感情」「信頼」であり、「論理」を構成し「感情」に火をつけ「信頼」を増すことが出来るのは、数字だ。メディアが世論をミスリードする時にも、この数字というものが非常に役立つ。

現在536万人という数字が独り歩きしている。これは2014年に厚労省が発表した日本におけるギャンブル依存症の人数だ。

調査方法は成人4000人に面接調査もので、内訳は男性が438万人、女性が98万人となっている。成人の約5%に当たる。世界各国ではせいぜい1%程度なので、日本の5%は突出して高く、その原因は身近にあるパチンコが原因ではないか、とされている。

以来、IR法案で反対派がやり玉に挙げるギャンブル依存症問題では、必ずこの536万人という数字が使われて議論される。

毎年、レジャー白書を発行している公益財団法人日本生産性本部は、2015年度版を発表した席上で、パチンコ部門の市場規模の見直しをしている。パチンコ業界のダイコク電機が発表している市場実態と数字のかい離があるとの指摘を受けた結果、計算方法の見直しを図った。

以下がその新旧の対比である。

パチンコ業界の市場規模の見直し hakusyo

レジャー白書といえば信頼性の高い業界推計だったわけだが、こんなもんだ。これこそが、数字による「論理」「感情」「信頼」の三段論法である。しかもしっかりした公的機関が発表するわけだから、誰も信じて疑わない。

数字を使ったミスリードを最近のテレビからも垣間見ることができる。

TBSのひるおびがIR法案の問題を取り上げた時、レギュラーコメンテーターの伊藤惇夫(政治アナリスト)は、事実誤認の元に次のようにカジノ批判を展開している。

「実は日本はすでに世界一のギャンブル大国なんですよ。パチンコ・パチスロだけで200兆円の規模なんですね。世界のカジノ全部ひっくるめても130~140兆円。それだけですでにオーバーしているところに、なぜ、あえてカジノを作るのか。バクチで儲ける成長戦略は美しい国ではない」

パチンコ業界の市場規模は20兆円なのに、それをあえて200兆円と作為的に言い間違えたとしか思えない論理展開でカジノを批判している。

数字で語られたらパチンコ業界の市場規模はいとも簡単に200兆円になってしまう。知らない人は間違いだとも分からずに簡単に鵜呑みにしてしまう。

厚労省が発表した日本のギャンブル依存症の人数も疑ってみる必要がある。

公益財団法人日工組社会安全研究財団内の「パチンコ依存問題研究会」は、お茶の水女子大との共同研究事業として、「パチンコ・パチスロ遊技障害全国標準サンプリング調査」を実施することになった。

調査対象は全国の18歳~70歳までの男女9000人。

これまで、依存症患者の推計が信頼の足りる統計数ではなかったことから、全国標準サンプリングを収集することで実態を正確に把握する狙いと基礎研究の目的がある。

その数字は正しいのか——疑うこともしないで議論されたのではたまったもんじゃない。



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